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「電卓」のグラフモードが正式機能に昇格 ~「Windows 10 May 2020 Update」で利用可能

複数の方程式をプロット、変数に応じたグラフの変化を確認。線形代数の学習にぴったり

Microsoft、「電卓」アプリの“グラフ作成”機能を一般公開

 米Microsoftは7月1日(現地時間)、「電卓」アプリの“グラフ作成”機能を一般公開した。変数を含む複数の数式をXY座標にプロットできるこの機能は、今年1月から“Windows Insider Program”でテストされていた。

 「Windows 電卓」アプリは、Windows 10に標準搭載されている計算アプリ。一般的な電卓を再現した“標準”モード以外にも、“関数電卓”や“プログラマー”、“日付の計算”といったモードが利用可能。また、通貨や体積、長さ、重さなどの単位を手軽に換算できるコンバーターも豊富に備える。2019年3月にオープンソース化されており、現在は“GitHub”で開発が行われている。最前面表示のコンパクトモードや、今回正式導入されたグラフモードはその成果と言えるだろう。

 “グラフ作成”機能を利用するには、「Windows 10 May 2020 Update(バージョン 2004)」と最新版の「Windows 電卓」アプリが必要。「電卓」アプリはいずれ自動更新機能でアップデートされるが、それが待てない場合は「ストア」アプリの[…]-[ダウンロードと更新]画面から手動でアップデートするとよいだろう。“グラフ作成”への切り替えは、「電卓」アプリ左上にある横3本線の“ハンバーガーメニュー”から行える。

“グラフ作成”への切り替えは、「電卓」アプリ左上にある横3本線の“ハンバーガーメニュー”

 「電卓」アプリをグラフモードに切り替えると、描画エリアと方程式の入力欄、入力パッドが現れる。たとえば方程式の入力欄に“y=ax^2+bx+c”と入力すると、描画エリアに2次関数がプロットされ、a、b、cといった変数の値をスライダーで調整することでグラフの変化をリアルタイムで確認できるようになる。キーボードやマウスを使って点の座標を確認したり、方程式を分析してX切片やY切片をはじめとするグラフの特徴を調べることも可能だ。さらに数式をもう一つ加えれば、交点を求めることもできる。

方程式を分析してX切片やY切片をはじめとするグラフの特徴を調べる

 このグラフモードは今年初めにプレビュー公開されて以降も、「フィードバック Hub」アプリや“GitHub”から得られたフィードバックをもとにさまざまな改善が加えられた。グラフの描画エリアにアプリのテーマ(ライト・ダーク)を適用するオプションや、グラフの線の色や太さを変更するオプション、誤った数式をプロットしようとしたときのエラー処理などは、ユーザーの意見を反映したものだ。

グラフの描画エリアにアプリのテーマ(ライト・ダーク)を適用するオプション
グラフの線の色や太さを変更するオプション