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「Thunderbird」や「LibreOffice」などに影響か ~Mozillaが「NSS」の致命的な脆弱性を公表

「Firefox」には影響なし

Mozillaが公開した脆弱性レポート

 Mozillaは12月1日(現地時間)、「NSS」(Network Security Services)ライブラリに致命的な脆弱性(CVE-2021-43527)が存在することを明らかにした。この問題は、Googleのセキュリティ部門「Project Zero」の研究者によって報告された。

 Mozillaが公開した脆弱性レポートによると、「NSS」v3.73および3.68.1 ESRより前のバージョンにはDERエンコードされたDSAまたはRSA-PSS署名の処理に問題があり、ヒープオーバーフローが発生する可能性があるという。ヒープオーバーフローは任意コードの実行やサービス拒否(DoS)攻撃などに悪用されることがある。

 深刻度の評価は、4段階中最高の「Critical」。「NSS」を用いてCMS、S/MIME、PKCS #7、PKCS #12でエンコードされた署名を処理するアプリケーションが影響を受けるほか、その他の機能を利用していても「NSS」の設定方法によっては影響を受ける可能性がある。

 Mozillaによると、「Firefox」はこの問題の影響を受けない。しかし、「Thunderbird」や「LibreOffice」、「Evolution」、「Evince」など、署名検証に「NSS」を使用しているメールクライアントやPDFビューアには影響があるという。アップデートが公開されたら、できるだけ早めに適用したい。