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ビデオ会議サービス「Zoom 5.0」が発表 ~90日間のセキュリティ集中強化計画の集大成(4月28日追記)

4月27日、正式版を利用可能に。AES 256-bit GCM暗号化やセキュリティアイコン、などを導入

Zoom Video Communications、「Zoom 5.0」を発表

 米Zoom Video Communicationsは4月22日(現地時間、以下同)、ビデオ会議サービス「Zoom」の最新版「Zoom 5.0」を発表した。セキュリティとプライバシー保護の向上に開発リソースを集中した90日計画の集大成となる。

 「Zoom」は、手軽にビデオ会議を実現できるとして人気を集めているサービス。リンクを共有するだけでビデオ会議を開始可能で、参加者はアカウント不要。無料プランでも25人までの同時接続が行えるハードルの低さが魅力だ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でリモートワーク・オンライン学習が広まるなか、2億人を超えるユーザーを集めるなど注目を集めていたが、同時に多くのセキュリティ問題が指摘されていた。

 同社はこれに対し、今月に入って「Zoom」のクライアントを積極的にアップデート。セキュリティ関連の機能を集約した[セキュリティ]アイコンを新設し、本来参加を想定していない第三者が“Zoom”ミーティングに参加して荒らし行為を行う“Zoombombing(Zoom爆撃)”として、ミーティングへ参加できるユーザーを管理する“待機室”機能を無償アカウントでも既定で有効化するとともに、「Zoom」が中国のサーバーを経由して接続されるのを好まないユーザーのためにルーティングを制御する機能を導入していた(有料アカウントのみ)。

セキュリティ関連の機能を集約した[セキュリティ]アイコンを新設。“待機室”機能を無償アカウントでも既定で有効化
ルーティングを制御する機能を導入(有料アカウントのみ)

 加えて、「Zoom 5.0」では256bitの“AES-GCM”による暗号化がサポートされるとのこと。このアップグレードにより、ミーティングやビデオウェビナー、通話データの機密性が確保されるほか、改竄の防止が保証されるとしている。ただし、参加者すべてが「Zoom 5.0」へアップグレードするのを待つ必要があるので、AES 256-bit GCM暗号化がシステム全体で標準化されるのは5月30日になる見込みだ。

 「Zoom」クライアントアプリ(Windows/Mac/Linux)の最新版は執筆時現在、21日リリースのv4.6.12。「Zoom 5.0」は近日中に利用できるようになる。

4月28日編集部追記: 4月27日、「Zoom 5.0」正式版が利用可能となった。現在、公式サイトからダウンロードできる。