【第6回】
第一章「私にも使えるかしら」
う、動かない…(前編)
(99/04/09)
みなさん、こんにちは。KANAです。せっかくダウンロードしたソフトが動かない!という人、いませんか? いや~、びっくりしちゃうよね。ということで、動かない原因などを2回にわけて書きます。
何かが足りない?
ダウンロードして、インストールしたソフト。さぁ、使うぞー、ってソフトを起動しようとしたら、「あれれ、う、動かない…」っていう経験をしたことない? 苦労してインストールまで済んだはずなのに起動してくれないんだから「何かマズイことしちゃったかも」って焦ったりして、ホントびっくりしちゃうよね。
ソフトが起動しないときって、原因はいくつか考えられる。今回は、そのなかでもありがちな原因、ダウンロードしてインストールしたけどソフトを起動するためのファイルが足りない場合についてです。
インストールが完了していざソフトを起動しようとしたら、たとえば「UNZIP32.DLLがないので起動できません」みたいなメッセージが表示されることがある。これは、ソフトを使うのに必要なUNZIP32.DLLというファイルが足りないという意味なんだって。オンラインソフトは、ダウンロードしたら解凍してインストールすれば使えるよう必要なものがセットになってることが多い。だけど、必要なものがすべてそろった完全セットになってないこともあるの。「窓の杜」収録ソフトなら、完全セットじゃない場合はソフト紹介文に「別途“UNZIP32.DLL”が必要」のように書いてある。それに、ソフトの添付説明書にも別途必要なファイルが書いてあるのが普通よ。
足りないと言われるケースの多いファイルの種類を挙げると、DLL(でぃーえるえる)やランタイム、DirectX(だいれくと・えっくす)、OCX(おーしーえっくす)など。ちなみにDLLはダイナミック・リンク・ライブラリの略ね。ファイルが足りなくて起動できないときの警告メッセージには「UNZIP32.DLLがないので起動できません」というように足りないファイル名が具体的に表示されるから、なんとかそのファイルを入手しなくちゃね。
自分の箸は一膳あれば充分
今回説明している「足りないファイル」って、基本的にはWindowsにはじめから入っているものではなくて、ユーザーが入手する必要があるの。たとえると、箸やスプーンみたいな感じかな。食べ物を店で買ってもすべてに箸がついているわけじゃないよね。だって家に帰れば箸があって、自分の箸で食べるでしょ? でも箸がなければ食べられないもんね。
ソフトライブラリにあるソフトにも、必要なDLLなどを同梱してあるもの(箸つき)と、同梱してないのが両方用意されてることがあるの。「どうして?」って思うよね。私は、「インストールが終わったら使えるように完全セットになってるんじゃないの?」って友達に聞いちゃった。でもね、完全セットじゃないソフトもあるんだって。
なんで完全セットじゃないかというと、DLLやランタイム、DirectXは、いろんなソフトが共有するものだからなんだって。たとえば、ごはんもおかずもみそ汁も、箸が一膳あれば食べられるから、自分の箸は一膳あればいいよね? それとおんなじで、パソコンに、たとえばDirectXが1回インストールしてあれば、いろんなソフトが必要なときにだけ使うのね。だからソフトの作者によっては「ほかのソフトに同梱されてるかもしれないから、同梱しない」ということもあるの。刺身のパックにもハムのパックにも割り箸が付いてきたら迷惑だよね。
ほかに、DLLやランタイム、DirectXを同梱するとファイルサイズが大きくなるから同梱しないソフトの作者もいる。ファイルサイズが小さい→ダウンロードにかかる時間が短くてすむ、という理由もあるんだって。
私は“必要なもの完全セット”のほうが助かるなぁ。たとえば「えーと、私のパソコンにUNZIP32.DLLは入ってたっけ?」って考えるより、これで1セット、というのを手に入れるほうが断然ラクだし便利だもの。お弁当ならいつでもどこでも食べられるでしょ? 箸が付いてないお弁当ってないもん。とくにパソコンを始めたばかりのころは「何で完全セットじゃないのよぉ」って本気で考えてた。
慣れないうちは箸付きの“お弁当”を
今回は多少ややこしいこと書いたけど、手っ取り早いのはファイルが足りなくならない“同梱版”をインストールすること。“ランタイム同梱版”とか、“DLL同梱版”というように明記されていたら、それをダウンロードしてインストールすれば、起動に必要なファイルも同時にインストールされるの。「あの店員さん、箸付けてくれたかしら?」って心配がいらないわね。
DLLなどにもソフトのように“バージョン”がある。同じDLLでもバージョンが違うこともあるから、「もうこのDLL入ってるもんね」って思っても、すでに新しいバージョンが出ていることがある。そんなときも“同梱版”をインストールして、DLLを新しいバージョンに上書きしちゃおう。「上書きしますか?」って警告が表示されるから、うっかり古いバージョンを新しいバージョンに上書きしないように注意してね。パソコンの世界では「上位互換」といわれて、新しいものは基本的に古いものの機能をカバーするようになってる。だから新しいのを入れておけば安心。
Windows 98を使っているなら、「Visual Basic 5(VB5)ランタイム」や「DirectX 5」はサポートされているの。でも最新版の「DirectX 6」を必要とするソフトなら「DirectX 6」を入れないと起動できない。これも上位互換だから、「DirectX 6」を入れておけば、「DirectX 5」を必要とするソフトも動くってわけ。
「ファイルが足りないので起動できません」って表示されたけど、このソフトには同梱版がないし…、っていうときは、ソフトライブラリの「ベクター」にファイル名で検索できるサービスがあるから、まずこれを試してみよう。検索結果のページリンクをたどるとファイルを入手できるページが見つかる。
ファイルが足りなくてソフトを起動できないときは…
1. ソフトの説明をよく読む
ソフトライブラリや、ソフトに添付の説明書、作者のホームページを読み返してみてね。ダウンロードしたソフトのほかに、DLLやランタイム、DirectX、などソフトを使うのに必要なものを別途、手に入れるべき場合もあるの。まずはソフトの起動条件をしっかり理解しよう。
2. 足りないファイルを手に入れるには?
ソフトの説明書、作者のホームページに、「別途DLLやDirectX、ランタイムなどが必要」と書いてある場合、どこで手に入れられるかも書いてある。ソフトライブラリの説明欄なら入手できるホームページにリンクされてることもあるし、市販雑誌の付録CD-ROMから入手できることもある。たとえば警告メッセージに「UNZIP32.DLL」という名前のファイルが足りないって表示されたら、このファイル名で検索できる「ベクター」などのソフトライブラリで探すのも手よ。
3. DLLなどのバージョンは指定通り?
DLLやランタイム、DirectXなどは、添付説明書やソフトライブラリのソフト説明で指定されたバージョンをもってる? わざわざ探して手に入れたDLLやランタイムなども、バージョンが指定通りのものじゃなければソフトは使えないから気をつけてね。
4. 新しいは古いを兼ねる
パソコンの世界では「上位互換」といって、新しいものは基本的に古いものの機能をカバーしている。だからいつも最新のものを入れるようにすれば心配ごとが減るわね。
5. 作者に質問
どうしても見つからないときは直接ソフトの作者に質問しよう。作者自身が作成したDLLもあるの。
次回は「う、動かない…(後編)」です。待っててね。
□Vector(ファイル名でも検索できるソフトライブラリのトップページ)
http://www.vector.co.jp/
□Vector ダウンロード Windows95/98用ソフト ランタイムパッケージ等
http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win95/util/runtime/
□Microsoft DirectX - 新着情報
http://www.asia.microsoft.com/Japan/DirectX/
(小松 佳那)