自分のマシンのビデオカードをチューンナップしよう！
ビデオカードの性能を限界ギリギリまで引き出すソフト
(99/01/26)
近ごろ、マシン自作派の人たちの間では、CPUのクロックアップにとどまらず、ビデオカードのチューンナップも盛んに行われている。ビデオカードの場合、ソフトで各種パラメーターを操作することで、ビデオチップの性能を極限まで引き出すことができるため、ビデオチップに合わせていくつものチューンナップソフトが公開されている。
こうしたチューンナップは英語で"Tweak"とも言われ、チューンナップソフトは「Tweakソフト」と呼ばれている。ただし、一般にTweakソフトの使用はメーカー保証外の設定を行うことになるので、全てユーザーの責任で行う必要があることに注意。場合によってはハードの故障や損傷につながることもあるので、ハードに詳しい知識のない人は使わない方が安全だ。
ここでは、ソフトによるビデオチップの設定変更が容易な3Dfx Interactive社のVoodooシリーズとMatrox Graphics社のMillenniumシリーズ用のTweakソフトを中心に紹介しよう。
■ 3Dfx Interactive「Voodooシリーズ」
3Dfx Interactive社のVoodooシリーズは、ゲーム用に特化した独自API「Glide」に対応したビデオチップということで人気を博している。ソフトによる設定変更を可能にしたビデオチップの先駆けで、多くのTweakソフトがリリースされている。
「3Dfx VooDoo Banshee Control」
「3Dfx VooDoo Banshee Control」は、Voodoo Bansheeビデオチップの詳細な設定を可能にするソフト。ビデオチップのコアとビデオメモリを駆動する動作クロックを変更したり、RGB別のガンマ値の調整ができる。Direct3DとGlideそれぞれの3D用APIに対応するグラフィックに関する細かい設定も可能になっている。ソフト自体は英語版だが日本語ページがあり、インストールの方法などが紹介されている。
【著作権者】Slash a.k.a KoolSmoky
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.22（99/01/21）
□3Dfx VooDoo Banshee Control
http://www.voodooextreme.com/koolsmoky/th3-j.html
「TweakIt」
「TweakIt」は、全てのVoodooシリーズに対応したTweakソフト。起動するとタスクトレイに常駐し、右クリックで各種設定画面を呼び出すことができる。動作クロックの変更やガンマ値の調整はもちろん、Direct3DとGlideそれぞれに細かい設定も可能だ。Voodooシリーズで可能なほとんど全ての設定項目が用意されている。各設定項目の意味はホームページで解説されているので参考にしよう。
【著作権者】bgr software
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.0.6（98/10/18）
□TweakIt for Windows 95/98
http://www.3dfiles.com/bgrsoftware/tweakit.shtml
□Voodoo/Voodoo2/Direct3d/Glide Environment Settings
http://www.3dfiles.com/bgrsoftware/3dfxsettings.shtml
「Voodoo Power 1st Step」
「Voodoo Power 1st Step」は、Voodoo2専用の設定ツールだ。作者によると「設定範囲についても比較的無難な項目にのみ対応」しており、Tweakソフトの入門者に最適だ。Glide3.xのみに対応しているので、動作しない場合はビデオカードのメーカーから最新のドライバーを入手しよう。また、ソフトや付属しているドキュメントは全て日本語なので、安心して利用できる。なお、作者のホームページはVoodoo2チップに関する様々な実験や考察などの情報が満載されおり、Voodoo2ユーザーは必見だ。
【著作権者】PENTIUM 666MHz 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.07（99/01/07）
□Voodoo Power - Technical data for Voodoo
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/8264/
■ Matrox Graphics「Millennium/Mystique/MGA-Gシリーズ」
Matrox Graphics社のMillennium/Mystique/MGA-Gシリーズは、圧倒的な2Dグラフィックの性能や高解像度のサポートの良さなどで支持されたビデオカードで、いずれもMatroxオリジナルのビデオチップを採用している。現在の主力製品であるMGA-Gシリーズにも対応したTweakソフトがいくつかリリースされている。
「Matrox Overclock」
「Matrox Overclock」はMillennium/Mystique/MGA-Gシリーズのビデオチップの動作クロックを変更するソフトだ。使用方法は使用チップを選択する"Step One"、動作クロックを指定する"Step Two"、「Matrox Overclock」のオプションを指定する"Step Three"、そして最後に設定を反映させる"Step Four"まで、順を追って設定するので分かりやすい。そのほか、"Step Four"では垂直同期やAGPに関する設定も可能だ。
【著作権者】bgr software
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.0.8b（98/12/18）
□Matrox Overclock
http://3dfiles.com/bgrsoftware/moc.shtml
「G200 Utilities」「G100 Utilities」
「G200 Utilities」と「G100 Utilities」はそれぞれMGA-G200とMGA-G100の動作クロックの変更に加え、3Dグラフィックに関する詳細な設定が可能だ。ユーザーによる設定のほかに、あらかじめ設定された「ゲームモード」や「緊急専用モード」など4つのモードを随時切り替えられるなど、使い勝手もよい。「Unreal」など特定のゲームソフト向けのオプションもある。また、ドキュメントを含めて日本語なので分かりやすい。
【ソフト名】G200 Utilities/G100 Utilities
【著作権者】シバ 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.31（99/01/02）/1.00（98/11/26）
□Shiba's Homepage
http://www3.famille.ne.jp/~suna/
■ その他
ビデオカードにはその他にも数多くのビデオチップが使われている。ここではトップシェアを誇るATI Technologies社のRageシリーズに対応したTweakソフトや、高速な3Dグラフィック性能で知られるnVidia社のRIVAシリーズなど複数のビデオチップに対応したTweakソフトを紹介しよう。
「Rage Pro Tweaker」「Rage 2 Tweaker」
「Rage Pro Tweaker」はATI Technologies社のmach64、Rageシリーズの動作クロックを変更するソフト。そのほかにも3DグラフィックやOpenGLに関するオプションも設定可能だ。インストールすると、コントロールパネルの[画面]から使用できるようになる。また、物理メモリを指定容量分だけ強制的に空ける機能もある。なお、Rage II/II+ビデオチップを使っている人は、前作の「Rage 2 Tweaker」のみに存在するオプションもあるので使い分けよう。
【ソフト名】Rage Pro Tweaker/Rage 2 Tweaker
【著作権者】Neil Banfield 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.1（98/11/08）/1.0（98/02）
□Rage Pro Tweaker
http://studenti.lboro.ac.uk/~conb/rage/
「PowerStrip」
「PowerStrip」はTweakソフトとしての機能のほか、ビデオカードの使い勝手をよくするユーティリティーソフトとしての性格も備えている。3DLabs、Rendition、nVidia、3Dfx Interactive、S3、Intel、Trident Microsystems、Cirrus Logic、Silicon Integrated Systems（SiS）、Tseng Labs各社のビデオチップをチューンナップできる。多国語に対応しており、メニューやツールチップなどが日本語で表示されるので使いやすい。
【著作権者】EnTech Taiwan
【ソフト種別】シェアウェア29.95ドル
【バージョン】2.35（99/01/20）
□PowerStrip
http://www.entechtaiwan.com/ps.htm
（齋藤 正穂）
