【第44回】
ピザチェーンの経営も楽じゃない!?
「Pizza Syndicate」
(99/07/21)
そろそろ世間は夏休み。時間もあるし、たまにはシミュレーションゲームで遊びたいという気分なら、コミカルでブラックなピザチェーン経営シミュレーションゲーム「Pizza Syndicate」はいかがだろうか。勝つためには手段を選ばない、ルール無用のストーリー。あるときはメニューの数、あるときは激安価格、そしてまたあるときはマフィアを使ってライバル店を蹴散らし、国際的なピザチェーンのオーナーになるのが目的だ。
“PizzaSyndicateDemoEng.exe”のダウンロードが終わったら、表示されるメッセージを読みながら、標準設定のまま組み込もう。インストール終了後、画面左下の[スタート]ボタンから[プログラム]-[Software2000]フォルダの順にメニューを開き、[Pizza Syndicate Demo]を選べばデモの開始。そのままいきなりプレイすることも可能だが、ゲームの目的と操作方法を確認するうえでも、とりあえずチュートリアルに目をとおすことをお勧めしたい。
経営シミュレーションということもあって、最初は少々とっつきにくく感じるかもしれないが、ルールそのものは簡単だ。ゲームが始まったら画面右下のメインメニューから[Finances]を選び、取り引きする銀行を決める。格付けの高い銀行から怪しげな金融機関まで7社が営業しており、それぞれ支店の数や貸し出し金額の上限が違う。いきなり大金を借りると返済できなくなってしまうので、最初のうちは無理せず、ほどほどの金額にしておこう。資金の調達が済んだら新しい支店を開く。店舗は買うこともできるが、ゲーム序盤はコストが安く済む賃貸契約のほうがいいかもしれない。ライバル店の位置や周囲の環境を考えて、計画的に出店することを忘れないように。
続いてメニュー(トッピング)の開発。舞台となる都市によって、客層や好みは微
妙に違う。世代や性別を考え、人気の出そうなメニューを考えよう。ちなみにデモ版
で遊べるローマでは、野菜とチーズのウケがいい。たとえばトマト、チーズ、オリー
ブ、マッシュルームの組み合わせてみてはどうだろうか。あとは店舗の様子や客の満
足度を調べながら、細かく調整していく。資金が貯まったら新たに支店をオープンし、
ライバル店のシェアを切り崩していこう。予算次第では、警察やマフィアを使って
「より過激に」シェアを拡大することもできる。
材料の仕入れやメニューの開発、銀行やマフィアとの付き合いなど、プレイヤーがやらなければならないことは多い。経営シミュレーションとしての難易度はかなり高いと感じた。そして選択できる行動の幅が広いぶん、ゲームとしても奥が深い。プレイするたびに新しい戦略を発見し、ついついリスタートを繰り返してしまう不思議な魅力がある。コミカルなグラフィックや、イタリア映画をほうふつさせる叙情的なBGMもよい。
デモ版では、ほぼすべての機能を試すことができるが、マフィアを使ってライバル店を襲撃(!?)することはできない。また舞台となる都市も限られている。製品版では20種類のキャンペーンシナリオが用意されているだけでなく、20カ所の国際都市に出店できるとのこと。よくできた秀作シミュレーションゲームなので、日本語版のリリースを望みたいところだ。
(99/07/08、: PizzaSyndicateDemoEng.exe、53.4MB、ゲームデモ)
□Pizza Syndicate ホームページ
http://www.pizza-syndicate.com/
□Pizza Syndicate デモ版ダウンロードページ
http://www.gamesdomain.co.uk/demos/demo/PizzaSyndicate.html
(駒沢 丈治)