ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第50回】

「ICONぱくら」

Windowsのアイコンをアルバム表示! 編集や保存も便利なアイコン管理ツール

(99/09/06)

 さまざまなオンラインソフトをダウンロードして使っていると、そのアイコンデザインに感心することがある。Windowsのアイコンは、いわば32×32ドットで表現する現代アートだ。Windowsでは特別なツールを使わなくても、ショートカットアイコンならプロパティから自由に変えられる。気に入ったアイコンを見つけてはアイコン抽出ソフトやキャプチャーソフトを使ってアイコンを取り出し、差し替えたり手を加えてみたりして楽しんでいる人もいることだろう。今回はそんなアイコンマニアにもオススメしたい、誰もが手軽に使えるアイコン管理ツールを取り上げてみよう。

アイコンをアルバム風に収集、編集や保存も簡単

「ICONぱくら」v1.02  「ICONぱくら」は、EXEファイルやDLLファイル、OCXファイルなどからアイコンやカーソルの画像を抽出し、一覧表示したり編集したりできる、アイコン管理ツールだ。フリーソフトで、Windows 95/98/NT 4.0で動作する。機能は大きく分けて3つ、すなわちアイコンの抽出機能、アイコンの保存と管理機能、およびアイコンの編集機能だ。これらをわかりやすい操作性でうまく統合しているのが「ICONぱくら」の特長と言っていいだろう。

 外観はサムネイルを一覧するタイプの画像ビューワーに似ており、アイコンやカーソルの画像をアルバム風にまとめて管理する点がユニーク。EXEやDLL、OCXなどのファイルをエクスプローラから複数選択してドラッグ&ドロップするだけで、ファイル中に含まれるアイコンやカーソルの画像を次々にアルバム台紙に並べ、一覧表示してくれる。アルバムのデザインは自由にカスタマイズ可能で、標準で9パターンのデザインが選択できるほか、自作の好きな画像を使うことも可能になっている。

 抽出して一覧表示されたアイコンは、それぞれ右クリックすることでメニューがポップアップし、内蔵のアイコンエディターを起動して編集したり、ファイルに保存したり、色数を変更したりできる。アイコンエディターは実サイズ表示を見ながら拡大サイズ表示で編集する標準的なものだが、ブラシや塗りつぶし機能、消しゴム、スポイト、だ円や直線を描くツールボタンを備えており、必要十分な使いやすいものに仕上がっている。

 アルバムウィンドウは複数開いて、アイコンをドラッグ&ドロップして移動やコピーができるため、整理も簡単だ。抽出と編集が終わったアイコン群は、独自形式のアルバムファイル(*.IAL)としてまとめて保存し、いつでも呼び出せるが、アイコンファイル(*.ICO)やカーソルファイル(*.CUR)、BMP、JPEG、TIFF、PNGの形式で個別に保存することもできる。

動作速度のチューンアップが望まれる

 早い話が、最近流行のサムネイル一覧タイプの画像ビューワーのアイコン版、と言えばこのソフトをイメージしやすいだろう。閲覧から編集までをこなし、概してアイコン画像の収集・管理に非常に便利なソフトだ。このソフトを使って、ハードディスクの中でひっそりと眠っている小さなアートを大いに楽しみ、活用したいものだ。もちろんアイコン画像の改変や利用には、その著作権に十分注意する必要があり、個人で楽しむだけにとどめよう。

 ただ実際に使ってみて唯一気になったのは、その動作スピード。環境によるのかもしれないが、Pentium II 266MHz/RAM 64MBのWindows 98マシンで使っても、「ICONぱくら」を起動している間は、併用している他のソフトの動作が体感的にかなり遅くなる。また例えば、ハードディスク内のすべてのアイコンを見ようとしてうっかり数千のEXE/DLL/OCXファイルを一度にドロップしてしまうと、最初のアイコン画像が現れるまでに数十秒かかり、その間何も反応がないため、一見フリーズしてしまったかのように感じる。アイデアも操作性も十分にいいソフトなので、今後のチューンアップに期待したいところだ。

【著作権者】AKIHITO38 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.02(99/08/29)

□作者: AKIHITO38
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/person/an017815.html

(ひぐち たかし)

トップページへ
ひぐちたかしの新作ソフト紹介 INDEX


Copyright(C), 1996-1999 Impress Corporation.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで