【第51回】「MIView」
テキストもHTMLも画像も圧縮ファイルもサクサク閲覧できるマルチビューワー
（99/09/13）最近の画像ビューワーには、いちいちウィンドウを開いたり閉じたりしなくても、多数の画像をボタン一つ、またはクリック一つで次々に見ていけるものが多い。しかし同様にテキストやHTMLファイルも次々と閲覧していくことができれば、ファイルを探すときに便利ではないだろうか。今回はそんなマルチビューワーを取り上げてみよ う。
さまざまな形式のファイルを閲覧できるマルチビューワー
「MIView」は、ファイルを選択するだけで中身を閲覧できるマルチビューワーだ。画像だけでなく、テキスト、HTML、音声、動画、および圧縮ファイルを総合的に扱えるのが特長で、Windows 95/98/NT 4.0で動作する。
外観は上部にボタンの並んだツールバー、左上にフォルダ一覧ツリー、左下にファイル一覧、中央から右側が大きなファイル内容表示部、そして下部にファイル情報表示部とサウンド系の再生ボタン類、およびステータスバーという構成になっている。
使い方は簡単で、直感的にわかりやすい。フォルダ一覧ツリーからフォルダを選択すると、その中の閲覧可能なファイルがファイル一覧表示部にリストアップされ、いずれかのファイルを選択すればその内容が右側に表示されるという具合だ。大きな画像は設定によりオリジナルサイズのまま、もしくはウィンドウ内に納まるよう縮小されて表示される。サウンド系ファイルを選択した場合は、下部の再生ボタン類がアクティブになり、直ちに音声が再生される。また、ファイルを右クリックすれば、関連づけられたプログラムで開いたり、任意のフォルダへコピーすることも可能だ。
「MIView」で閲覧が可能なファイルは、テキスト（*.TXT、*.INI、*.DOC）、HTML（*.HTM、*.HTML）、画像（*.BMP、*.JPG、*.PNG、*.ICO、*.WMF、*.EMF）、音声（*.WAV、*.MID、*.RMI、*.MP3）および動画（*.AVI、*.MOV、*.MPG）となっているが、音声や映像の再生には「Windows Media Player」が必要で、HTMLファイルの表示にはIE3.0以上が別途インストールされている必要がある。また画像形式については、Susieプラグイン対応なので、現在日本で流通しているほとんどすべての画像形式をカバーできると言ってよい。
さらに対応したDLLがあれば、LZH、ZIP、CAB等の圧縮ファイルをフォルダ同様に閲覧できる。圧縮ファイル内の選択ファイルを右クリックメニューからデスクトップや任意のフォルダに解凍したり、セットアッププログラムのいわゆる試験実行（一時フォルダにすべて解凍してから実行）も可能で、閲覧・解凍用ツールとして使うことができる。
実際に使ってみると、表示スピードもなかなかで、たくさんあるファイルをざっと見ながら目的のものを探し出したいときに非常に便利なツールだと言えるだろう。
ただどうしても気になったのは、ファイル一覧でソートができない点だ。さまざまなファイルが多数混在しているフォルダの場合など、あまりに多数のファイルがリストアップされると、目的のファイルをファイル名で探し出すのにも苦労する。ファイル名やファイルの種類などによるソートや、ワイルドカードを使ってフィルターをかけられるようになるといいだろう。さらに欲を言えば、WMAやASFなどWindows Media Player単体では再生できても「MIView」では再生できないファイル形式もあるので、今後はすべての形式に対応していってほしいところだ。
筆者はテキストビューワーを探していてこの「MIView」を知ったのだが、テキストだけでなく音声や動画などを簡単に閲覧できるばかりか、解凍ツールとしても使えることの便利さに感心した。確かに圧縮ファイルの中を閲覧できるなら、簡単な解凍操作もできてほしくなるのは当然であり、こういった仕様になっても不自然ではない。あると便利な機能をただ詰め込むのではなく、必要にして十分な機能を吟味しながらこの「MIView」が発展していくことに、今後とも期待したいものだ。
【著作権者】Ｍ＆Ｉ 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.0（99/09/02）□Ｍ＆Ｉのページ
http://member.nifty.ne.jp/m-and-i/
（ひぐち たかし）
