【第21回】
「たぶ・たぶ」
CSVやタブ区切りのデータと罫線テキストの表を相互変換
（99/02/01）
比較的リリースが新しく、これからの成長も楽しみなオンラインソフトにスポットを当て、その魅力などを紹介しよう。
企業内でもメールが一般的な通信手段になりつつある昨今、さまざまな情報データをメールで受け渡ししている人は多いだろう。各種表計算ソフトなどで入力したデータファイルはそのままメールのファイル添付で送受信してもいいが、小さな表ならメール本文に書き込んだ方が視認性もよく、便利なことがある。しかし罫線を駆使してテキストの表を作るのは面倒なもの。データを入力し直すのもおっくうだ。そこで今回は、タブ区切りのテキストデータを一発で罫線の表（テーブル）に変換してくれるという便利なソフトを紹介しよう。
タブ区切りデータを罫線テキストの表に一発変換！
「たぶ・たぶ」はクリップボードにコピーされたタブ区切りのテキストデータをテキストの表に変換してくれるソフトだ。市販の表計算ソフトなどで表を範囲指定してコピーすれば、データがタブ区切りのテキストとして利用できるようになるが、これを「たぶ・たぶ」で処理すれば、罫線を使った見やすいテキスト形式の表（以下「罫線表」と呼ぶ）に簡単に変換してくれるのだ。これで横幅の小さな表ならメール本文に直接貼り付けることができるようになる。
逆に罫線表からタブ区切りテキストに変換することも可能で、一度作成した罫線表をあちこち修正したい場合に便利だろう。罫線の種類は指定可能で、行間や列間に線を引かない指定や、任意の文字を罫線代わりに使用することもできる。枠線のどの部分を変更するかを細かく指定できるのもうれしい。また、罫線表の場合は数値データを自動的に右寄せにしてくれるなどの気配りもありがたい。
「たぶ・たぶ」はコンバーターとしての変換機能だけでなく、データ入力の機能も備えている。メモウィンドウを開けば直接タブ区切りのデータを入力でき、グリッドウィンドウを開けば一般的な表計算ソフトと同様の操作性でデータを直接入力していける。入力が終われば罫線表に変換するなり、タブ区切りデータとして利用するなりすればいい。
またタブ区切りテキストだけでなく、カンマ区切りのCSVファイルも扱うことができる。グリッドウィンドウからCSVファイルを読み込めるので、同様に罫線表にしたりタブ区切りデータに変換することが可能だ。
完成度の高いソフト
実際に使ってみると操作性もよく機能豊富で、完成度の高い印象を受けた。ゴテゴテと機能を盛り込みすぎたソフトのような使いにくさもなく、目的に応じてウィンドウを分けているのもわかりやすい。しいて欲を言えば、手入力で作った罫線表に最もありがちな、「|」「-」「+」を枠線に使った表も作成したり読み込むことができれば、より多くの人にとって便利なツールになるに違いない。また、縦や横、交点の代替文字まで細かく指定できれば、表の自由度がさらに高まるだろう。
HTMLメールなど表現力の制限を取り払う業界の動きも見られるが、インターネットの世界ではまだASCIIテキストのみで書かれたメールが圧倒的に多い。それは何よりインターネットのメールに求められている役割の主たるものが、必要最小限の情報を相手に的確に素早く伝えるということに尽きるからだろう。しかし顔文字文化やASCIIアートに見られるような視覚的な表現力も、広く必要とされていることは改めて言うまでもない。「たぶ・たぶ」のようにテキスト形式の良さを守りながら視認性を高めてくれるソフトは、まだまだこれからも多くの人々に愛用されていくことだろう。
【著作権者】tamo（Tsuyoshi Takimoto） 氏
【ソフト種別】シェアウェア 700円
【バージョン】1.01（99/01/07）
□Windows Software by "tamo"
http://member.nifty.ne.jp/tamo/software/
（ひぐち たかし）
