【第54回】
「CdAp Launcher」
フォルダごと圧縮したアプリケーションを実行可能! タスクバー風ランチャー
(99/10/04)
「HDD容量は増設すればするだけ埋め尽くされる」という“マーフィの法則”があったように思うが、昨今ほどHDDの大容量化・低価格化が進んでもやはり空き容量不足に悩む人は少なくない。ファイルを片っ端から圧縮すれば、空き容量を確実に確保することはできるが、使う可能性のあるプログラムファイルまで圧縮してしまうと、いちいち解凍するまでプログラムが使えなくなってしまう。そこでコレ、タスクバー風ランチャー「CdAp Launcher」の出番だ。
どんなソフト?……アプリケーションランチャー
「CdAp Launcher」は、圧縮と解凍の機能を持ったアプリケーションランチャーソフト。Windowsのタスクバー風の“ランチャーバー”に小さなアイコンを並べ、ページ単位で管理する。起動ファイルやフォルダの登録はドラッグ&ドロップ対応、コマンドライン(起動時オプション)も指定可能で、コントロールパネルやマイドキュメントなどよく使う特殊フォルダは右クリックで簡単に開ける。Windows 95/98/NT4.0で動作するが、圧縮ファイルを扱う場合は対応した圧縮/解凍DLLが必要になる。
ここがスゴイ!……自動解凍と自動再圧縮
「CdAp Launcher」の最大の特長は、LHAやZIPでフォルダごと圧縮してあるソフトもシームレスに起動できるところ。圧縮してあるソフトを起動する場合に「CdAp Launcher」が行う一連の動作は、解凍→ソフト起動→ソフト終了→再圧縮という流れになる。すなわちフォルダごと圧縮されたソフトを圧縮ファイル名で一時フォルダにすべて解凍、もしくは必要ファイルのみ自動的に解凍し、プログラム本体を起動する。そしてプログラムが終了するか「CdAp Launcher」が終了する時点で、生成・更新されたファイルを自動的に再圧縮し、解凍ファイルを自動削除する。つまり解凍や圧縮の作業をユーザーが意識的に行うことなく、圧縮されたソフトを利用できるのだ。
こんな場合に便利……ハードディスクの空き容量が気になるときに
予算の都合やノートパソコン使用などで簡単にハードディスクを増設できない場合、空き容量が足りなくなれば一時ファイルや不要ファイルの削除といったHDD整理が欠かせない。最近使わなくなったソフトを削除したり、リムーバブルメディアに保管しておくのも有効だ。しかしそのとき迷いは生じないだろうか? 使おうとするたびに再インストールするのではカスタマイズ設定が保存されないし、月に一度使うか使わないかといった中途半端なソフトを削除するのはためらわれる。「ドライブスペース」がFAT32に対応していないという理由で、LZHやZIP形式で圧縮しておくのはいちいち解凍するのが手間だ。そこで「CdAp Launcher」の出番となる。
対象はプログラムだけでなく、圧縮された何らかのデータファイルを関連づけに従って開くことも可能。ワープロの文書ファイルや表計算ソフトのデータファイルなど、巨大になりがちなファイルを圧縮しておき「CdAp Launcher」に登録すれば、編集後も自動的に再圧縮して保管するため、HDDスペースの節約になるだろう。また面白そうなオンラインソフトをとりあえずインストールしてしまう人にとっても、このソフトは重宝する。
さらに便利なのはHDDやCD-ROMドライブのルートからポップアップメニューでフォルダ階層をたどって開ける“メニューファイラ”機能だ。ファイルの移動やファイル名変更などちょっとしたファイル操作が“メニューファイラ”から簡単に行えるのはありがたい。
使用上の注意は?……関連づけられたプログラムとアンインストール時
「CdAp Launcher」を使う上で気をつけなければならないのは、圧縮してしまったソフトは「CdAp Launcher」経由か手動で解凍して起動しなければ、起動できないという点だ。この前提条件がある以上、何らかの拡張子に関連づけられているアプリケーションを圧縮するのは避けるべきだし、アンインストーラーのついたアプリケーションもアンインストールする前には手動で解凍してインストール時にあった場所に戻してやる必要がある。また作者も把握している不具合として、Windows 98上では自動的に隠れる機能がうまく動作しないことがある。ランチャーバーの画面上の位置を変えるとうまくいく場合もあるようなので、PC環境にあわせてオプション設定を使い分けるといいだろう。
【著作権者】EFU15 氏
【ソフト種別】フリーソフト(要メール)
【バージョン】0.7.3(99/10/01)
□EFU15 Software
http://home4.highway.ne.jp/efu15/
(ひぐち たかし)