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「Apache OpenOffice」から「LibreOffice」への移行を ~TDFが公開書簡

2014年以降「OpenOffice」にはメジャーリリースがないにもかかわらず、いまだ人気は衰えず

TDFの公式ブログ

 「LibreOffice」をメンテナンスするThe Document Foundation(TDF)は10月12日(中央ヨーロッパ時間)、「Apache OpenOffice」に対する公開書簡を送付したと発表した。「Apache OpenOffice」の開発が滞っていることを指摘し、いまだに「Apache OpenOffice」を使っているユーザーに対し、より多くの機能とセキュリティメンテナンスの行き届いた代替手段があることを知らせるべきだとしている。

 「Apache OpenOffice」と「LibreOffice」はともに「OpenOffice.org」(OOo)の流れをくむフリーのオフィス統合環境で、いわば兄弟のようなものだ。しかし、その開発の進捗には差があり、「Apache OpenOffice」は2014年以降、一つもメジャーリリースを実現できていない。一方、「LibreOffice」ではその間に13のメジャーリリースと87のマイナーリリースが行われており、ここ数年はもっぱら「LibreOffice」が開発をリードする形になっている。

 たとえば、2019年に「Apache OpenOffice」で行われたコードコミットは595件なのに対し、「LibreOffice」には5,000件以上のコードコミットがあった。また、「Apache OpenOffice」は不具合の修正やセキュリティ問題への対処すら満足にいっていないが、「LibreOffice」ではさまざまな機能改善が積極的に行われている。

「OOo」と「Apache OpenOffice」、「LibreOffice」の関係

 にもかかわらず、依然「Apache OpenOffice」をダウンロードするユーザーは少なくない。これはおそらく「OpenOffice」というブランドがフリーのオフィス統合環境として多くのユーザーに浸透している一方で、「LibreOffice」という名前が十分に知られていないからであろう。「Apache OpenOffice」が「LibreOffice」の存在をユーザーに認知させる取り組みを行えば、この状況は改善されるかもしれない。

 とはいえ、今の「Apache OpenOffice」にわざわざ「LibreOffice」への移行を呼び掛けるリソースやメリットがあるかは疑問だ。