REVIEW(12/10/17)

TypeScriptをJavaScriptへ変換する「WebMatrix」用の拡張機能「TypeScript Tools」

クラス、インターフェイス、モジュール、ラムダ式でスケーラブルなJavaScript開発を

「TypeScript Tools」v1.7.0.0「TypeScript Tools」v1.7.0.0

 「TypeScript Tools」は、「WebMatrix」へ「TypeScript」のコンパイル機能を追加する拡張機能。「WebMatrix」v2.0に対応するフリーソフトで、「WebMatrix」の“拡張機能ギャラリー”からインストール可能。“WebMatrix Gallery”からもダウンロードできる。

 「TypeScript」は、JavaScriptへ静的型付け機能を追加したMicrosoft製のプログラミング言語。言語仕様は、現行のJavaScript(ECMAScript 5)へ現代的な“静的型付け言語”でお馴染みのクラス、インターフェイス、モジュール、ラムダ式といった機能を追加した形になっており、複雑かつ規模の大きなスクリプトでも比較的シンプルに記述することが可能。コンパイラ(これもJavaScriptで記述されている)でJavaScriptへ変換して利用する仕組みになっているので、さまざまなプラットフォームで利用できる。

 「WebMatrix」の場合、“Node.js”プロジェクトでパッケージ管理システム“npm”を利用して簡単に「TypeScript」が導入可能。それ以外の“HTML5”“ASP.NET”“PHP”プロジェクトでは、拡張機能「TypeScript Tools」を利用するとよいだろう。

TypeScriptファイルTypeScriptファイル

JavaScriptファイルJavaScriptファイル

 「TypeScript Tools」をインストールすると、リボンへ[Compile TypeScript]ボタンが追加される。このボタンを押せば、プロジェクト内のすべての“.ts”ファイル(TypeScriptファイル)を一括でJavaScriptへ変換可能。「TypeScript」のコンパイラは初回利用時に“npm”経由で自動的にセットアップされる。

 また、[ファイル]タブのフォルダツリーの右クリックメニューから、フォルダやファイル単位でコンパイルすることも可能。コンパイルの出力やエラーメッセージは、エディター画面下部に表示される。

リボンボタンを利用すれば、プロジェクト内の“.ts”ファイルを一括変換リボンボタンを利用すれば、プロジェクト内の“.ts”ファイルを一括変換

フォルダ・ファイル単位の変換も可能フォルダ・ファイル単位の変換も可能

「TypeScript」のコンパイラは初回利用時に“npm”経由で自動的にセットアップされる「TypeScript」のコンパイラは初回利用時に“npm”経由で自動的にセットアップされる

コンパイルの出力やエラーメッセージは、エディター画面下部に表示コンパイルの出力やエラーメッセージは、エディター画面下部に表示

「TypeScript for Visual Studio 2012」「TypeScript for Visual Studio 2012」

 残念ながら、現在のところTypeScriptファイルのシンタックスハイライト(構文色分け)やコード補完(IntelliSense)は利用できない。「WebMatrix」は「Visual Studio」との連携も容易なので、プラグイン「TypeScript for Visual Studio 2012」をインストールした「Visual Studio 2012」「Visual Studio 2012 Express for Web」と適宜使い分けることをお勧めする。


【著作権者】
Serge van den Oever 氏
【対応OS】
(編集部にてWidows 7で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.7.0.0(12/10/13)

(柳 英俊)