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【特別編】
“オリジナル同人ゲーム”体験版特集独自のゲーム性やキャラが光る3Dアクション・シューティングなど3本を紹介
(07/02/09)
インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介している『週末ゲーム』。今回は特別編として、ユニークなゲームシステムや魅力的なキャラクターが光る“同人ゲーム”に注目。オリジナル作品のなかから、体験版が公開されている3作品を紹介する。 同人ゲームは、フリーソフトやシェアウェアと同様に個人や趣味のサークルによって制作されているが、発表の場は全国各地で開催されるイベントや、専門ショップでの委託販売が中心だ。今回は、昨年末に発表され現在ショップ委託も行われている新作や、ダウンロード販売されている作品など、比較的入手しやすいと思われるものをピックアップした。購入方法などは作者のホームページで確認してほしい。
宝箱を見つけ出す謎解きが楽しい3Dアクションゲーム「シャンテリーゼ」
「シャンテリーゼ」は、魔女の呪いによって妖精にされてしまった姉“シャンテ”と、その妹“エリーゼ”が、呪いを解く方法を求めて冒険を繰り広げる3Dアクションゲーム。“エリーゼ”の大剣と“シャンテ”の魔法を駆使しながら敵を倒し、ステージごとに決められている条件を満たしながら進んでいく。背景はすべて3Dで、植物や水面、洞窟など細部まで緻密に描かれており、市販タイトルに迫るクオリティ。その一方でキャラクターは2Dとなっており、可愛らしい雰囲気に仕上がっている。また魔法や攻撃ヒット時のエフェクトはハデで、なかなか爽快だ。 “エリーゼ”はカーソルキーで3Dフィールド内を自由に駆け回り、小さな妖精の“シャンテ”は“エリーゼ”の周囲にふわふわ浮いている。そのほかの操作は[Z]キーで剣攻撃、[C]キーで魔法、[X]キーでジャンプ、[V]キーで敵のロックオンだ。ロックオンすると常にその敵の方を向くようになり攻撃しやすくなるほか、魔法を狙い撃ちすることも可能だ。ロックオン対象はボタンを押すたびに切り替わる仕組み。そのほか、視点を右[Shift]キーで左回転、[J]キーで右回転させることができ、周囲の状況を確認したいときに便利だ。なお、ゲームパッドによる操作にも対応する。 魔法を使用するには、敵を攻撃したときや、ステージ上の木や樽などを叩いたときに出現する“魔法石”が必要となる。魔法石は4色あり、“赤”では炎、“青”では水、“緑”では電撃をそれぞれ飛ばし、“黄”ではエリーゼの周りをハンマーが回る。さらに、魔法ボタンを押し続けると複数の魔法石を同時に使うことが可能で、同じ色の魔法石ならば威力をアップでき、異なる色同士では魔法の性質を変化させられる。たとえば黄と赤の魔法石を組み合わせれば、ハンマーが巨大になるといった具合だ。魔法石は新しく取得したものから利用され、あとから入れ替えはできないため、魔法石を取る順序も魔法を使う上で重要となってくる。 また、ゲームを攻略するうえでポイントとなるのは、各ステージごとに隠されている宝箱だ。基本的に敵を全滅させれば次のステージには進めるが、宝箱を見つけないと特定の場所から先に進めなくなることもある。宝箱の出現条件は特定の敵を倒す、とある場所を剣で叩くなどステージごとに異なり、それを見つける謎解きも本ゲームの楽しさだ。
さらに、武器や防具、アイテムによるパワーアップ要素があるほか、呪いを解くカギを握る魔女の情報を街で集めたりと、RPGの要素も含んでいる。体験版では最初のボスまでプレイでき、セーブデータを製品版へ引き継ぐことも可能。軽快なアクションとステージに隠された謎解き……アクションRPGが好きならたまらない作品といえる。
【著作権者】EasyGameStation
□EasyGameStation
選択肢やプレイ内容でシナリオが分岐するシューティング「TWilight INSanity」
「TWilight INSanity」は、“Illnet(イルネット)”と呼ばれる仮想空間内で起きたとある事件に、それぞれ異なる理由で関わっていく3組の双子たちを描いたストーリーつきのシューティングゲーム。基本的には2D縦スクロールシューティングだが、ボスとの会話シーンで表示される選択肢やプレイ内容により、ストーリーが分岐するマルチシナリオとなっているのが特徴。製品版はシナリオの展開によって全6または7ステージ構成となっており、体験版ではそのうち3ステージまで遊ぶことができる。 操作はキーボードとゲームパッドのどちらでも可能で、キー操作時はカーソルキーで移動、スペースキーまたは[Enter]キーでショット、[Z]キーでボムに相当する“Tension”を発動、[X]キーで双子のうち操作するキャラクターの切り替えとなる。“Tension”の発動中は敵弾を消去できアイテムが自動回収されるほか、ショットの威力も大幅にアップする。 キャラクターは、冷静沈着な“羽板 慎也”と天然ボケの“羽板 さくら”というプログラマー兄妹、強気な“西條 悠莉”とおっとり系の“西條 真悠”というハッカー姉妹、そしてとある研究所で生まれた、オトボケな“星海 舞羽”と無口な“星海 翼”の姉妹という3組からゲーム開始時に選択する。また、双子のうち一方の攻撃は威力の強い直進系のショット、もう片方は威力は弱いが広範囲に攻撃できるショットという役割分担になっており、場面によって双子を切り替えるのが基本的なプレイスタイルとなる。 そして、このゲームにおいて重要となる要素が“浸食率”。ゲーム開始時は50%だが、画面上に敵がいるほど増加していき、100%になるとゲームオーバーになってしまう。また浸食率はシナリオにも大きく影響を与え、その高低により会話の内容が変わったり、選べる選択肢が制限されるのだ。そのため、敵を早く撃破することがプレイするうえで重要なポイントとなる。浸食率の上昇を防げるだけでなく、敵を早く撃破するほど数多く登場するアイテム“e-crystal”により、浸食率を下げることもできるからだ。 また、双子のうちどちらを長く使っているか示す“双子使用率”もシナリオに影響する。そのほか、敵または敵弾に当たるとミスとなってライフが減り、ライフがゼロになってもゲームオーバーとなる。
本作は王道の弾幕系シューティングだが、アドベンチャーゲームの要素も含んでいるのが面白い。サイバーな雰囲気を醸し出す世界観やグラフィックもしっかり作り込まれており、3組のキャラクターやさまざまな選択肢を試しながら、長く楽しめるゲームだ。
【著作権者】永久る~ぷ
□永久る~ぷ
ストーリー性の高さと多彩な戦い方が魅力の2DアクションRPG「ティルキッス」
「ティルキッス ~Princess Shade~」は、騎士になるために山奥の寒村から王都“イリスフィールド”へやってきた、ド田舎娘“ティルキッス”が主人公のアクションRPG。画面は見下ろし型の2Dフィールドで、剣と魔法で敵を倒して経験値やお金でキャラクターを成長させ、イベントをこなしストーリーを進めていくという王道的な作品だ。しかしボス戦では弾幕系シューティングに様変わりしてしまうという、ユニークな面もある。ストーリーは、たくさんの人と出会いながら少しずつ成長していく主人公が、やがて国を揺るがす大きな陰謀の渦に巻き込まれていく……とこちらも王道的で、会話のテンポがよく、1つ1つのエピソードが丁寧に作り込まれている。製品版は全4話構成で、体験版ではそのうち第1話の最後まで遊ぶことが可能だ。 操作は移動のほか、剣を振る“攻撃”、素早く移動できる“ダッシュ”、装備しているアイテムや魔法を使用する“アイテム”、装備の変更やセーブなどが行える“メニュー”が用意され、初回起動時にキーボードまたはゲームパッドのボタンを自由に割り当てられる。また序盤で手に入る“魔法剣”を装備すると、攻撃ボタンの長押しで攻撃魔法を発射できるようになる。 アクションRPGといえば、謎を解くために広いマップ内を移動したり、ダンジョンをさまようというイメージもあるが、本作は非常にスピーディーに展開する。ダンジョンは画面切り替え型で進む方向が矢印で示され、1画面ごとに設定されているクリア条件を満たせば先に進めるという単純明快なシステムだ。また、レベルアップ時には上昇させるパラメーターを選択可能で、HPやMPに相当する“体力”と“魔力”、敵に与えるダメージ量を決める“攻撃力”のほか、いわゆる“当たり判定”を狭くし、敵の攻撃を避けやすくする“判定”という項目が用意されているのはユニークだ。
さらに、通常の戦闘は、敵の攻撃を避けながら剣で斬ったり魔法を当てたりと、アクションRPGとしてオーソドックスなスタイルだが、ボス級の敵と戦うときは魔法剣が魔力消費なしで撃ち放題となり、画面中にばらまかれる敵弾を避けながら戦うという、弾幕系シューティングのような展開になるのも面白いところ。ストーリー面でも、ちょっとした会話のなかに、それぞれのキャラクターが抱えている複雑な事情を覗かせるなどよく練られている。体験版がストーリー上とてもいい場面で終わってしまい、続きが気になって仕方ないのもニクイところだ。
【著作権者】MIR_Rev.
□MIR_Rev. (芹澤 正芳)
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