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線画も賢く塗りつぶせる「GIMP 2.10.10」が登場 ~フリーの画像編集ソフト

修飾キーを使ってカラーピッカーやレイヤー選択が行えるなど、使い勝手も向上

「GIMP」v2.10.10

 オープンソースの画像編集ソフト「GIMP」の最新安定版v2.10.10が、4月7日に公開された。今回のアップデートでは、DDS(DirectDraw Surface)形式の画像ファイルが初期サポートされたほか、画像処理エンジン「GEGL」に多くの改良が施された。使い勝手の向上を図った新機能も多数導入されている。

 まず、バケツ塗りつぶしツールに“線画検出モード”、別名“スマート着色(Smart Colorization)”が追加された。これは線がキッチリ閉じていなくても、意図した領域を適切に認識して塗りつぶしてくれる機能で、紙に書いた絵をスキャンして着色したい場合などに非常に役立つ。また、類似色の塗りつぶしや線画検出による塗りつぶしを行う際、マウスのドラッグが利用できるようになった。何度もボタンをクリックしなくても、マウスをドラッグすれば追加の塗りつぶしが可能だ。

線画キッチリ閉じていなくても適切に塗りつぶしてくれる線画検出モード。マウスドラッグによる連続塗りつぶしも可能

 また、操作性の改善にも力が入れられている。たとえば、ペイントツールの利用中に[Ctrl]キーを押すと、ツールを一時的にカラーピッカーへ切り替えることが可能。クリックすれば、カーソル位置の色を描画色にすることができる。また、レイヤーの選択操作も改善。[Alt]キーを押しながらマウスカーソルを移動させると、その位置にあるレイヤーの名前をステータスバーでチェックできるようになった。そのままホイールクリックすれば、当該レイヤーをすばやく選択できる。

[Alt]キー+ホイールクリックでカーソル位置のレイヤーを選択

 そのほかにも、変形ツールやクリップボードデータを利用したブラシ・パターンの作成機能などが改善された。ラスターブラシはまだ8bitだが、パラメトリックブラシはv2.10.10で32bit化された。ラスターブラシの32bit化も作業が進行中であるという。

 「GIMP」は、Windows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在同プロジェクトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7以降に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「GIMP for Windows」
【著作権者】
Spencer Kimball, Peter Mattis and the GIMP Development Team
【対応OS】
Windows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
2.10.10(19/04/07)