PickUP


操作性を重視したフリーの2次元汎用CAD「2次元CAD PC定規」

標高値の自動変更や2図面を切り替えての同時編集が便利

(00/06/29)

「2次元CAD PC定規」
 CADソフトと言えば、コマンドの多さと設定の複雑さでしり込みしてしまう人も多いのではないだろうか。特に初めてCADソフトを使ってみようという人は、起動しただけで複雑な画面に圧倒されてしまうかもしれない。そこで、コマンドや設定が比較的簡単で、これからCADソフトを使ってみようという人に最適な「2次元CAD PC定規」を紹介しよう。

 「2次元CAD PC定規」は、操作性と描画速度を重視したCADソフト入門者向けの汎用2次元CADソフト。図面の作成は画面左側にあるツールボックス内のコマンドアイコンを選択して行う。コマンドアイコンは必要最低限なものにしぼられているので覚えやすい。コマンドは、作図系コマンド(直線、複線、中心線、矢印の付加、網掛け、円、円弧、円接線、文字入力、寸法線等)と、修正系コマンド(複写、移動、消去、線伸縮、線延長、線切断、文字変更、文字移動等)があり、線長測定、面積測定にも対応している。各種コマンドを実行すると作図エリアの上部に指示が表示されるため、次に続けて行う操作がわかりやすい。図面のズームや移動もツールボックス下部にあるアイコンで直感的に行うことが可能だ。また、同時に2枚の図面を開き、ボタン一つで切り替えながら並行して編集することが可能で、他図面の部品をコピーする場合などに便利だ。

 便利でユニークな機能としては、標高値の自動変更がある。例えば、構造物に「▽1.000」という高さを記入している場合、その部分を移動すると自動的に標高値も変更してくれる。また、使いやすい座標入力専用のダイアログをもち、測量値や計測値をプロットする場合に便利だろう。環境設定ではグループ、レイヤー、ペン、文字、寸法、印刷をひとつのウィンドウで設定可能だ。縮尺に関してはグループごとに縦横それぞれに任意で設定することが可能で、縦断図などの縦横異縮尺の図面作成や、詳細図など一枚の図面に縮尺の異なる図面を混在させる場合も便利だ。

 また、JW_CADの操作性を参考に作られており、たとえばマウスボタンの左右同時クリックや[PageUp]キーや[PageDn]キーを使ったズーム、右クリックでの端点・交点のスナップ、文字入力・修正等、JW_CADと同等なものが多い。ペンの種類や線種も全く同じ物が使用されており、レイヤーの方も16レイヤー×16グループで計256レイヤーと同様だ。ファイルの読込み、保存は独自のPCJ形式のほか、DXF形式やJW_CADのJWC形式に対応している。

 普段DOS版のJW_CADを使用している人は、JW_CADと同様の操作でWindows上で手軽に作図できるのがうれしい。完成した図面の背景を白にして「bmpコピー」を使用すれば、ワープロソフトなどに貼り付けて報告書の作成に便利だろう。印刷はWindowsのプリンタドライバーに準拠しており、プロッターを使用している場合はA1、A0サイズまでの図面領域の使用や印刷範囲の設定が可能だ。

【著作権者】(株)オーエムエス、大里 仁志 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.10e(00/06/28)

□O.M.S Internet Home Page
http://www.lucksnet.or.jp/~omsid1/

(M's)

トップページへ


Copyright(C), 1996-2000 Impress Corporation.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで