杜のAndroid研究室

豊富な語彙で地名や人名も的確に変換できる「Google 日本語入力」

バージョンアップでユーザー辞書の利用が可能に。物理キーボードにも対応

(12/07/25)

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android(アンドロイド)”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回は、Googleが提供する日本語入力システムのAndroid版「Google 日本語入力」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

豊富な語彙が特長で、便利な変換機能も備える日本語入力アプリ

「Google 日本語入力」「Google 日本語入力」

 「Google 日本語入力」は、Googleが提供する日本語入力アプリ。Windows・Mac向けのデスクトップ版日本語入力システム「Google 日本語入力」のAndroid版となり、デスクトップ版でも定評のある語彙の豊富さが特長。機能も多彩で快適に日本語を入力することができる。

 多くの地名や人名、外国語などをひらがなから一発変換できるほか、“ふいんき”と入力して“雰囲気(ふんいき)”に変換できるといったよくある誤読にも対応。また、“きょう”“あす”や“いま”を変換すると、今日・明日の日付や現在時刻が変換候補に表示されて選択できたり、“1206”といった数字を変換した場合、日付の“12月6日”や時刻の“12:06”に変換できるなど、漢字だけにとどまらない多彩な変換機能を備えている。もちろん、記号や顔文字も入力でき、設定画面でキャリアを選択することで、各社の絵文字も入力可能。

 キーボードのレイアウトは、“ケータイ配列”と“QWERTY配列”の2種類を選択でき、日本語入力は“ケータイ配列”で英字入力は“QWERTY配列”といった設定も可能。また、縦画面と横画面でレイアウトを切り替えることもできる。“ケータイ配列”での入力方法は、フリック入力とキーの連続押しでかなを変更するケータイ風の入力を選択できるほか、フリック入力とケータイ風入力を同時に利用することも可能。

よくある誤読で入力しても変換候補が表示されるよくある誤読で入力しても変換候補が表示される

“ケータイ配列”と“QWERTY配列”の2種類のキーボードレイアウトを選択可能“ケータイ配列”と“QWERTY配列”の2種類のキーボードレイアウトを選択可能

 本連載では、連載100回記念の“Google純製アプリ特集”ですでにGoogle 日本語入力を紹介しているが、7月18日に行われたバージョンアップにより、ユーザー辞書の編集や物理キーボードへの対応など、新たな機能が追加されたので改めて紹介しよう。

ユーザー辞書を編集でき、デスクトップ版からのインポートも可能

単語と読みを入力し、品詞を選択してユーザー辞書に新規単語を追加できる単語と読みを入力し、品詞を選択してユーザー辞書に新規単語を追加できる

 今回のバージョンアップの目玉のひとつがユーザー辞書の編集が可能になったことだ。一発変換できない単語などをあらかじめユーザー辞書に登録しておくことで、ひらがなを入力した際に変換候補として登録した単語が表示され、すばやく入力することができる。

 ユーザー辞書は、設定画面の[辞書ツール]項目から開く[ユーザー辞書]画面から編集でき、左下の[+]ボタンから新規単語を登録可能。単語を登録する際には、変換後の単語と“よみ”のひらがなのほか、名詞や動詞、地名や人名といった品詞を選択して登録できる。さらに、複数の辞書を作成することができ、たとえば“芸能”“スポーツ”といったジャンルごとの辞書に単語をまとめて管理することも可能。

 また、デスクトップ版の「Google 日本語入力」で作成したユーザー辞書をインポートすることも可能。ユーザー辞書をインポートするには、まずデスクトップ版でユーザー辞書のデータをテキスト形式で出力し、SDカード経由などでAndroid端末へ移す。次に、ファイルマネージャーなどでファイルを選択して“共有”メニューから[辞書ツール]を選択し、インポート先の辞書を選択すればよい。

メニューの[新規辞書作成]項目から辞書を作成し、複数の辞書を管理可能メニューの[新規辞書作成]項目から辞書を作成し、複数の辞書を管理可能

ファイルマネージャーの“共有”メニューから[辞書ツール]項目を選択し、辞書データのファイルをインポートできるファイルマネージャーの“共有”メニューから[辞書ツール]項目を選択し、辞書データのファイルをインポートできる

BluetoothまたはUSBで接続する物理キーボードが利用可能に

 さらに本バージョンから、BluetoothまたはUSBで接続する物理キーボードにも対応し、物理キーボードからの入力や変換が可能になった。物理キーボードで入力を行うには、あらかじめ接続を行ったあとで、設定画面から[ハードウェアキーボードの設定]画面を開き、キーマップの種類を“システム配列”または“日本語109A配列”から選択する。

 Windows向けの109配列などの物理キーボードの場合、“日本語109A配列”を選択することで、ほぼ思い通りの入力をすることができる。ひらがなをローマ字入力すると変換候補が表示され、スペースキーや上下キーで変換候補を選択、[Enter]キーで確定可能。左右キーを押すと、変換の際の文節の区切りを変更することができるほか、[半角/全角]キーを押すことで、入力する文字種をひらがなと英数字で切り替えられる。

 物理キーボードから入力する文字種の変更を行った場合でも、画面のソフトウェアキーボードの表示は切り替わらない。ただし、今回のバージョンアップにより、現在の入力文字種のアイコンがステータスバーに表示されるようになったため、ステータスバーで入力している文字種を確認できるという仕組みだ。

Blutoothなどで接続する物理キーボードのキーマップを“システム配列”または“日本語109A配列”から選択するBlutoothなどで接続する物理キーボードのキーマップを“システム配列”または“日本語109A配列”から選択する

現在の入力文字種のアイコンがステータスバーに表示されて確認可能。物理キーボードから文字種を変更した場合、ソフトウェアキーボードの表示は変わらない現在の入力文字種のアイコンがステータスバーに表示されて確認可能。物理キーボードから文字種を変更した場合、ソフトウェアキーボードの表示は変わらない

 なお、物理キーボードを接続しても、ソフトウェアキーボードの表示は消えない仕様になっている。物理キーボードの[ESC]キーや端末の戻るボタンを押すとソフトウェアキーボードの表示が消えるが、これは本アプリが起動していない状態であり、英数字の入力しかできず、ステータスバーにも入力文字種のアイコンは表示されない。

絵文字データを内蔵していない端末でも一部の絵文字入力が可能に

タブレット端末での動作もサポートされたタブレット端末での動作もサポートされた

 そのほか、海外製の端末などの絵文字データを内蔵していない端末でも、ドコモとソフトバンクの絵文字入力が可能になった。ただし、絵文字入力ができるのは、入力先のアプリが日本語入力アプリから直接絵文字を入力できる場合に限られている。

 また、これまでサポート対象外となっていたタブレット端末での動作も新たにサポートされた。なお本アプリは、「Simeji」や「ATOK」などの日本語入力アプリで利用できる機能を拡張するプラグイン“マッシュルーム”には対応していない。

【著作権者】
Google Inc.
【対応OS】
Android 2.1以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.5.1122.3(12/07/18)

(ライターズハイ:鈴木 友博)