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年末調整の電子化進展で手続きが簡単に ~国税庁、申告書作成アプリを公開

Windows/Mac/iOS/Androidで利用可能

Windows版「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」v1.0

 国税庁は10月1日、「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」v1.0を公開した。年末調整の際は生命保険料控除や地震保険料控除、住宅ローン控除の証明書を勤務先へ提出する必要があるが、令和2年分からはこれが電子データで提出できるようになった。本ソフトを利用すれば、その電子データを簡単に作成することができる。

 従業員にとって「年調ソフト」のメリットは、保険会社などから送られてくる紙の除額証明書を保管したり、紛失の際に再発行を求める手間がなくなることだ。“マイナポータル”と連携すれば、必要書類のデータを一括で取得し、各種申告書へ自動入力できるのもうれしいポイントと言えるだろう。

 一方、勤務先は従業員が「年調ソフト」で作成したデータを利用することで事務コスト大幅にを削減できる。給与システムなどの改修やアップデートは必要となるが、これまで手作業で行ってきたであろう控除額の検算や控除証明書の添付確認、従業員への修正依頼といったプロセスを省くことができる。

年末調整手続の電子化概要図(国税庁のWebサイトより引用)

 「年調ソフト」のWindows/Mac版は現在、国税庁のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は64bit版のWindows 10のみをサポートしており、インストールの際はセットアップスクリプトの案内に従い“開発者モード”の有効化と電子署名の追加を行う必要がある。最新版は10月5日付で更新されたv1.0.1。

ファイルの右クリックメニューから「PowerShell」製のセットアップスクリプトを実行
セットアップスクリプトの案内に従い“開発者モード”の有効化

 また、「年調ソフト」は以下のアプリストアでも提供されている。iOS/Android向けのモバイルアプリは、アプリストアからのみの提供となる。

 執筆時現在、Windows版は“Microsoft Store”への公開申請を行っている段階だ。“開発者モード”にはリスクもあるので、国税庁のWebサイトからダウンロードしたアプリを利用するよりも“Microsoft Store”への公開を待つことをお勧めする。

ソフトウェア情報

「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」
【著作権者】
Windows版
【対応OS】
64bit版Windows 10(ARM CPU搭載端末は未対応)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.1(20/10/05)