【第9回】
出発進行!鉄道シミュレーションで気分は運転士
「3D Railroad Master」、「RailRoad Tycoon II」
(98/10/21)
鉄道を題材としたゲームは、今までリリースされてきた本数こそ多くないものの、「A列車で行こう」や「電車でGO!」など、熱い人気を呼んだものもある。鉄道を運転する経験は日常ではまずあり得ないだけに、シミュレーションゲームとしての魅力は大きい。今回は鉄道ゲームの中から、機関車運転シミュレーションと鉄道会社経営シミュレーションのゲームをそれぞれ1つずつ紹介しよう。
「3D Railroad Master」
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(c) Abracadata, Ltd. All rights reserved.
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一度でいいから列車の運転をしてみたいと思っていた…。この「3D RailroadMaster」はそんな夢を実現してくれる、3Dグラフィックによる列車運転シミュレーターゲームだ。運転だけではなく、ポイントの切り替えや貨物車両の連結と切り離しもできるので、鉄道の雰囲気を存分に味わうことができる。
操作は難しくなく、キーボードかマウスのどちらかだけで可能。列車の運転といっても自動車に例えると、正面にあるマスコンと呼ばれる左右に動かすレバーがアクセルペダルで、左側にあるブレーキハンドルがブレーキペダルだと思えばよい。プレイヤーはアメリカの重量級ディーゼル機関車のコックピットに乗りこむ機関士となって、マスコンやブレーキハンドルを握り、列車を運転する。このゲームでは鉄道模型の箱庭のような線路上で、与えられたスケジュール通りに荷物を届けられるよう貨物列車の運転をするのが目的だ。できるだけミスを少なく、早く荷物を届けることで高得点を得ることができるが、非常ブレーキを使用したり、走行中に逆転ハンドルを操作したりするとミスとして減点されてしまう。もちろんスケジュールを間違えてもペナルティーになる。カーブやポイントでスピードを出しすぎて脱線したり、他の列車や車止めに衝突するとゲームオーバーになるので、慎重な運転が求められる。さあ、指差し点呼をして前方の安全確認ができたら、ホイッスルを鳴らして出発進行!
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(c) Abracadata, Ltd. All rights reserved.
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デモ版では1つのレイアウトでトレーニングと得点を競うミッションを体験できる。製品版はすでに発売されており、多くのレイアウトと様々な種類の機関車、貨車から選択して、スケジュールを作成することができる。さらにオリジナルのレイアウトや機関車、貨車を作成するためのエディターも付属している。
(1998/08/12、3DRMDemo.zip、18.5MB、ゲームデモ)
□Abracadata
http://www.abracadata.com/3drrmaster.html
「Railroad Tycoon II」
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(c) PopTop Software Inc. All rights reserved.
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「Railroad Tycoon II」は鉄道会社経営ゲームで、さしずめアメリカ版「A列車で行こう」といったところだ。プレイヤーはまず資本家としてスタートし、鉄道会社を立ち上げ、経営者の視点でゲームを進めていく。港や都市などを結ぶ線路を敷設して列車を走らせながら、株を売買して運営資金を捻出し、会社の規模を大きくすることが目標だ。前作のDOS版のリリース以来長らく新作がリリースされなかったが、待望のWindows版となって登場した。マップのグラフィックも一新され、3Dグラフィックの俯瞰型画面になり、1,024X768ドットの広い画面でプレイできるようになった。
とにかく経営競争がこのゲームの本質だ。ライバル会社もいるので、うかうかしているとあっという間にだしぬかれてしまう。もちろん、線路もやみくもに敷けばいいわけではなく、各都市の特産物や工場の生産品などから効率の良い物流の流れができるように敷いていく必要がある。需要が増えれば複線化したり、発展しそうな街があれば新規に路線を開通させたりと結構忙しい。資金計画をたてずに漫然とプレイしていると、赤字続きになって倒産するハメになる。そして株の売り買いもプレイの重要な要素だ。株による資金調達や自社株購入による資産確保はもちろん、簡単ではないがライバル会社の株を買い占めて乗っ取ることもできるぞ。ライバルを蹴落として、文字どおり「Railroad Tycoon(鉄道王)」になるのがこのゲームの究極の目的だ。鉄道会社でアメリカンドリームを実現させよう!
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(c) PopTop Software Inc. All rights reserved.
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デモ版では1870年ごろのニューヨークなどアメリカのほぼ東半分を舞台にしたシナリオと、1895年ごろのアフリカが舞台のシナリオをプレイすることができる。アメリカで11月1日発売予定の製品版では、1800年代から現在に至るまでの34種類の貨物車両と51種類の機関車が登場し、ネットワーク経由のマルチプレイが可能となる。
(1998/09/02、setupex.exe、45.4MB、ゲームデモ)
□Poptop Software
http://www.poptop.com/
□Gathering of Developers
http://www.godgames.com/rtii/index.html
(齋藤 正穂)