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【第323回】

少女と妖精のお店経営ゲーム「ルセッティア」体験版

アイテム屋経営シミュレーションとアクションRPGが同時に楽しめるお得な作品

(07/12/14)
タイトル画面
   

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、アイテム屋経営とダンジョン探索が楽しめる「ルセッティア」の体験版を紹介しよう。

父親の借金返済のため、借金取りの妖精と一緒にアイテム屋を経営

父親の借金返済のため、“ルセット”と“ティア”はアイテム屋を始めることに
父親の借金返済のため、“ルセット”と“ティア”はアイテム屋を始めることに
 「ルセッティア」は、冒険の旅に出たまま行方不明になってしまった父親の借金を肩代わりすることになった楽天家の少女“ルセット”が、借金取りの妖精“ティア”をパートナーにしてアイテム屋“ルセッティア”を経営し、借金返済を目指すシミュレーションゲーム。体験版では序盤の8日間をプレイ可能で、完成版は年末に東京ビッグサイトで開催される同人誌即売会“コミックマーケット73”にて頒布されるほか、2008年2月には同人専門店で委託頒布される予定となっている。

 プレイの基本はダンジョンや町でアイテムを仕入れて“ルセッティア”で販売し、利益を上げること。ダンジョンでの仕入れはアクションRPGとなっており、1つのゲームで2種類のジャンルを楽しめるのが本作の大きな特長だ。借金は一定期間ごとに少しずつ返済する約束となっており、決められた期日までに返済額を貯めておかないとゲームオーバーになってしまう。体験版では、1回目の返済となる8日目までに1万pix(本作におけるお金の単位)貯めることが目的だ。

 主な操作はカーソルキーでルセットの移動、[Z]キーで決定、[X]キーでキャンセル、[Esc]キーでメニューの呼び出しとなっている。メニューでは、現在所有しているアイテムを確認できるほか、過去に入手したことのあるアイテムの情報を閲覧する“アイテム図鑑”を呼び出せる。セーブもメニューから可能だ。

アイテムをいくらで売るか、交渉の腕の見せ所

仕入れの基本は商人ギルドや市場でのアイテム購入
仕入れの基本は商人ギルドや市場でのアイテム購入
 1日の活動は朝、昼、夕方、夜の4回に分けられており、町への移動で1回、お店を開くと1回、ダンジョン探索で2回といった具合に経過していく。商人ギルドや市場でアイテムを仕入れ、それを店内に並べて販売し、売り上げを増やしていくのがゲームの基本的な流れ。ここで重要となるのが、販売するときの価格だ。本作では、販売時の価格をその場で自由に決められる仕組みとなっており、高くしすぎると買ってくれず、安すぎると儲からない。各アイテムに設定されている標準的な価格の3割り増しぐらいまでは買ってくれることが多いが、値下げを求める客もいる。最初にどこまでふっかけるか、交渉でどこまで安くするか、といった客との攻防が本作の楽しさの1つだ。

 店内には12個のアイテムを陳列できるが、この配置も大切だ。入り口側の窓際に置いたアイテムはお店の看板商品となり、客足にも影響する。また、たとえば店内の中央は武器や防具、壁際は食べ物など自分でルールを作って配置を考え、アイテムでお店を飾っていくのも楽しいところだ。


仕入れたアイテムをいくらで売るかが勝負所だ   アイテムは最大12個まで店内に並べられる
仕入れたアイテムをいくらで売るかが勝負所だ   アイテムは最大12個まで店内に並べられる

 このほか、ルセットには“商人レベル”が設定されている。お店でアイテムを販売するたびに画面左下の“Merchant Level”ゲージが増えていき、満タンになるとレベルアップ。レベル2ではアイテムの買い取りが可能になり、レベル3では『夕飯のおかずが欲しい』といった客の希望に対して売るアイテムを決める“注文売り”が可能となる。さらに高いレベルでは店の模様替えなども可能になるが、体験版ではレベル3まで上げるのがやっとといったところだ。

アイテム探索ではアクションRPGに早変わり

“リュイ”と出会うことでダンジョン探索が可能になる
“リュイ”と出会うことでダンジョン探索が可能になる
 
ダンジョン探索はアクションRPG。正面から攻撃するより側面や背後からの攻撃が有効だ
ダンジョン探索はアクションRPG。正面から攻撃するより側面や背後からの攻撃が有効だ
 
特定フロアにはボスも登場。倒すと貴重なアイテムが手に入る
特定フロアにはボスも登場。倒すと貴重なアイテムが手に入る
 “冒険者ギルド”で依頼料を支払って冒険者を雇い、ダンジョンでアイテム探索ができるのも本作の大きな特長だ。ダンジョンでは宝箱からアイテムが入手できるほか、敵がアイテムを落とすこともある。うまくいけば、依頼料だけで大量のアイテムを仕入れられるチャンスだ。体験版では、あるイベントで剣士の“リュイ”と知り合うことにより、ダンジョン探索が可能となる。リュイは最初から武器や防具を持っているが、どれも弱いモノばかり。冒険者には最大15個までアイテムを渡して持たせられるので、探索をラクにするために、町の商人ギルドである程度の武器を仕入れておきたい。

 ダンジョン探索では、ゲーム性がガラリと変わってアクションRPGとなる。操作の対象は雇った冒険者となり、カーソルキーで移動、[Z]キーで通常攻撃、[X]キーで強力な攻撃ができる“スキル”の発動、[C]キーで使用するスキルの切り替えが可能だ。スキルを発動すると画面左下にあるSPゲージを消費する。SPは何もせずに止まっていれば回復するので、慎重に進みたい場合はこまめな回復を心がけよう。利用できるスキルは敵を倒して経験値を稼ぎ、冒険者のレベルを上げることで増えていく。初期状態では回転しながら周囲の敵を斬りつける“回転切り”が使用可能だ。

 ダンジョンでは、フロアのどこかにある魔法陣に乗ることで次のフロアへ移動できる。5フロアごとに町へ帰還するゲートが現れるので、最初のうちはムリせずマメに帰還するようにしよう。万が一敵の攻撃によってHPがゼロになるとダンジョンから逃げ帰ることになり、アイテムを1個しか持ち帰れないというペナルティが発生する。せっかく冒険者に渡した強い装備を失うことにもなるので、無理は禁物だ。

 また、冒険者は客として店に現れることもある。このとき武器や防具を売るとダンジョン探索時の初期装備になるので、ダンジョンに持ち込むアイテムを減らして持ち帰れるアイテムの数を増やせるし、撤退時のペナルティも回避できる。冒険者に渡したい武器や防具をお店に陳列しておき、赤字覚悟で確実に売っておくとよいだろう。

ほのぼのした雰囲気も魅力

ティアが丁寧に説明してくれるのでゲームの流れはつかみやすい
ティアが丁寧に説明してくれるのでゲームの流れはつかみやすい
 ルセットとティアの会話はほのぼのとしたもので、柔らかな印象のグラフィックと相まって楽しい気分にさせてくれる。また、ゲームにおいて新しい要素が出現するたびにティアが親切に解説してくれるので、経営シミュレーションとアクションRPGを合わせたちょっと複雑なシステムながら、すんなりとゲームの世界に入っていけるのもうれしい。

 ダンジョン内では基本的に戦闘一辺倒のため展開がやや単調なところもあるが、高価なアイテムを探すのは楽しく、ボス戦なども用意されている。体験版でプレイできるのはゲームのほんの序盤だが、それでも結構なボリュームがあり、経営とアクションの両方を十分に味わえるだろう。体験版をプレイしてゲーム内容が気に入ったり、ルセットとティアの今後が気になったら、作者のホームページで製品版の情報を確認してほしい。

【著作権者】EasyGameStation
【対応OS】Windows 2000/XP
【ソフト種別】体験版
【バージョン】1.03(07/11/06)
【ファイルサイズ】85.7MB

□EasyGameStation
http://egs.cug.net/

(芹澤 正芳)




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