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Microsoft、「Project Reunion 0.8」を発表 ~Win32とUWP/XAMLに二分されたWindowsアプリ開発を再結合

MSIXに未パッケージのアプリも「DWriteCore」「MRT.DLL Core」が利用可能に

Microsoft、「Project Reunion 0.8」を発表

 米Microsoftは5月25日(現地時間)、テクニカルカンファレンス「Build 2021」でプレビュー版「Project Reunion 0.8」を発表した。年内の正式リリースに向けた重要なマイルストーンとなっている。

 「Project Reunion」は、レガシーなWin32(WinFormsやWPFなどのデスクトップアプリ)とモダンなUWP/XAML(ストアアプリ)に大きく二分されてしまったWindowsのアプリ開発を再統合しようとする試み。UWP/XAMLに先行導入されている最新のAPIや、UWP/XAMLで培われたモダンな技術を、自由度に勝るWin32開発でも利用できるようにしたものだ。簡単にはOSをアップグレードできないエンタープライズ環境を考慮し、最新版のWindows 10でしか利用できない機能を「バージョン 1809」などの旧バージョンでも使えるようにする後方互換の取り組みも含まれており、Windowsアプリ開発をモダン化する上での起爆剤として期待されている。

 「Project Reunion 0.8」プレビューにおける大きな変更は、「Project Reunion 0.5」で導入された要素のうち、以下のものがプレビューとしてMSIXでパッケージ化されていないデスクトップアプリにもたらされたことだ。

  • テキストレンダリング「DWriteCore」
  • ローカライゼーションなどのリソース管理「MRT.DLL Core」

 「WinUI 3」に関してもさまざまな不具合が修正されたほか、ピボットコントロールが新たにサポートされた。「Visual Studio 2019」v16.10ならば、プレビューではあるがすべての開発支援ツールが利用可能だ。

 加えて、アプリの種類(WinForms、WPF、UWP、Win32……)に関係なく統一した手法でアプリのライフサイクルを管理する機能(AppLifecycle API)がプレビューとして導入される。アプリ起動時にすでにインスタンスがあればそれをアクティブ化する(シングルインスタンス)、すでに開かれているドキュメントがあればそのインスタンスをアクティブにする(選択的なマルチインスタンス)、電源状態に応じて必要であればアプリを中断する、ファイルの関連付けを行うといったアプリの基本動作を実装するのが容易になる。

「Project Reunion」のロードマップ

 なお、「Project Reunion 0.8」はまだプレビュー版なので、「Visual Studio」向けの「Project Reunion」拡張機能(VSIXパッケージ)は利用できないので注意したい。