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リアルタイムレイトレーシング対応の「Minecraft」、Windows 10向けが待望のベータリリース

新エンジン「Render Dragon」により異次元の光表現。GeForce RTXシリーズのグラボが必須

RTX対応「Minecraft」

 米Microsoft傘下のMojangは4月16日(現地時間)、リアルタイムレイトレーシング(RTX)に対応したWindows 10向け「Minecraft」をベータ版として公開した。RTX対応「Minecraft」はNVIDIAとのパートナーシップにより実現したもので、NVIDIAからはRTX対応「Minecraft」に最適化されたグラフィックスドライバー「GeForce Game Ready driver」もリリースされている。

 “レイトレーシング(ray tracing)”とは、特定の点に届く光線(ray)を逆にたどる(tracing)ことで、その点における見え方を再現する手法。ポリゴンにさまざまなピクセル処理(シェーディング)を施してリアルさを演出する既存の手法(ラスタライズ)とは異なり、物体の反射率や透明度、屈折率などを忠実に反映させたリアルな映像が得られる。計算量が莫大となるため、これまではプリレンダリングが可能な映画などに用いるのが限度で、リアルタイムなレンダリングを行うゲームへの採用は遅れていたが、“GeForce RTX”シリーズ(Turingアーキテクチャー)のグラフィックスカードが登場したことや、「Windows 10 October 2018 Update」で正式採用されたことで一気に身近なものとなりつつある。

 今回リリースされた「Minecraft with RTX beta for Windows 10」は「Render Dragon」と呼ばれる新しいグラフィックスエンジンを採用することで、「Minecraft」のブロック世界にパストレーシングと呼ばれるレイトレーシング技術がもたらされた。森に降り注ぐ光、暗闇を照らす灯り、陽の光を反射する水面などがリアルに表現されている。

「Render Dragon」エンジンにより異次元の光表現が可能に

 RTX対応ベータ版をテストするには、最低でも“GeForce RTX 2060”搭載グラフィックスカード、Intel Core i5または同等のCPUおよび8GBのメインメモリが必要。場合によっては、OSのアップデートが要求されることもある。Windows 10版「Minecraft」をインストールし、「Xbox Insider Hub」アプリからRTX対応ベータ版のテストに参加すると、「Minecraft」がRTX対応ベータ版へと更新される(当初はエラーでベータ版への参加できなかったが、現在は解消されている模様)。

「Xbox Insider Hub」アプリからRTX対応ベータ版のテストに参加

 ただし、RTX対応ベータ版はRealmsに参加できないので注意。また、RTX対応ベータ版で作成したワールドは、安定版では利用できない。FAQを参照しながら、アップグレードする前にワールドをバックアップしておくことをお勧めする。

【RTX対応「Minecraft」のデモ動画】
Minecraft with RTX Beta Available Now | Official Launch Trailer