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「Mathematica」や“Wolfram|Alpha”の核「Wolfram Engine」が開発者向けに無償開放

どんなシステムにも組み込める「Wolfram」言語のエンジン

“Free Wolfram Engine for Developers”

 米Wolfram Researchは5月21日(現地時間)、“Free Wolfram Engine for Developers”を発表した。数式処理システム「Mathematica」や質疑応答サービス“Wolfram|Alpha”のコアである「Wolfram Engine」をアプリ開発者へ無償で開放し、さまざまなシステムやアプリ、プログラミング言語、Webサーバーから呼び出せるようにしたものだ。

 開発者向けの無償「Wolfram Engine」は、運用前・試作(pre-production)段階でのソフト開発で利用可能。自宅・学校・職場で個人的なプロジェクトに取り組んだり、将来的な製品プロジェクトのために「Wolfram」言語を調査したいといった用途に適している。製品に組み込むことはできないが、オープンソースプロジェクトであれば無償のプロダクションライセンスを申請することも可能だ。

 対応OSはWindows/Mac/Linuxで、コマンドラインからスクリプト(WolframScript)として呼び出したり、各種プログラミング言語(Python、Java、.NETおよびC/C++)で開発されたアプリにライブラリとして組み込んだり、「Excel」「Jupyter notebooks」「Unity」といったアプリと連携させたりすることが可能。“Wolfram Cloud Basic”のライセンスも含まれており、知識データベース“Wolfram Knowledgebase”へもアクセスできる。

 「Wolfram Engine」で必要となる「Wolfram」言語に馴染みのない開発者は少なくないかもしれないが、この言語は30年以上もの歴史を持ち、ドキュメントも豊富だ。また、標準のIDEのほかにも、「Eclipse」や「IntelliJ IDEA」、「Atom」、「Vim」、「Visual Studio Code」といった人気の開発ツールで開発が可能。気軽にコードの動作を試してみたい人のために、オンラインサンドボックス環境も用意されている。