Winゲームデモ!


【第126回】

3D戦術シミュレーション「Braveheart」

指揮官の視点で見る戦闘シーンがスゴい!!

(01/04/04)

タイトル画面

 メル・ギブソン主演の映画『ブレイブハート』が公開されたのは、1995年の秋だった。かなり過激な映像も盛り込まれていたが、訴えるものがあるすばらしい映画だったと思う。戦闘シーンも迫力があり、放物線を描いて降る矢の怖さやバトルアックスの壮絶な破壊力を、まざまざと見せ付けられた。ファンタジー系のゲームが好きな人なら、登場人物がまとう鎧や武器を見るだけでも、よい勉強になると思う。さて、今回紹介するのは、この映画『ブレイブハート』をゲーム化した作品だ。3D映像をふんだんに取り入れ、新しいタイプの戦術シミュレーションに仕上げられている。

史実をベースに、スコットランド対イングランドの戦いを描いたドラマ

映画のシーンをそのまま再現したオープニングムービー
映画のシーンをそのまま再現したオープニングムービー

 『ブレイブハート』の舞台は、13世紀末のスコットランド。当時スコットランドの人々は、イングランド王エドワードI世による圧制と重税にあえいでいた。イングランド軍に家族を惨殺されたスコットランドの騎士ウィリアム・ウォレスは、自由と独立を求めて軍を組織し、イングランドに戦いを挑む。劣勢であるにもかかわらずスコットランド軍は何度か奇跡的な勝利を収めるが、ウィリアム・ウォレスは1298年の「フォールカークの戦い」に敗れて捕らえられ、1304年、イングランド王に対す反逆罪で処刑されてしまう。

 このゲームでは、プレイヤーはウィリアム・ウォレスを演じてスコットランド軍を指揮し、イングランド軍を相手に勝利を目指す。兵士の数も装備も勝るイングランド軍に対してどう戦うかが、重要なポイントになるだろう。はたして、歴史は変わるのだろうか?

戦闘指揮官の視点でプレイ。ズームイン・ズームアウトも思いのまま

マナーハウスに蓄えられたイングランド軍の武器を奪え
マナーハウスに蓄えられたイングランド軍の武器を奪え
まずはスパイを潜入させて、町の様子と敵軍の状態を偵察
まずはスパイを潜入させて、町の様子と敵軍の状態を偵察

 デモ版をインストールすると、デスクトップにメル・ギブソンの顔をデザインした起動用アイコンが表示される。ただしこのアイコンはGlide用、つまり3DfxのVoodooシリーズ用なので、それ以外のビデオカードを使っている場合は「必要なDLLファイルGLIDE2X.DLLが見つかりませんでした」というエラーメッセージが表示されてしまう。GeForceなどDirectX対応のビデオカードでプレイする場合は、「Braveheart」がインストールされたフォルダの中にある、“bhd3d.exe”を起動すること。ショートカットをデスクトップに作ると便利だと思う。

 起動用アイコンをクリックすると、オープニングムービーに続いてメインメニューが表示される。“Raid Town”をクリックするとミッションに関する説明が示されるので、“Send Spy(スパイを送る)”か“Conduct Raid(侵入の手引きを行う)”のどちらかを選ぶ。初めてプレイする場合は、とりあえず“Send Spy”でいいだろう。このモードでは偵察がメインで、戦闘らしい戦闘にはならない。3Dのプレイ画面に切り替わったら、範囲指定かマウスの左クリックでキャラクターを選択。続いて移動目的地を左クリックすると、キャラクターが移動を開始する。

 視点の切り替えは、ファンクションキーの[F1]~[F5]キーを使う。キャラクター視点の場合はマウス移動で視野の移動、俯瞰の場合はテンキーの[+]キーと[-]キーでズームイン・ズームアウトさせることが可能だ。戦闘や移動、集合などのコマンドは、画面に表示される操作パネルを使って行う。キャラクターの視点で3D表示できることを除けば、操作方法はこの連載の第100回で紹介した「エイジ・オブ・エンパイア」に近い。


フィールドで対峙するスコットランド軍対イングランド軍
フィールドで対峙するスコットランド軍対イングランド軍


イングランド軍の武器を奪取せよ!!

イングランド軍と遭遇。敵は重装備だ
イングランド軍と遭遇。敵は重装備だ

 “Raid Town”の目的は、まずスパイとしてイングランド軍が支配する町に潜入して情報を集め、その後少数の手勢を率いて夜襲をかけ、イングランド軍が蓄えた武器を盗むことだ。敵の主力はマナーハウスの入り口前に集結しているので、少しずつおびき出して倒すようにしよう。イングランド兵は数も多く、弓や長槍で装備している。まともに戦って勝てる相手ではないので、正面からの攻撃は絶対に避けること。また、このミッションでは武器を盗むのが目的で、敵の殲滅や町の破壊が目的ではない。マナーハウス以外の建物に放火することもできるが、できれば避けたほうがいいだろう。

おびき出した敵兵を確実に倒せ

キャラクターの視点で見る戦闘シーンは迫力満点だ
キャラクターの視点で見る戦闘シーンは迫力満点だ
 デモ版での戦闘は比較的小規模なものなので、これといった必勝法はない。強いていえば、こちら側の戦力を分散することなく、集団で行動するという点だろうか。そしておびき出したイングランド兵を、確実に仕留めること。「戦闘力は、その規模の自乗に比例する」というのが兵法の基本だ。たとえば2対1の人数で戦う場合の戦力比はおおむね4対1、4対1の人数で戦う場合の戦力比は16対1となる。「数は力なり」。兵力は、集中させればさせるほど、等比級数的に勝率が高まることを知っておこう。

 また、イングランド兵は射程の長い弓を装備している。迂闊に近寄ると狙い撃ちされてしまうので、弓兵の射程を見極め、その中には踏み込まないようにしよう。長槍や剣で武装した兵士を倒した後に、間合いを詰めて一気に斬り込むのがセオリーだ。もちろん、戦わずに済むのであれば、そのほうがよいのだが。

斬新な発想だが、未消化の部分も残る

甲冑で身を固めたイングランドの騎士。機動力、攻撃力ともに最強だ
甲冑で身を固めたイングランドの騎士。機動力、攻撃力ともに最強だ
 新しいコンセプトの戦闘シミュレーションだと思う。基本的な操作は「エイジ・オブ・エンパイア」に似ているが、生産や経済力といった戦略性をバッサリと切り捨て、局地的な戦術シミュレーションに徹することによってわかりやすさが増した。そのぶんプレイヤーは、部隊の編成と運用に集中することができる。3Dをふんだんに取り入れ、戦闘指揮官の視点で戦場を眺め、戦えるのも斬新だ。

 しかし、視点の切り替えやズームイン・ズームアウトがわずらわしく感じることもあった。3Dで眺める戦場はたしかに映画的で迫力があるのだが、実際にプレイするとなると「エイジ・オブ・エンパイア」のような視点、つまり戦場全体を見渡せる俯瞰のほうが戦いやすい。戦術シミュレーション+3Dという組み合わせはたしかに斬新だが、まだ検討すべき部分が多く残されているのもたしかだと思う。たとえばマルチディスプレイやマルチウィンドウに対応し、俯瞰と戦闘指揮官の視点を組み合わせてプレイできればおもしろいのに、なんて思ったりもする。

史実に沿ったシナリオでプレイ

戦場の様子は、視点を変え、好きな角度から眺めることができる
戦場の様子は、視点を変え、好きな角度から眺めることができる

 デモ版では、“Raid Town”のほかにもう1ミッションをプレイすることができる。メインメニューから「Game Features」を選び、そこで[Esc]キーを押すと、イングランド軍との野戦を試すことができる。ウィリアム・ウォレスをリーダーにした総力戦が楽しめるので、ぜひトライしてもらいたい。製品版ではキャンペーンシナリオ形式で史実に沿った戦闘を楽しめるほか、ネットワークを経由して最大4人までのマルチプレイに対応しているとのこと。

発売元Eidos Interactive
価格14.99ドル
発売日発売中

(braveheartdemo.zip、100.0MB、ゲームデモ)

□「Braveheart」のホームページ
http://www.redlemon.com/html/braveheart_index.html
□「Braveheart」のダウンロードページ
http://www.demonews.com/games/braveheart.asp

(駒沢 丈治)


(c) Copyright Eidos Interactive Ltd 2000.
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