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無料の分散型フォルダー同期ツール「Syncthing」v1.15.0が公開

不正なリレープロトコルメッセージを送るとクラッシュする脆弱性を修正

「Syncthing」v1.15.1

 フリーの分散型フォルダー同期ツール「Syncthing」v1.15.0が、4月6日に公開された。現在、“GitHub”のプロジェクトページから無償でダウンロード可能(執筆時の最新版はv1.15.1)。脆弱性の修正を含むセキュリティアップデートとなっている。

 「Syncthing」は、インターネットを介して複数の端末のローカルフォルダーを同期できるツール。第三者の管理する中央サーバーを介さずに済むため、「OneDrive」や「Dropbox」で共有するのは憚られるプライベートなデータを共有したい場合に向いている。WindowsやMac、Linux、FreeBSDなど、幅広いプラットフォームをカバーする点や、通信が完全に暗号化されている点、開発がオープンソースで行われている点なども安心できる要素と言えるだろう。

 CUIツールであるため入門者にとっては少々ハードルが高いが、管理用のWebインターフェイスが用意されているため、GUIで設定を行うことは可能。Windowsならば「SyncTrayzor」と呼ばれるGUIフロントエンドを併用することで、比較的簡単に扱うことができる。

さまざまなプラットフォームに対応したCUIツール
管理用のWebインターフェイスも

 今回のアップデートではコマンドラインのオプションが整理され、以前はスタンドアロンのツールだった「stcli」がサブコマンドとして統合された。暗号化されたフォルダーを検証・復号するためのサブコマンドも追加された。信頼できないデバイスと同期する際にデータを暗号化する新機能もテストされているが、まだテスト中であるため、Web UIからは隠されており利用できない。

 また、負の長さのフィールドを含む不正なリレープロトコルメッセージを送ると「Syncthing」がクラッシュする脆弱性(CVE-2021-21404)が修正された。これにより機密データが漏洩したり、改竄される心配はないが、利用中の場合はアップデートをお勧めする。

ソフトウェア情報

「Syncthing」
【著作権者】
The Syncthing Authors
【対応OS】
Windows/Mac/Linux/FreeBSD/OpenBSD/Solaris(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.15.1(21/04/06)