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悪用の報告も ~3件のゼロデイ脆弱性に対処した「iOS 14.4」「iPadOS 14.4」が正式公開

より小さなQRコードを認識できるようになるなどの機能改善も

Apple、「iOS 14.4」「iPadOS 14.4」を正式公開

 米Appleは1月26日(現地時間)、「iOS 14.4」および「iPadOS 14.4」を正式リリースした。自動更新機能により無償でアップデートされる。「設定」アプリの[一般]-[ソフトウェア・アップデート]セクションから手動でアップデートすることも可能。

 「iOS 14.4」ではより小さなQRコードを認識できるようになったほか、音声通知の送信先のヘッドフォンを正しく識別できるよう、設定画面もBluetoothデバイスの種類を分類するオプションが追加された。また、iPhone12、iPhone 12 mini、iPhone 12 ProおよびiPhone 12 ProMaxのカメラが新しい正規のApple製カメラとして確認できない場合に通知されるようになった。

 不具合の修正は以下の通り。

  • iPhone 12 Proで撮影したHDR写真に画像のアーティファクトが現れることがある問題
  • “フィットネス”ウィジェットに最新のアクティビティデータが表示されないことがある問題
  • タイプ入力の反応が遅くなる場合や、単語の候補がキーボードに表示されない場合がある問題
  • “メッセージ”で正しい言語のキーボードが呼び出されないことがある問題
  • “アクセシビリティ”でスイッチコントロールを有効にすると、ロック画面から電話に応答できなくなる場合がある問題

 「iOS 14」はiPhone 6s以降、iPod touch第7世代以降で利用可能。

 また、「iPadOS 14.4」でも「iOS 14.4」とほぼ同様の改善が行われている。対応デバイスはiPad Air 2以降、iPad mini 4以降。

 なお、本バージョンでは脆弱性の修正も行われているので注意。同社の公開したセキュリティアドバイザリによると、CVE番号が割り振られた問題は3件。権限昇格につながる可能性のあるカーネルの欠陥(CVE-2021-1782)や、リモートから任意コード実行される恐れのある「WebKit」の不具合(CVE-2021-1870、CVE-2021-1871)が対処された。いずれもすでに悪用が確認されており、できるだけ早いアップデートが望まれる。

 “CVE-2021-1782”は「tvOS」「watchOS」にも影響し、それぞれ「tvOS 14.4」「watchOS 7.3」で修正されている。