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「Python 3.9」が正式リリース ~次期バージョンは「Python 4」ではなく「Python 3.10」

辞書オブジェクトで“|”“|=”演算子がサポートされるなどの機能改善

「Python 3.9.0」が、10月5日に正式リリース

 「Python 3.9.0」が、10月5日に正式リリースされた。現在、「Python」の公式サイト“python.org”から無償でダウンロード可能。Windows 10向けのバイナリは、“Microsoft Store”からも入手できる。

 「Python」は1991年、オランダ出身のプログラマーGuido van Rossum氏によって考案されたクロスプラットフォーム対応のインタープリター型プログラミング言語。コードブロックを字下げ(インデント)で表現する文法が特徴で、可読性が高いコードをコンパクトに記述できる。さまざまな用途に利用できる汎用言語だが、近年は機械学習の分野で著しい普及を見せている。

 最新の「Python 3.9」では2つの辞書オブジェクトを“|”演算子で併合し、新しい辞書オブジェクトを作成できるようになったほか、“|=”演算子で左辺の辞書へ右辺の辞書を追加できるようになった。また、コレクション(配列や辞書)で実際の型定義(たとえば“list”)と型のアノテーション(typing.List)がわかれている問題への対処として、標準のコレクションクラスで“[]”演算子による型指定が行えるようになった。型アノテーションのために大量の“import”を記述する必要がなくなる。

 そのほかにも、プレフィックスとサフィックスを削除する文字列メソッド“removeprefix()”“removesuffix()”を新たに導入。“zoneinfo”モジュールが追加され、外部ライブラリなしでも日付型でタイムゾーン名によるタイムゾーン指定が可能となった。また、Unicode対応もv13.0.0へとアップデートされている。

 なお、次期バージョンは「Python 4」ではなく「Python 3.10」となる。最初のアルファリリースはすでに公開されており、1年後に正式リリースされる予定だ。また、「Python 3.5」のサポートは終了したので注意したい。