やじうまの杜

お役所「Excel」の改善案が公開 ~あかんヤツ→ええヤツの例がわかりやすく、一般市民にも結構参考になる

“機械にも読めるスプレッドシート”を心掛けよう

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“機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール案”

 昨日、“Twitter”で河野太郎・行政改革担当大臣から“機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール案”が公表されました。要するに、お役所にありがちな「Excel」統計表のダメな書き方を挙げ、望ましい作成方法を示したものです。

 詳しくは直接読んでいただければと思うのですが、役人でなくても為になる要素が少なからずあったので、かいつまんでご紹介したいと思います。

“1セル1データ”の原則

 役所の「Excel」データには、1つのセルにいくつものデータ(カンマで区切ったリストや、カッコで括った補助データ)が詰め込まれていることが少なくありません。これは計算や並び替え、コピー&ペースト、グラフ化といった加工・編集作業の支障になります。

 “1セル1データ”の原則に従い、うまく分割しましょう。

セルにカンマで区切ったリストを突っ込まない
カッコで括った補助データは独立した列に分離できる

数値データに文字列を含まない

 ヘッダー以外のセルにはできるだけ“数値データ”だけを入れて、マイナスを意味する“▲”や数値の単位を含めないようにしましょう。加工・編集の妨げになります。

マイナスを意味する“▲”など、文字列は数値データに含めないようにする

セルは結合しない

 お役所「Excel」でもっとも嫌われる慣習の筆頭は、“やたらセルを連結したがる”ことです。加工の際にわざわざセルの連結を解除する必要があり、面倒この上ない……。1件のデータは横1行で表記し、セルの結合または不必要な分離を行わないのが基本です。

セルは結合しない

スペースで体裁を整えない・項目名などを省略しない

 テキストの位置を合わせたり、ワープロソフトなどにある“均等割り付け”風に表示されるよう、空白を挟んで体裁を整えるのは、データの検索性が低下するので好ましくありません。

スペースで体裁を整えない

 “数値データに文字列を含まない”に少し似ていますが、要するに無駄な文字を入れるのは作成者の自己満足でしかないのでやめてほしいものです。

 また、以下の例のように項目名の一部を省略してしまうのもNG。人間なら勝手に補って読めますが、機械にはわかりません。項目を並び替えても意味が通じるように、省略しないようにしましょう。

項目名などを省略しない

 そのほかにも、数式を利用している場合は数値データに置き換える、不要なシェイプを挿入して体裁を整えない、データの単位を記載する、和暦には西暦を併記する、地域名称には“統計に用いる標準地域コード”を併記する、空白列などでデータを分断しない、1つのシートに複数の表をいれない、といった指針が示されています。役所特有のルールも一部含まれていますが、一般的な企業でも心掛けた方がいい作法も少なくなく、結構参考になるのではないでしょうか。

 政府統計の総合窓口“e-Stat”では現在、“こういう「Excel」の使い方はやめよう”という意見を募集する、“統計表における機械判読可能なデータの表記方法についての意見照会”を12月1日まで受け付けています。