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「Google Chrome 93」が正式公開 ~「Ubuntu 16.04」がサポート終了

一部環境で新しい新規タブカードやHTTPSアイコンが導入。脆弱性の修正は27件

「Google Chrome」v93.0.4577.63

 米Googleは8月31日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の最新安定版v93.0.4577.63を公開した。「Chrome 93」では、デスクトップ版で「WebOTP API」を新たにサポート。SMS経由でワンタイムパスワード(OTP)をやり取りする際、従来はモバイル端末でSMSを受信して、OTPをPCのWebブラウザーへ転記する必要があったが、「Cross Device WebOTP」と呼ばれる仕組みでこれを自動化できるようになる。

 そのほかにも、一部のユーザーを対象に新規タブページに「Google ドライブ」で最近開いたドキュメントにアクセスするためのカードがテストされる。まだ利用できない場合も、試験フラグ(chrome://flags/#ntp-drive-module)を有効化すればこの機能を試すことが可能。

新規タブページに「Google ドライブ」で最近開いたドキュメントにアクセスするためのカード

 また、HTTPSページを開いたときにアドレスバーに現れる「鍵」アイコンが、一部の環境で「下向きの矢印」アイコンに変更される。これは「鍵」の意味を「安全な接続」ではなく「信頼できるサイト」という意味に誤解しているユーザーが多いため(HTTPS接続を用いる詐欺サイトも存在する)。もはやHTTPS接続は当たり前となりつつあることもあり、単にサイトの情報パネルを表示できることを示す矢印アイコンに置き換えられる。

 この機能を無効化し、元の鍵アイコンに戻したい場合はLockIconInAddressBarEnabledポリシーを有効化すればよい。矢印アイコンを試したいがまだ利用できない場合は、試験フラグ(chrome://flags/#omnibox-updated-connection-security-indicators)を有効化するとよい。

従来の「鍵」アイコン(上)と、新しい「下矢印」アイコン(下)

 なお、本バージョンおける脆弱性の修正は全部で27件。このうちCVE番号が公表されているのは19件で、深刻度の内訳は「High」が5件、「Medium」が12件、「Low」が2件となっている。また、内部監査やファジングで発見された不具合も修正されているとのこと。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10に対応する。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)から手動でアップデートすることもできる。

 Linuxで「Chrome」を利用している場合は、本バージョンから「Ubuntu 16.04」がサポートされなくなった点に注意したい。