【第8回】
「ViX」v1.0
大型新作!ファイラー機能を備えたエクスプローラ風画像ビューワー
(98/10/13)
比較的リリースが新しく、これからの成長も楽しみなオンラインソフトにスポットを当て、その魅力などを紹介しよう。
デジカメ写真やインターネットから収集した画像はいつの間にかハードディスクにたくさん溜まっているものだ。それらを眺めたり必要な画像を探したりするソフトとして、皆さんは何をお使いだろうか。 「Susie」「GV」など窓の杜でも人気の定番画像ビューワーは色々あるが、久々に強力なフリーの画像ビューワーが新登場しているので紹介しよう。
エクスプローラ風の総合画像ビューワー
「ViX」はエクスプローラに画像表示機能を持たせたような総合画像ビューワーだ。外観や操作性がエクスプローラに似て使いやすく、画像フォーマットに幅広く対応して高速表示、機能豊富で完成度が高いのが特徴だ。
まず外観は上部にツールバー、左側にフォルダのツリービュー、右側に縮小画像のカタログ表示またはファイルビューとなっており、まさにエクスプローラと同じだ。操作性もエクスプローラによく似ており、右クリックメニューやドラッグ&ドロップ対応など汎用ファイラーとしてもわかりやすい操作性を備えている。エクスプローラに慣れた人ならすぐに使いこなせるようになるだろう。もちろんプラスαの機能も充実していて、 画像ファイルの右ドラッグによるBMPやPNGファイルへの変換機能や、LZH・ZIPファイル内をフォルダのように閲覧するアーカイバーとしての機能(別途UNLHA32.DLLやSusie32プラグインのAXZIP.SPIが必要)などがある。
本領のビューワーとしては、高速かつ多彩なカタログ機能が目をひく。ツールバーのボタンを押すだけで、ウィンドウ左側がフォルダ内の画像を縮小して一覧表示するカタログモードと、エクスプローラ風のファイルビューモードを切り替えられる。一度読み込んだフォルダには自動的にカタログファイルが作られるため、次回からのカタログ表示は高速化される。縮小表示する画像サイズやファイル情報などの表示がカスタマイズできる点もうれしい。
カタログの縮小画像をダブルクリックすると画像は別ウィンドウでフルサイズ表示されるが、その状態からいつでも同じフォルダ内にある画像のスライドショーが可能だ。スライドショーでは表示秒数指定や全画面表示機能など基本的な機能のほかにも、表示順序指定、サブフォルダ検索、指定画像サイズ以下の除外など、オプションも豊富だ。
対応画像フォーマットが非常に多いことも特筆すべき点。一般的なBMP/JPEG/PICT/PNG/PhotoCDなどの画像形式はもちろん、国内のパソコン通信で多く使われているMAG/Q0/Q4、デジタルカメラ固有のJ6I/CAMなどに標準で対応しているほか、Susieプラグインにも対応しているので、GIFも含め対応形式はさらに増える。プラグインはSusieがインストールされていれば「ViX」が自動的に登録してくれる親切設計もありがたい。
そのほか画像の減色やトリミング、ツールバー/キー割り当て/ポップアップメニューのカスタマイズ機能、フォルダ履歴、画像のコメント入力やキーワード検索などなど、ビューワーとしてもファイラーとしても機能豊富で、これ一本で大抵のことはできてしまう。
画像処理機能には難点も
しかし、まだリリースが新しいため、不満な点もないわけではない。例えば減色機能では、800×600ドット程度の写真画像1枚を256色に減色するのに、Pentium 150MHz、64MBのメモリを積んだマシンで60MB以上のスワップが発生し、30分以上経っても減色できず、中断や強制終了もままならなかった。またトリミングは処理範囲を数値入力しなければならないなど、画像処理機能に関してはまだまだ改良の余地がある。これらは作者もヘルプの中で開発途上だと言及しているのだが、他の機能が充実しているだけに機能バランスの悪さが目立ってしまっている。ユーザーのパニック防止という意味や、画像ビューワーに必要な機能かどうかという点でも、現状での搭載には疑問が残る。
とはいえ、全体的には十分に手応えを感じるソフトであることに間違いはない。ヘルプも充実しており、操作にあまり迷うことがない使いやすさは誰にでもオススメできる。今後が楽しみな、画像ビューワー界の大型新人といったところだろう。何と言ってもフリーソフトであるし、既存の画像ビューワーにどことなく物足りなさや違和感を感じていた人にはぜひ試してもらいたい一品だ。
訂正:本記事中で「トリミングは処理範囲を数値入力しなければならない」とお伝えいたしましたが、実際にはトリミング範囲をマウス
ドラッグで指定し、[実行]ボタンを押すことでトリミングが可能です。事実誤認をお詫びするとともに、訂正させていただきます。(編集部)
【著作権者】K_OKADA 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.0 (1998/09/30)
□K_OKADA's WebPage(「ViX」ホームページ)
http://member.nifty.ne.jp/k_okada/
(ひぐち たかし)