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Internet Phone


評価時: Release 4.5 (10/12/96)


ビデオ通信もついた老舗のインターネット電話

Internet Phone 4.5
Internet Phone ウィンドウ
自分の映像
 高音質高機能を誇る元祖「Internet Phone」がとうとう映像をサポートしてしまった!

 ご覧の通り,これまで通信状況を示すアニメーションが表示されていた部分に,相手の映像が映し出されるようになった(ちなみに相手として映っているのは協力してくださったインプレスのY氏)。もちろん自分の映像も画面の右上に表示させることができる(なお,お見苦しい画像の一部を処理してあり(^^;),通信上の映像の乱れではありません)。
 テレビ電話ソフトといえば CU-SeeMe や VDO Phone が知られるが,いずれもダイヤルアップでは音声まではかなり辛かったり音質が悪くてとぎれることもあった。しかしコイツはさすがインターネット電話の老舗というのか,ある程度の高音質を保ったままで画像通信を実現している。今回カラー画像を試すためにマクニカの「RUCOLA」(筆者側)と Connectix の「Color Quick Cam for Windows」(Y氏側)のパラレルポート接続型低価格カメラを用いたが,いずれもまったく問題なかった(カメラ本体の特性に少々不満はあるが…)。もちろんモノクロ版の QCam でも何ら支障はないことを確認している。モノクロカメラとカラーカメラ間での通話も問題ない(カラーカメラを持っている人は相手にカラー画像が届く)。専用線同士のほか,28800bps モデムでも試したが,設定を 28800 bps 用に変えることで相手に送られる映像解像度が少々劣化するものの,音質は十分にクリアだった(もちろん回線状況が悪くなると音質もある程度落ちる)。

 音声部の基本性能は Release 4 と同じだ。CU-SeeMe のような複数人での同時通話はできないが,割り込み通話機能もついている。 現在話し中の相手をフック(通話保留)させて別の人からかかってきた電話を受けることができる。NTTのキャッチホンと同じと考えていいが,誰からかかってきたかはリスト表示されるので受信する気のない相手なら無視することもできる。名前だけでなく右クリックで相手のプロフィールを確認してから受けるか受けないかを判断することもできる。そのほかリダイヤル機能,自動応答機能,受信拒否(Don't Disturb)機能などなど。

 さらに同じ VocalTec 社が別途リリースしている「Internet Voice Mail」を内蔵しているのも嬉しい。相手にボイスメールを送ったり,受けることもできるのだ。データはファイル添付の形(MIME の Base64 エンコード)で通常のインターネットメールとして送られる。添付されるバイナリデータの復元後のファイルが独自形式 (*.VMF) なので相手が Internet Phone や Internet Voice Mail を持っていない場合は再生用ソフト「Voice Mail Player」(無料で Web上で配布, Win版と Mac版あり)が必要だが,メールテキスト本文末尾に再生ソフトの入手先 URL が自動挿入されるので,いきなり送りつけてもまぁなんとかなる。相手がこれらの再生ソフトをインストールしていれば,メールソフトから復元して開くだけで音声が再生されるわけだ。 圧縮率も非常に高く,約10秒で18 KB 程度しかないのでちょっとした挨拶には十分。また Internet Phone で掛けて相手が留守の場合,そのまま Voice Mail を選択すると相手のメールアドレスが宛先として自動的に入力され,留守番電話代わりに音声メッセージを気軽に送れる。 ただし残念ながらこの Voice Mail はテキスト部分が Quoted-printable 形式のエンコードなので,この形式に対応したメールソフト(Netscape Mailなど)で受信しないと日本語が文字化けするので注意。

 そのほかホワイトボード共有機能もあり,相手にコピー&ペーストで画面キャプチャ画像を見せたり一緒に一つの絵を描くこともできる。日本語フォントを選べば日本語文字も送れるが,自分のウィンドウ上では文字化けして見えるのが残念だ。 通信状態が悪いときなどのために文字チャットも可能(こちらは日本語は問題なくOK)。

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 さて実際の接続にはオンラインで公開サーバを利用する接続方法と,Web上で接続する方法,およびローカルな電話帳を構築して直接相手に電話をかける方法がある。直接相手にかける場合はIPアドレスまたはマシン名 (FQDN名) を指定して接続する。オンラインでサーバを利用する場合は多数の Chat Room(チャンネル,ニュースグループのようなもの)があるので,好きなところを選ぼう。最初はいきなり GENERAL に繋がるが,ちと英語が不安な人は View - Option の User 設定のコメント欄に「Japanese Only」と書いておくといいだろう。「japan」という Room もある。 Room に入ると現在接続中のユーザーが一覧表示されるが,図のように User Nickname の左にビデオのマークがついていればビデオカメラを持っているユーザーだ。ホワイトボードのマークはホワイトボード共有が可能なユーザーを示している。 1対1の音声チャット・ビデオチャットは最初はちょっと勇気もいるが,プロフィールを見て思い切って電話してみよう。 思いがけない楽しい人が待っているかも?

 総じて非常に質の高い電話ソフトだといえるだろう。 シェアウェアとしては用途を考えれば登録料 $49.95 の価値は十分にある。 また今ならオマケで無料のボーナスライセンスが1つ付いてくるのも嬉しいぞっ。 実質 1本約 25$はお買得だ。 イントラネット用にも高価なビデオキャプチャボードやカメラいらず,手軽にテレビ電話環境を構築できるので,興味のある人はぜひ試してみてはいかがだろう。なお,お試しデモ版は試用期限がインストール後1週間と短いから注意。 送金申し込みは SSL 対応 WWWブラウザからセキュリティモードでオンライン送金可能だ。

(Reported by thig@mars.dtinet.or.jp)
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