夏はいつも、駆け足で去っていく。蒸し風呂のような熱帯夜はすっかりと影をひそめ、むしろ夜風が肌寒く感じられることもあるほど。これからはうっかり寝冷えをし てしまわないよう気をつけたい。  さて「夏休み! ゲーム祭!!」の最終回は、「スポーツ」をテーマに選んでみた。こちら窓の杜では、スピード感のあるラリーが楽しめる3D卓球ゲーム「Cannon Smash」を。GAME Watchでは、選手を育てて甲子園を目指す高校野球シミュレーション「高校野球道2」を紹介しよう。どちらも夏休み最後の週末を過ごすにふさわしい、スカッと気持ちのいいスポーツゲームだ。


【最終回】

3Dアクション卓球ゲーム「Cannon Smash」

卓球ならではのスピード感と駆け引きを楽しめる

(01/08/31)

シンプルでわかりやすい卓球ゲーム

 3Dアクション卓球ゲーム「Cannon Smash」は、Windows 95/98/NT 4.0/2000用のフリーソフト。別にLinux版も用意されている。ラケットで打ち合うことにこだわって作られており、シンプルな見た目とは裏腹に、卓球ならではのスピード感と“駆け引き”をたっぷり楽しむことができる。ルールは5点先取、11点先取、21点先取の3種類で、相手選手のレベルは4段階。コンピューター相手に試合するシングルプレイのほか、ネットワークを経由した対戦プレイも可能だ。

メインメニュー 選手の移動とラケットの“振り”はマウスを使って行う
メインメニュー 選手の移動とラケットの“振り”はマウスを使って行う

設定用ダイアログで基本設定を済ませる

 ゲームを起動すると、まず設定用のダイアログが表示される。“Full Screen”の“ON/OFF”は、ゲームをフル画面でプレイするか、ウィンドウ表示でプレイするかの指定。ちなみにゲーム画面は、800×600ピクセルの固定サイズだ。“Graphics”の“Simple/Normal”は背景描画の指定。“Simple”を選ぶと背景がグレーで塗りつぶされ、そのぶん臨場感は薄れるが、処理速度が増すようになっている。通常は“Normal”を指定し、処理速度に支障を感じるようであれば“Simple”に切り替えるといいだろう。

 最下段のSolo、LAN、Internetと分かれたタブは、対戦相手の設定だ。“Solo”を選べばコンピューター相手のシングルプレイ、“LAN”の場合はLAN環境もしくはIPアドレスかマシン名がわかっている相手との直接対決、“Internet”はゲームサーバーを経由した対戦プレイということ。ただし“Internet”は現在テスト中で、まだうまくいかない部分もあるようだ。筆者の環境でもうまく動作させることができなかった。対戦プレイを楽しみたい場合は、チャット等で相手のIPを教えてもらい、どちらか一方がサーバーとなって直接接続したほうが確実だろう。

規定のポイント先取で勝敗が決まる。相手選手の強さは4レベル こちらは自分の選手が透けて見える“Transparent”モード
キーボードを使って打球の落下地点をコントロール 規定のポイント先取で勝敗が決まる。相手選手の強さは4レベル

こちらは自分の選手が透けて見える“Transparent”モード こちらは自分の選手がワイヤーフレーム表示される“Wireflame”モード
こちらは自分の選手が透けて見える“Transparent”モード こちらは自分の選手がワイヤーフレーム表示される“Wireflame”モード

フォアハンドとバックハンドを使い分けろ!!

 ダイアログから“Game Start!”ボタンをクリックするとゲームが始まる。メインメニューが表示されたら、まず“How to Play”を選んで操作の基本を確認しよう。 操作方法は下記のとおり。

選手の移動:マウス
サーブ:マウスのボタンをクリック
フォアハンド:マウスの右ボタンをクリック
バックハンド:マウスの左ボタンをクリック

 自分にサーブ権があるときは、マウスのボタンのどちらか一方をクリックすると自動的にサーブが繰り出される。よくあるテニスゲームのように2回クリックする必要はない。逆に相手が打ったボールを打ち返したいときは、ボールがバウンドする位置を予測し、×印の位置を合わせてマウスのボタンをクリックすればいい。ボールの落下地点はテーブル上に赤い丸印で表示されるので、それを参考にしよう。

 注意したいのは、フォアハンドとバックハンドの使い方だ。打ち返すポイントとなる×印はプレイヤーの左右にひとつずつあり、右側の×印はフォアハンドで、左側の×印はバックハンドで打つ位置を表している。ボタンを間違えてクリックすると空振りしてしまうので、左右を確実に使い分けること。

選手のプレイスタイルは3種類の中から選ぶことができる 打球の軌跡に合わせて×印を移動させる
選手のプレイスタイルは3種類の中から選ぶことができる 打球の軌跡に合わせて×印を移動させる

キーボードを使って打球をコントロール

 何も考えずに打ち返すと相手のテーブルの中央が目標になるが、「Cannon Smash」ではキーボードと組み合わせて台の上の微妙な位置を狙えるようになっている。フルキーボードの左半分が相手のテーブルの位置に対応していて、たとえば[3]キーを押しながら打ち返すとテーブルの左奥に、[N]キーを押しながら打ち返すとテーブルの右側手前に、ピンポイントを突いた打球が行える。これはとてもすばらしい発想だ。

 筆者もさっそくプレイした。マウスとキーボードを同時に使わなければならないので、慣れるまでにちょっと時間が掛かったが、うまく使いこなせるようになった後は変化に富んだ試合が楽しめるようになった。テーブルの奥を狙って打ち込んだあとに突然手前にフェイントを落としたり、左端ギリギリのラインにドライブを掛けた打球を打ち込んで相手を揺さぶることもできる。こんな具合に、実際のプレイさながらの“駆け引き”が行えるところがいい。

こんな具合に卓球台から離れて打ち返すことも可能だ
こんな具合に卓球台から離れて打ち返すことも可能だ

選手のプレイスタイルは3タイプ

 そしてもうひとつおもしろいのが、選手のプレイスタイルを選べる点だ。「Cannon Smash」には“Pen Attack”、“Pen Drive”、“Shake Cut”の3タイプの選手を選択できるようになっている。“Pen Attack”というのはペンホルダー型のラケットを使い、フォアハンド使ったスマッシュ攻撃を得意とする選手。テニスで言うと前衛型で、スピードがある。“Pen Drive”もペンホルダー型のラケットを使うが、フォアハンドによるドライブを得意とする選手だ。“Shake Cut”はカットによる防御を得意とする守備型の選手で, スマッシュは3選手中ではもっとも不得手。それぞれ間合いや打ち方が違うので、バリエーションのある試合を楽しむことができる。

ボールとラケットで感じるコミュニケーション

コンピュータ相手に練習を積んだら、次は対戦プレイを楽しもう
コンピュータ相手に練習を積んだら、次は対戦プレイを楽しもう
 あまにりシンプルな画面なので、初めて見たときはちょっと不安も感じたが、遊んでみるとこれがなかなかおもしろい。プレイしていて一番気持ちよく感じたのが、相手との打ち合い…つまりラリーが続いたときだ。スマッシュが「スパンッ!!」と綺麗に決まったときの快感はいわずもがなだが、それよりも互いにミスすることなく、長めにラリーが続いているときのほうが遥かに楽しい。自分のターンでは絶対に外せないという緊張感。「カコンッ、カコンッ」と心地よく繰り返される音。ボールとラケットを介した、卓球選手ならではの“コミュニケーション”。こんなにシンプルなゲームなのに、卓球のおもしろさが十分に再現されているとは驚きだ。卓球が好きな人も、そうではない人も、ぜひ一度試してもらいたい。

 自分が実際にプレイしている気持ちになれる、スポーツゲームのベーシックなおもしろさが、「Cannon Smash」にはある。

【著作権者】Kanna Yoshihiro 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】0.6.2a(01/08/25)
【ファイルサイズ】3.77MB
【対応OS】Windows 95/98/NT 4.0/2000

□Cannon Smash
http://www.utmc.or.jp/~nan/csmash/
□窓の杜 - Cannon Smash
http://www.forest.impress.co.jp/library/cannonsmash.html

(駒沢 丈治)

GAME Watch 窓の杜
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