山岳展望解析ソフト「カシミール」v5.50、3D風景描画品質を大幅に改善
山肌や雲の描画がよりリアルに
(98/12/18)
山岳展望解析ソフト「カシミール」のv5.50が、18日にリリースされた。「カシミール」は、国土地理院の数値地図など様々な地図データを元に、山岳地図や3Dの山岳風景CGが作成できるソフト。v5.50では 3D風景の描画品質が大幅に改善され、山肌や雲の様子がよりリアルに描かれるようになった。
「カシミール」は、国土地理院から刊行されている数値地図をはじめ、様々な地形データや標高データなどを元に山岳展望を解析するソフト。社会科地図帳のように、標高で色分けされた地図を作成したり、山頂から展望できる可視領域を解析するなど様々な解析機能が付いている。中でも特長といえるのが山岳の3D風景図を作成する機能で、撮影位置やカメラの種類、季節や太陽の位置など多彩な設定をしたうえで、リアルな3D風景図をレンダリングしてくれる。
今回のバージョンアップではその3D描画機能が大幅に改良された。空の描画にはレイリー散乱やミー散乱といった理論が導入され、大気の厚さなども設定できるようになった。太陽の角度が重視され、仰角が低い場合はきれいな夕焼けが描かれるようになっている。また、雲も太陽の位置によって色が変わったり、これまでの霧状の雲だけでなく厚みのある雲も描けるようになった。山肌や湖面についても近くにあるものが粗くなってしまう問題が改善されるなど、従来に比べかなりリアルな風景図が作成できるようになっている。
「カシミール」は、NIFTY SERVEなどで公開されている、有志によるフリーの数値地図や地形データを読み込むこともできる。作者ホームページでもいくつかの山岳データが公開されているので、地元のデータを入手してひと足早く初日の出のイメージをつかんでみるのはいかが。
【著作権者】DAN杉本 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】5.50(98/12/18)
□3D風景CGのページ - 3D Landscapes CG
http://www.kt.rim.or.jp/~sugi/
(新城 雅章)