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ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第13回】

「JpChat II」v2.01a
ICQを使ってボイスチャットを楽しもう!

(98/11/24)

 比較的リリースが新しく、これからの成長も楽しみなオンラインソフトにスポット を当て、その魅力などを紹介しよう。

 インターネットでのリアルタイムなコミュニケーションツールとして日本でも人気の高い海外ソフト「ICQ」だが、日本語化キット(パッチ)なども登場し、その人気は加速するばかりだ。「ICQ」の最大の弱点だった、日本語でチャットできなかった点も、「ICQチャット日本語化計画」の登場で可能となった。そして、ICQ自体のチャット機能ではまだ楽しめない、音声でのチャットをICQを使って実現してくれるツールも登場している。今回はICQに組み込んで使えるボイスチャットソフトを紹介しよう。

「ICQ」から相手を呼び出せる音声対応の日本語チャットソフト

「JpChat II」v2.01a  「JpChat II」は「ICQ」の外部アプリケーションとして登録することができる音声対応の日本語チャットソフトだ。「ICQ」のコンタクトリストウィンドウから相手を選び、 メニューから「Internet Telephony/Games - JpChat」を選択すれば、相手にチャットのお誘いメッセージが表示される。相手がそれに応答すれば「JpChat II」が起動し、日本語でチャットすることができるのだ。上述の「ICQチャット日本語化計画」がインストールされている必要はない。またサウンドボードとスピーカー、マイクがあれば、声で話すボイスチャットが楽しめる。

 もちろん参加ユーザーはそれぞれあらかじめ「JpChat II」をインストールしておく必要がある。しかし最初にインストールして設定しておけば、以後は「ICQ」と連動し、必要なときに自動的に立ち上がってくれる。まさに「ICQ」でボイスチャットを使っている感覚なのだ。

 「JpChat II」はサーバーとクライアントの両機能を備えており、最大32人までが同時に接続できる。「ICQ」がなくとも単体で機能するが、その場合はサーバーのIPアドレスをクライアント側から指定しなければならないので、「ICQ」を介するのがオススメだ。またテキストチャット機能の基本部分もシンプルながら十分で、ログ機能や秘話モードがあり、サーバーソフトには特定のメンバーを 'Kick' する(接続を切る)機能もある。ボイスチャット機能も秘話モードつきだ。もちろん欲を言えばキリがないが、その多くは「ICQ」と併用することで解決するだろう。

 「JpChat II」のインストールにはインストーラーがついているので難しくはない。ただし気を付けなければいけない点もある。まず「ICQ」への登録は「ICQ」を先に終了させておくということ。詳しくは説明書を読んで行ってほしい。それから、残念ながら現バージョンでは「ICQ日本語化キット」で「ICQ」自体を日本語化している場合は、「JpChat II」の「ICQ Registry」メニューによる登録操作が有効にならない。そのため登録作業を手動で行う必要がある(*)。

 なおボイスチャットは回線の混み具合によっては音声が届かない場合もあるので理解しておこう。多数の参加者から同時に音声が届いても順にスプールされて再生されるようになっているが、「ICQ」でのメッセージ送信がダイレクト送信ではなくサーバー経由になってしまうような状況では使えないと思っていいだろう。またボイスチャットを楽しむには「JpChat II」のメインウィンドウから「Options - Audio」を選択してボイスチャットウィンドウを開く必要があるので注意。このあたりはできれば音声受信時には自動で判断して受信してほしいところだが、今後に期待したい。

共存共栄していく二つのソフト

 ユーザーの声が採り入れられながら成長していくところがオンラインソフトの醍醐味でもある。しかし、いろいろな理由でユーザーの要望が採用されない場合もある。そんなとき、ユーザー側から生まれてくるのが「支援ソフト」、つまり機能を補助するソフトだ。支援ソフトの存在は、本体ソフトの愛用者の多さやその優秀さを物語っており、共存共栄していくものなのだ。「ICQ」と「JpChat II」はまさにそんな関係を築いている。

 「JpChat II」によるチャットは公開サーバーを介する必要がないため、企業内などのLAN環境にも向いており、親しい仲間内だけで楽しみたい場合にも適している。また「ICQ」のシステムを利用することで、公開サーバーを持たないチャットソフトにありがちな「チャット相手を探しにくい」という欠点をも見事にカバーしている。Mac版がない点が惜しまれるところだが、こういった支援ソフトの登場で「ICQ」は今後も確実にコミュニケーションツールとしての人気を高めていくであろうし、 「JpChat II」もいっそう多くのユーザーに愛されることだろう。

(*) 説明書には書かれていないが、具体的には次のようにする。日本語化した「ICQ」のメニューから「オプション - インターネット通話/ゲーム/チャット」の「新規追加」ボタンを押し、「外部アプリケーション名」を「JpChat」とする。「実行可能外部アプリケーション」はインストールしたフォルダにある「ICQ2JPC. EXE」のパスを指定。「コマンドライン」には「%i」と入力し、 「クライアント-サーバーアプリケーション」のボタンを押して「実行可能外部アプリケーション」には同様に「ICQ2JPC.EXE」のパスを指定する。「サーバーコマンドライン」には「/Server」と入力する。以上が終わったら [OK] ボタンを押す。

【著作権者】塚本 淨司(Jupiter-6) 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.0a(98/11/12)

□Alternative 80's
http://www.big.or.jp/~jupiter6/
□ICQ - World's Largest Internet Online Communication Network
http://www.icq.com/
□窓の杜 - ICQのチャットで日本語表示を可能にする「ICQ Chat 日本語化計画」v1.04
http://www.forest.impress.co.jp/article/1998/10/05/icq.html

(ひぐち たかし)

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