REVIEW(11/03/07)

『易経』の“卦”を表現できるTrueType形式のフォント「六十四卦フォント」

“乾兌離震巽坎艮坤”の八卦とそれを上卦・下卦に重ねた六十四卦に対応

「六十四卦フォント」v2「六十四卦フォント」v2

 「六十四卦フォント(64ke Font)」は、古代中国の占い書『易経』の“卦”を表現できるTrueType形式のフォント。Windows 95/98/Me/2000/XPに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 7でも動作を確認した。現在、作者のWebサイトからダウンロードできる。

 『易』(または『易経』『周易』)は、孔子が夢中で読むあまり綴じ紐を3回も切ってしまったという“韋編三絶”の故事で有名な書物。儒教の基本経典“五経”にも含まれるように、単なる占いの書にとどまらない、古代中国の宇宙観や人生観が凝縮された哲学書でもある。

 『易』の占いは筮竹をもって行い、結果は“爻(こう)”と呼ばれる記号で表される。“爻”は一般的に、“陽”を表す切れ目のない直線、または“陰”を表す切れ目のある直線の記号で表される。この“爻”を陰陽3つ組み合わせるとそれぞれ“乾”“兌”“離”“震”“巽”“坎”“艮”“坤”の“八卦”となり、さらにそれを上卦・下卦に重ねると“六十四卦”となる。

 “六十四卦”にはそれぞれ解説がつけられており、判断の迷いを振り払ったり、決断が正しいかどうか再度検証したりするのに役立つ。先行き不透明で不安の尽きない現代人には心強い書物であると言えるだろう。

MS-IMEの場合、“IME パット”の“文字一覧”から利用できるMS-IMEの場合、“IME パット”の“文字一覧”から利用できる

 「六十四卦フォント」には、この“八卦”と“六十四卦”の記号がフォントとして収録されている。入力に利用する際は、MS-IMEの場合、まず“IME パット”の“文字一覧”を開き、フォントとして“64keFont”を選択しよう。すると、“八卦”と“六十四卦”が表示されるので、それをマウスでクリックすればよい。“・”と表示される場合は、ワープロソフトのフォントの設定を“64keFont”へ変更すればよい。

【著作権者】
外字神社管理人 氏
【対応OS】
Windows 95/98/ME/2000/XP(編集部にてWindows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2(11/01/22)

(柳 英俊)