.
PickUP

手元のHTMLファイルをHTMLヘルプ形式に変換「ヘルプましん」

HTMLヘルプにすれば階層表示で見やすくなりキーワード検索もできる

(02/03/04)

「ヘルプましん」Build 1.7.1
「ヘルプましん」Build 1.7.1

 最近のオンラインソフトのヘルプは、紫色の本のようなアイコンをもつヘルプファイル(*.hlp)ではなく、書類に黄色いクエスチョンマークがついたようなアイコンをもつ“HTMLヘルプ”(*.chm)が増えてきていることにお気づきの人も多いことだろう。HTMLヘルプは、Webページのような操作性をもちながら、HTMLファイルと違って複数のページや画像を単一のファイルにまとめられる。さらに含まれる語句の検索もしやすいという特長もある。このようなHTMLヘルプを簡単に作成できるのが「ヘルプましん」だ。

 「ヘルプましん」は、ローカルのHTMLファイルを変換してHTMLヘルプを作れるソフト。本来HTMLヘルプは、開発者向けにMicrosoftが配布している「Microsoft HTMLHelp Workshop」というソフトを使って作成するのだが、エンドユーザーが利用するには操作が難しい面もあった。この「ヘルプましん」は「Microsoft HTML Help Workshop」のフロントエンドとして動作し、Webブラウザーなどを利用して保存した複数のHTMLファイルを、HTMLの知識をもたない初心者ユーザーでも比較的簡単にHTMLヘルプに変換・作成することができる。

作成したヘルプでキーワード検索
作成したヘルプでキーワード検索

 新聞記事をスクラップするように、気に入ったWebページをハードディスクにファイル保存し、いつでも見られる情報データーベースとして利用している人もいることだろう。複数のHTMLファイルをHTMLヘルプ形式に変換すれば、さらに使いやすい簡易データベースとして活用できるようになる。

 例えばHTMLファイルをテキストファイル用のGREPツールで検索する場合だと、検索後、Webブラウザーで開いても検索文字列がどこに含まれているかをもう一度ページ内検索しなければならない。同じ検索キーワードが1ページにたくさん含まれていると、どこが目的の位置なのかがわかりにくいのも面倒だ。しかしHTMLヘルプでは、検索ツールを別途用意しなくても、HTMLヘルプの標準機能として任意の文字列をキーワードにした全文検索ができる。ちょうどGoogleで検索した結果をGoogleのキャッシュを使って表示したときのように、ページ内のキーワード部分がすべて反転表示され、1ページ内で多数の文字列がヒットした場合でも目的の部分を見つけやすい。

 さらに、HTMLヘルプなら、ツリー形式の目次を画面の左側に表示できる。また目次とは別に、キーワードの一覧を表示することができ、キーワードをクリックするだけで関連ページを表示できるようになっている。これら検索における利便性は、HTMLヘルプを使ったことがある人なら容易に想像できるだろう。このほか、複数のHTMLファイルをHTMLヘルプにしておけば、HTMLファイルのままで保存しておくよりもサイズも小さくなるという利点もある。

 「ヘルプましん」の使い方の基本的な流れは次の通り。まず「ヘルプましん」の動作には「Microsoft HTML Help Workshop」が必要なので、持ってなければ「ヘルプましん」のヘルプやREADMEに書かれている入手先から入手してインストールしておく。次に元となる複数のHTMLファイルを用意するが、前もって1つのフォルダにまとめておくといいだろう。「ヘルプましん」を起動し、新しいプロジェクトとして作成するHTMLヘルプの名前や表示サイズなどをウィザードに従って最初に設定する。慣れるまでは「ヘルプましん」のヘルプを読みながら行うのが望ましい。続いて元になるHTMLファイルをフォルダごと読み込むと、ファイル構成が画面左側にツリー表示される。もしフォルダしか表示されない場合は、[ノード展開]を行えばツリーが展開する。

 ここでデータベースとして利用しやすいように、HTMLファイルの順序を入れ替えたり、HTMLファイルをさらに階層化させたり、タイトルを変更して目次を作成しよう。必要なら見出しのページを自動生成したり、追加するHTMLファイルを作成することもできる。HTMLファイルは「ヘルプましん」上で直接を編集することもできるし、あらかじめ登録しておいた別のHTMLエディタを利用することも可能だ。ひととおり完了したら、あとはコンパイルボタンを押すだけ。できあがったHTMLヘルプはボタンひとつですぐ確認でき、細部を調整してコンパイルし直すことも簡単だ。

 「ヘルプましん」で作成するHTMLヘルプには、JavaスクリプトやJavaアプレット、ActiveXコンポーネント、動画やサウンドなど、通常のHTMLファイルで利用できるものはほぼすべてそのまま埋め込むことができ、単一のファイルとして保存できる。また「ヘルプましん」では、HTMLヘルプのツリー表示に使うアイコンや表示フォント、HTMLヘルプウィンドウの表示サイズといったスタイルをあらかじめプロジェクトのテンプレートとして複数登録しておき、呼び出して使うことも可能だ。さらに普通のヘルプファイルと同様に、リンク文字列の解説をポップアップで表示するタグや、“関連トピック”のリンクタグを挿入したり、目次となるHTMLファイルを自動作成する機能など、HTMLヘルプを作成するために便利な機能がたくさん盛り込まれている。

 さて実際に使ってみると、使い勝手もなかなかよく、思ったより簡単にHTMLヘルプを作成できることに驚く。一度作ったHTMLヘルプの参照や検索は高速でサクサク使えるし、ローカルに保存したWebページの活用にはもってこいだ。もちろんオンラインソフトの作者が自作ソフトのヘルプをHTMLヘルプの形で添付したい場合に使うのもオススメだ。

 ただ、注意しておきたいのは元になるHTMLファイルの量によってはコンパイルにかなり時間を要し、ハングアップしたように見えてしまう場合もあること。「ヘルプましん」のヘルプには“トラブルシューティング”として、総容量が大きい複数のHTMLファイルは一度にコンパイルせず、いくつかのグループに分割してコンパイルしたものを[ヘルプのマージ]を使ってマージ(結合)するようにと書かれているので、気を付ける必要がある。また、ファイル保存したWebページが[Webアーカイブ、単一のファイル](*.mht)の形式である場合は、「ヘルプましん」には読み込めない。もともとHTMLファイルからHTMLヘルプを作成するソフトなのだから仕方がないのかもしれないが、このソフトでHTMLヘルプ化するつもりでWebページをファイルに保存する際は注意しよう。

【著作権者】うな(藤山 祐一)氏
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】Build 1.7.1(02/02/28)

□カエルましん
http://www3.to/KaeruMachine/

(ひぐち たかし)

|
トップページへ
Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで