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「Firefox 89」が安定版に ~新デザイン「Proton」を採用

トラッキング保護「Total Cookie Protection」はプライベートウィンドウまでカバー

「Firefox」v89.0

 Mozillaは6月1日(米国時間)、デスクトップ向け「Firefox」の最新版「Firefox 89」を正式公開した。「Firefox 89」では「Proton」と呼ばれる新しいデザインを採用。スッキリと見やすく、魅力的で使い勝手のよいデザインを目指し、ウィンドウからタブ、プロンプトに至るまでが再設計されている。

利用頻度の低い項目を削除し、よく使う項目に焦点を当ててナビゲーションを改善したウィンドウとツールバー
合理化されたメニュー
他のUI要素との統一が図られたプロンプトは旧版よりもスッキリとした印象だ
浮き上がって見えるアクティブなタブは丸みを帯びており、非アクティブなタブとの違いが明確に。オーディオインジケーターなども表示

 新しいデザインは全体での一貫性が重視されており、機能の追加で統一感が薄れてきていた「Firefox」のデザインにシンプルさとまとまりを与えている。主張を抑えたアイコンや洗練されたカラーパレットも相まって、モダンな雰囲気だ。アラートとメッセージの数も減らされているとのことで、作業の中断を強いられることも少なくなるだろう。

これまでの「Firefox」
新しい「Firefox」

 加えてMac版では、右クリックメニューがOSネイティブなデザインとなり、ダークモードがサポートされた。スクロールが端に達したことを弾力のあるアニメーションで伝える機能も導入されている。

OSネイティブになったコンテキストメニュー。ダークモードにも対応

 そのほかにも、「Firefox 86」から導入されている「Total Cookie Protection」が拡充された。「Total Cookie Protection」は、CookieをWebサイトごとに分離して記録することで、Webサイトをまたいだ(クロスサイト)ユーザー追跡を難しくしようとするプライバシー保護技術。これまでは強化型トラッキング防止(ETP)の「厳格」モードでのみ有効だったが、プライベートウィンドウにも適用されるようになった。

 なお、本バージョンではCVE番号ベースで9件の脆弱性修正も行われているので注意。深刻度の内訳はMozillaの基準で上から2番目の「High」が2件、上から3番目の「Moderate」が5件、もっとも低い「Low」が2件。任意コードの実行につながる可能性のある欠陥も含まれており、できるだけ早いアップデートが望ましい。

 デスクトップ版「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10に対応しており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。すでに利用している場合は自動で更新されるが、画面右上のメインメニュー(横3本線アイコン)から[ヘルプ]-[Firefox について]へアクセスし、バージョン情報ダイアログを開いて手動でアップデートしてもよい。