【第45回】
「Iria」
一括ダウンロードに! 多機能で使いやすいフリーの和製ダウンロードツール
(99/08/02)
高速モデムやISDNが普及したとはいえ、ファイルのダウンロードはなかなか時間のかかるものだから、少しでも効率よく行いたい。サイズの大きなオンラインソフトや画像ファイルなどはURLだけチェックしておいて、テレホーダイタイムや早朝のすいた時間帯にまとめてダウンロードするようにすれば、イライラもなくスマート。そんなときに便利なのが海外ソフトの「GetRight」や「ReGet」に代表されるダウンロード専用ツールだが、日本製でもこれらに劣らず多機能で使いやすいものがようやく登場してきたので、今回取り上げてみようと思う。
タイマー予約や細かい設定も可能な多機能ダウンロードツール
「Iria」は、インターネットからファイルを効率よくダウンロードするための、ダウンロード専用ツールだ。HTTP/FTP両対応で、おなじみのダウンロードレジューム、つまりダウンロードを中断して、中断したところから再開できる機能はもちろん、ファイルごとにダウンロードのための細かい条件設定ができ、タイマー予約や、同時ダウンロード数の設定も自由にできるのが特長だ。
基本的な使い方は簡単。ダウンロードメニューから[新規]を選んで、URLと保存先を入力する。このときにスケジュール設定やダウンロードの優先度も個別設定できる。クリップボードを監視するオプションを設定しておけば、Webブラウザーでリンクを右クリックしてクリップボードにコピーするだけで「Iria」を使ってダウンロードできるようになる。すべてのURL入力が終われば、ツールバーの[開始]ボタンから一括ダウンロードが始まる。
URLはまとめて入力しておき、ツールバーの[タイマー予約]ボタンから後で一括ダウンロード予約することも可能だ。URLが並べて書かれたテキストや、「ReGet」のWRGファイル、「GetRight」のGRXファイルから、URLをインポートしてリストに読み込むこともできる。ダイヤルアップ環境でも自動的に電話をかけ、すべてのダウンロードが終了した時点で自動的に回線を切断したりWindowsを終了したりできるため、早朝の空いている時間帯に無人で一括ダウンロードという使い方ができるだろう。
また一括ダウンロードの際、並行して行う同時ダウンロード数の設定や、上限となるダウンロード速度の指定が自由にできることにも注目したい。サーバーや回線の混み具合に応じた効率的なダウンロードが可能になるし、バックグラウンドで回線負荷を抑えたダウンロードをしながらWebブラウザーでホームページを快適に巡回することができるわけだ。
そのほかFTP/HTTPのプロキシー設定や、FTPのユーザー名とパスワードの設定、HTTPのUser-AgentやReferer設定など、ダウンロードするファイルごとに細かい設定ができるため、「GetRight」や「ReGet」ではダウンロードできない一部の特殊なサーバーからでも、「Iria」ならダウンロードできる場合があることを追記しておこう。
完成度が高く安定して使える
さて実際に使ってみた使用感だが、まだβ版としてのリリースでありヘルプや詳細な使い方の説明書もないとはいえ、直感的に使ってみても十分に使いやすく、完成度の高さを実感できる。こういったダウンロードツールでは安定性もしばしば問題にされるのだが、筆者の環境で使ってみた範囲では、他のダウンロードツールで時々起きるダウンロード中の突然のハングアップ等もほとんどなく、かなり安定して使うことができている。正式版リリースが非常に楽しみだ。
これまでも和製のダウンロードツールとしては、IE4のコンポーネントを流用して一括ダウンロードを補助するようなソフトや、ページ内のリンクを解析して主に画像の一括ダウンロードを補助するようなソフトは、いくつかあった。しかし和製でここまで本格的なダウンロード専用ツールは珍しい。しかもフリーで使えるのだから驚きだ。世界的にも名の知られる「GetRight」や「ReGet」に優るとも劣らないツールが日本からも登場したことは、英語が苦手で海外ソフトを敬遠してしまいがちな人にとってもうれしいニュースと言えるだろう。
【著作権者】Wolfy 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】β Rev 5b - 2(99/07/30)
□Incomplete Resonator(通常版)
http://msnhomepages.talkcity.com/WindowsWay/gaogao/
(ひぐち たかし)