地球外知的生命体探査プロジェクト用ソフト「SETI@home Client」v1.0が公開
地球外文明と知的生命体が存在する証拠を発見できるか
(99/05/17)
宇宙からの電波を世界中のコンピューターで解析することで、地球外知的生命体の
発見を目指すプロジェクト「SETI@home」のベータテストが完了し、電波データを解
析するためのソフト「SETI@home Client」v1.0が13日に公開された。Windows 95/98
/NT対応のフリーソフトで、「SETI@home」のホームページからダウンロードできる。
「SETI@home Client」は、電波望遠鏡がキャッチした観測データをインターネット
経由でダウンロードし、データ解析するためのソフト。地球上の電子機器や自然界に
はない電波が観測されれば、地球外文明の知的生命体が放出した可能性があるという
仮定のもとに、観測データの中にこの電波が存在するかどうかを「SETI@home Client」
によって世界中のコンピューターで解析して、地球外知的生命体を探査するという計
画。「SETI(地球外知的生命体探査)」はSETI Instituteという非営利組織が進めて
いるプロジェクトだが、「SETI@home」の運営とソフトウェアの開発は「SETI」とは
別のプロジェクトとしてカリフォルニア大学バークレー校で行われている。
「SETI@home Client」は、観測データのダウンロード、データ解析、解析結果のアッ
プロードという3段階の手順が繰り返される仕組みになっており、スクリーンセーバー
として動作するほか、通常のアプリケーションとしてウィンドウ表示で動作させるこ
とが可能。「SETI@home Client」の画面上半分にはダウンロードしたデータの情報と
データの解析状況、画面下半分には解析中の内容が3次元グラフで表示される。一度
にダウンロードする観測データのサイズは約300KBで、データの解析が完了するとイン
ターネットに接続し、解析結果を専用のサーバーへアップロードする。ダイヤルアッ
プの場合はデータの送受信前にインターネットへの接続を確認できる。
「SETI@home」のホームページでは、「SETI@home Client」によるこれまでのデー
タの解析状況を公開しており、ユーザーが使用しているOSやCPU別に分類されたデー
タの解析数などを表で確認することができる。また、地球外文明の発見のヒントにな
りそうな信号についても、重要度の高い上位20の解析結果がすでに掲載されている。
【著作権者】SETI@home
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.0(99/05/13)
□SETI@home: Search for Extraterrestrial Intelligence at Home
http://setiathome.ssl.berkeley.edu/
(日沼 諭史)