【第53回】
宇宙を舞台に艦隊戦を楽しむ本格派のSFストラテジー
「Homeworld」
(99/09/29)
さて今回は、本格的なSFストラテジーゲーム「Homeworld」を紹介しよう。画面写真を見ると、まるでアクションゲームのように美しい映像だが、実はとても緻密な戦略ゲームなのだ。プレイヤーは、宇宙軍の最高司令官として艦隊を指揮。周囲を漂う小惑星から資源を採掘して戦闘艦を建造し、科学技術を高めてより強力な武器を手に入れる。こうして少しずつ軍事力を貯えながら敵と戦い、最後まで生き残るのが目的だ。
操作は、すべてマウスを使って行う。まず、司令を与えたい艦船を左クリック、もしくは範囲指定で選択する。そのままの状態で右クリックするとポップアップメニューが開くので、表示されたメニューの中からフォーメーションや攻撃レベル(消極的/標準的/攻撃的)を選ぶ。画面の下のほうにマウスポインタを動かすとメインメニューが表示されるので、新しい技術の開発や艦船の建造はここで命令する。その他細かい操作やカメラワークについては、付属のドキュメントを参照のこと。
基本的な戦略は、大きく二つに分かれるだろう。まずひとつは、じっくりと軍備を貯え、準備が整ったところで総力戦に望むという戦い方だ。スタート直後は「リソースコレクター」(資源採掘船)を建造して資源を貯え、続いて「リサーチシップ」(研究開発船)を量産して科学技術の向上に全力を尽くす。こうして「フリゲート」や「デストロイヤー」など攻撃力の高い艦船で船団を組み、一気に敵を叩く。時間は掛かるが、そのぶんムダは少ない。
もうひとつは、相手の軍備が整う前に一撃を浴びせ、気勢をそぐ戦法だ。ゲーム序盤に安価な攻撃機を量産し、敵のリソースコレクターやリサーチシップを破壊してしまう。これによって相手は出鼻をくじかれ、資源の蓄積と科学技術の開発が大きく遅れることだろう。もちろんこの分類は大まかに考えればということであり、軍備拡大と先制攻撃とのバランスは常に必要となる。いくら開発重視といっても、敵の先制攻撃に備えて最低限の防衛線ぐらいは必要だし、偵察艇を飛ばして敵の行動を探るのも大切だ。
いずれにしても、このゲームでは単位時間あたりの資源採掘量で有利・不利が決まってしまう。資源がないことには潤沢な軍事力を持つことができないからだ。プレイが始まったら、まずセンサー画面を見て小惑星帯の位置を確認し、母艦ごとその方向へ移動すること。また敵に採掘されてしまわないよう、戦闘艇を先に派遣して、小惑星帯の制空権を確保するのも忘れないようにしよう。
「Homeworld」はシステムに厚みがある本格派のストラテジーゲームでありながら、グラフィックスもまたすばらしい。ミサイルやプラズマ砲が乱れ飛ぶ戦闘シーンは、まるでSF映画のような臨場感だ。整然とフォーメーションを組んだ艦隊が、エンジンの航跡を残しながら敵陣へ突入する光景も、このゲームならではの迫力。指先一つで艦隊を動かす最高司令官の気分を、たっぷり満喫できると思う。
デモ版でプレイできるのは、コンピューターを相手に戦うシナリオが3本。多少シチュエーションは違うが、基本的には一騎討ちの戦いだ。登場する技術や艦船も、全てではない。このゲーム最大の魅力であるインターネットプレイも、デモ版では残念ながら試すことができなかった。製品版ではストーリーにそったシナリオプレイを楽しめるほか、インターネットを経由して8人が同時に戦うことが可能とのこと。
(99/09/08、hwdemo.exe、62.7MB、ゲームデモ)
□Homeworld ホームページ
http://www.sierrastudios.com/games/homeworld/
□Homeworld ダウンロードページ
http://www.sierra.com/demos/allframesjump?2215
http://www.3dfiles.com/games/homeworld.shtml
(駒沢 丈治)
All Homeworld images and logos are copyright Sierra Studios and Relic Entertainment.