週末ゲーム
 

【第143回】

推理サウンドノベル「氷雨」

洋館の中で繰り広げられる殺人事件の犯人を暴け!!

(02/07/26)

タイトル画面

 3Dを駆使した動きの激しいゲームが主流となりつつある一方で、じっくりと物語を読み解くストーリー重視の作品も根強い人気がある。アドベンチャーゲームよりもさらに“読ませる”部分を増やしたサウンドノベルというジャンルも誕生し、本格派のホラーやミステリーを題材とした作品が次々と登場している。今回紹介する「氷雨」も、こうした“読ませる”作品のひとつだ。

イメージ映像をバックに小説が表示される
イメージ映像をバックに小説が表示される

 「氷雨」は、画面に表示される小説を読みながら犯人を推理する、ミステリーサウンドノベル。物語に合わせてイメージ映像や効果音がふんだんに使われ、臨場感あるストーリー展開を楽しむことができる。もちろん、ただ小説を読むだけでなく、要所要所で主人公の行動を選ぶことができる。それによってストーリーが分岐したり、エンディングが変わる仕組み。犯人を暴くことができるか、それとも犠牲者の一人になってしまうかは、プレイヤーの推理と行動次第というわけだ。

 ゲームの中でプレイヤーが演じるのは、“真田 誠”という高校生。ガールフレンドの“天野 恵”と一緒に卒業旅行に出かけるが、ひょんなことから連続殺人事件に巻き込まれてしまう。閉ざされた洋館の中で、次々と殺されていく登場人物たち。犯人は誰なのか? その動機は? いったいどんなトリックを使ったのか? 小説の中に散りばめられたヒントを集めながら、連続殺人事件の真相に迫る。

嵐に見舞われて道に迷い、見知らぬ洋館にたどり着いた主人公
嵐に見舞われて道に迷い、見知らぬ洋館にたどり着いた主人公

 1プレイに必要な時間は30~40分程度。しかし推理モノとしての難度は高く、犯人を暴くには数回のプレイが必要となるだろう。筆者は2回目で犯人の目星を付けることができたが、動機とトリックをつかむまでが大変だった。クリアのコツは、ガールフレンドの“天野 恵”に嫌われるような行動を避けること。そして、普通なら選びそうもない行動も、あえて試してみること。どうしても解けない場合は、作者の公式サイトに掲載されている攻略情報が役に立つだろう。

 文字中心の作品なので「読むのが大変そう」と思う人がいるかもしれないが、実はそれほどでもない。表示サイズが大きめだし、読みやすいように内容もまとめられている。また比較的短いストーリーなので、全体の流れもつかみやすい。演出も良好で、ところどころに使われている効果音に思わずドキリとさせられたこともあった。犯人の意外性やトリックも、よくできていると思う。じっとり汗ばむ夏の夜に、ぜひおススメしたい背筋が涼しくなる作品だ。

冷たい雨が降りしきる中、一人、また一人と殺されていく   お約束の密室殺人。そのトリックは?
冷たい雨が降りしきる中、一人、また一人と殺されていく   お約束の密室殺人。そのトリックは?

【著作権者】村田KEG 氏
【対応OS】(編集部にてWindows Me/2000で動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.0(02/02/09)
【ファイルサイズ】1.15MB

□KeG's DooR
http://www.h3.dion.ne.jp/~mkegdoor/

(三鷹 昭一郎)

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