【第49回】スーパーボウルの迫力をパソコンで体感してみよう
「NFL Fever 2000」
（99/08/25）アメリカンフットボールは、体の大きな選手がぶつかり合うマッチョなスポーツというイメージが強いが、実は意外に繊細で、戦略性に富んだスポーツである。状況に応じて変るフォーメーションの妙。ほんの一瞬の機転が状況を変え、驚くほど鮮やかなプレイが飛び出す意外性。だからこそ、日本にも熱狂的なファンが多い。今回紹介する「NFL Fever 2000」は、そんなアメリカンフットボールの魅力を存分に味わえる、リアルな3Dスポーツシミュレーションだ。
メニュー画面が表示されたら、シングルプレイを選択する。デモ版でプレイできるチームは、AFCのデンバー・ブロンコスとNFCのアトランタ・ファルコンズ。これは、'99年1月31日に行われた、第33回スーパーボウルと同じ組み合わせだ。なお「NFL Fever 2000」に登場する選手はすべて実名で、肉体的な特徴はもちろん、顔もリアルに描かれている。試合が始まったら、コイントスでオフェンスとディフェンスを決めたら、あとはまさにアメリカンフットボールそのもの。キックオフで試合が始まり、その後オフェンスとディフェンスが向き合ってフォーメーションプレイを展開する「スクリメージ」を繰り返しながら得点を競う。なお、自分が直接操作する選手は、足元に赤い輪が表示される。
アメリカンフットボールは、ポジションによって選手の動きや役割が変るので、操作はちょっと難しい。キーボードを使ってプレイする場合は、カーソルキーを使って進行方向をコントロールし、[F]がスナップ、[D]がフェイント、[S]がビューライン、[R]がセンドプレイヤー、[E]がオーディブルとなる。ただしクォーターバックを操作する場合は、これらのキーで各レシーバーへのパスをする。逆にディフェンスのときは、[D]がタックル、[R]がジャンプ、[E]がスピン。自分がキッカーの場合は、[F]で蹴る強さとタイミングを決定する。つまり「オフェンスかディフェンスか」「クォーターバックかキッカーか、それとも他のフィールドプレイヤーか」によって、キーの持つ意味が変わってしまうところに注意しよう。詳細はヘルプを参照のこと。
フォーメーションの選択は、画面上に表示される一覧の中から選ぶだけだ。チームによって選択肢や成功率も変わるらしく、どのフォーメーションを選べばよいかは難しいところ。もちろん、ショットガンやIフォーメーション、Tフォーメーションなど各フォーメーションの持つ意味を知らなければ選びようがないので、アメリカンフットボールに対するある程度の知識が必要になってくる。…もちろん、これはスポーツゲームすべてに言えることなのだが。
実際にプレイして感じたのだが、このゲーム「NFL Fever 2000」は、当初思っていたよりもずっとスピード感がある。それは単に処理速度の問題というよりも、選手の動きにきちんとメリハリがあるということだ。動と静が一瞬にして切り替わるアメリカンフットボールならではの緊張感が、見事に演出されている。そのぶんプレイヤーに求められる操作も高度で、正確なコントロールとタイミングが欠かせない。まずはキー操作をしっかりと覚え、なおかつルールやフォーメーションにも詳しくならないと、このソフトのすべてを楽しむのは難しいかもしれない。
デモ版でプレイできるのは、デンバー・ブロンコスとアトランタ・ファルコンズの2チームに限られている。選べるスタジアムも、ジョージアドームのみ。1クォーターは5分（実際の試合は1クォーター15分）に短縮されている。少々物足りなく感じるが、このゲームならではのカメラアクションとフォーメーションの楽しさ、そしてスター選手たちが演じる迫真のプレイを感じることはできると思う。もちろん、製品版にはNFLに所属する全31チームすべてが登場し、シーズンプレイやプレイオフを楽しめる。ただしマイクロソフトによると製品版は日本語のWindows 95/98上での動作保証がなく、今後日本語版が発売される予定もないとのことだ。
（99/08/19、NFLDemo.EXE、25.8MB、ゲームデモ）
□NFL Fever 2000 ホームページ
http://www.microsoft.com/sports/fever2000/
□NFL Fever 2000 ダウンロードページ
http://www.microsoft.com/sports/fever2000/downloads.htm
（駒沢 丈治）
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