『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、色気が怖さになるホラーアクションゲーム「HEROIC DARK - ヒロイックダーク -」を紹介しよう。

カワイイ女の子だからこそ怖さが引き立つ

　「HEROIC DARK - ヒロイックダーク -」は、好奇心旺盛なおてんば姫“エリス・フィリア”を操作して、忘れ去られた寺院の地下にあるダンジョンからの脱出を目指す3Dアクションゲーム。先の見えない暗い場所で、おぞましい悪霊が襲いかかってくるなどホラー色が強く、作者の基準で15歳以上を対象としている。BGMや効果音も、おどろおどろしいものが多い。

　主人公のエリスは巨乳の美少女で、動くたびに3Dで描かれた胸がプルプル揺れるなどと妙に凝っているが、薄暗い地下ではその色気が逆に恐怖を引き立てる。ライフの回復手段が少ないため、悪霊との戦いには緊張感があり、暗い雰囲気も手伝って、早く脱出したいという気持ちが高まるだろう。そこがプレイヤーをゲームへと引き込む大きな要因となっている。

強・弱2種類の斬撃やスキルを駆使して戦う

　まずはストーリーを紹介しよう。殺戮と破壊の限りを尽くして各地を支配した“バランドール帝国”は、それに抵抗する“ローガン公国”の民をある場所に幽閉。その後、反乱軍によってバランドール帝国は崩壊するが、ローガン公国の民はほとんどが戦死または行方不明となった。その帝国崩壊から50年後がゲームの舞台だ。

　ファリア皇国の第三皇女であり、幼い頃より騎士を目指しているエリスは、兵士たちが“盗賊団の隠れ家を突き止めようとするも、ある場所で忽然と姿を消してしまった”と話しているのを偶然耳にする。エリスは自分がその盗賊団を掃討できたら功績が認められて騎士になれるかもしれないと思い、盗賊団を見失った山道に入り、忘れ去られた寺院の地下に閉じ込められることになる。そこにはバランドール帝国の秘密が……。

　操作方法はキーボードとゲームパッドに対応しており、操作タイプを4つから選択可能。キーボードにおける標準の操作は、カーソルキーでエリスの移動、［A］キーと［S］キーでカメラの回転、［Z］キーで威力は強いがスキの大きい“強斬”、［X］キーで威力は弱いがすばやく攻撃できる“弱斬”、［C］キーでバック転による回避となる。回避はカーソルキーとの組み合わせで前転回避、長押しで防御に変化する仕組みだ。また、強斬は長押しすることで強力な攻撃となるスキルを発動できる。初期状態で選べるスキルは周囲を斬り払う“ワールウィンド”だけだが、ゲームを進めていくと新たなスキルを取得可能だ。

　このほか、ダンジョンの各所にある女神像の前で［Z］キーを押すと祈りを捧げるポーズとなり、セーブを行える。また、画面の左上にはライフゲージがあり、敵や敵の攻撃に触れると減っていく。ゼロになるとゲームオーバーで、最後にセーブした場所からやり直しとなる。

戦いには確実な防御と回避が重要

　ゲームの流れはダンジョン内にあるカギを見つけ出して扉を開け、奥へ進んでいくと非常にシンプルだ。しかし、多くの部屋には敵となる悪霊が登場。しかも、エリスのライフはダンジョン内にたまに落ちている回復アイテムでしか回復できない。無謀な戦いをするとアッという間にライフがゼロとなってゲームオーバーとなってしまうのだ。

　そこで重要になるのが、防御と回避だ。基本的に敵は一撃で倒せないため、攻撃中でも反撃してくる。そのため、剣をむやみに振り回すごり押しな戦い方は御法度だ。弱斬で数回斬ったら防御して反撃に備えるのが戦いの基本と言える。また、両腕にトゲを持つ敵“レヴナント”の叩きつけなど、一部の強力な攻撃は防御してもダメージを受ける。その場合は回避を行おう。回避中は、どんな攻撃でもダメージを受けないのが最大のメリット。多くの敵に囲まれた場合の脱出にも使える。その一方で、回避行動は敵との距離が開いてしまうので、攻撃まで時間がかかってしまう。敵の攻撃に対しては、すぐに反撃できる防御が基本、それでは対処できない状況でのみ回避を使うのが効率のいい戦い方だ。

　また、所々には大型のボスが潜んでいる。ボスが登場すると画面下にボスのライフゲージが表示され、攻撃によってこれをゼロにすると倒せる。ボスは防御不能の攻撃が多いため、慎重な戦いを心がけよう。ちなみに、一定の行動後やダメージを与えたあと、一時的ではあるが完全に動きが停止するボスやザコ敵もいる。停止している最中はスキルや強斬で思う存分ダメージを与えよう。

　このほか、カギやライフの回復といったアイテムが落ちている場所は小さく光っているので、ちょっと部屋を見渡せば発見できる。とくにカギは入手しないと先に進めないので、見逃さないように注意したい。

　クリアまでは1時間半程度とそれほどボリュームは大きくないが、奥が見えず、どこから敵が出てくるのかわからないダンジョン、嫌悪感を感じる敵のデザイン、ストーリーの進行で登場する謎の小さな女の子など、恐怖を盛り上げる演出がうまく、プレイ後の満足度は非常に高い。難易度が3種類あり、プレイ時間も記録されるので、最高難易度の最短クリアを目指すのもいいだろう。ホラーゲームやアクションゲームが好きならプレイをオススメしたい1本だ。