【第58回】
「CDb」
たまったCD-ROMを簡単にデータベース化、圧縮ファイルの中まで高速検索
(99/11/08)
最近のパソコン雑誌にはCD-ROMが付くのが当たり前のようになっているが、CD-ROMもたまってくるとどこに何が入っているかを探すのに苦労する。各CD-ROMにはファイルを探しやすいよう専用の検索ソフトがついていることもあるが、いちいちCD-ROMドライブに入れたり出したりすること自体が時間も手間もかかる。そこであらかじめ、どのCD-ROMに何が入っているかをデータベース化しておこうというのが「CDb」だ。
どんなソフト?……CD-ROMのファイル情報を自動でデータベース化
「CDb」は、CD-R/RWを含むCD-ROMのファイル情報をボタン一つで自動的にデータベース(以下DBと略)にするソフトだ。ファイル名やファイルサイズなどのいわゆるファイル情報だけでなく、テキストファイルやHTMLファイルの中身を自動で読み込みDBに登録、さらに圧縮ファイルの中のファイルもDB化してくれる。一度DB登録してしまえばCD-ROMがなくてもキーワード検索ができ、検索結果を見てから必要なCD-ROMを入れればすぐにエクスプローラでフォルダを開いてファイルを取り出せるというわけだ。
ここがスゴイ!……とにかく簡単。テキストやHTML、圧縮ファイルの中もOK
とにかくボタン一つで簡単にCD-ROM情報をDB化できてしまうのがスゴイ。CD-ROMを入れてディスクの名称を入力し、[登録する]ボタンを押すだけでいい。登録はCPUパワーやCD-ROMドライブのアクセス速度に応じてそれなりに時間はかかるが、終わるまで放っておけばいいのであまり苦にならない。一度登録してしまえば検索そのものは非常に高速で、複数のCD-ROMをまとめて検索できるのもありがたい。またテキストファイルはもちろん、HTMLファイルもテキスト化して中身をDB登録するため、たとえば「ペイント」といった日本語を入力してキーワード検索ができる。またUNLHA32.DLLやUNZIP32.DLLがあればCD-ROMに含まれる圧縮ファイル内のファイルについても同様にDB化できるのがうれしい。圧縮して配布されるオンラインソフトのREADME.TXTやヘルプ代わりのHTMLファイルを、CD-ROM内丸ごとから高速に検索してくれるのは非常に便利だ。
こんな場合に便利……CD-ROMの整理や圧縮ファイルの保管に
雑誌の付録などでCD-ROMを入手するたびに「CDb」で登録しておく癖をつけておこう。窓の杜やインターネットで見つけたオンラインソフトをダウンロードする前にさっと起動してチェックしてみれば、実は手持ちのCD-ROMの中に入っているかもしれない。また旧バージョンを持っていれば、小さい差分ファイルを入手するだけで済むこともある。電話料金や時間の節約になるばかりでなく、ひいてはインターネットの混雑緩和にもつながるだろう。
「CDb」は雑誌のCD-ROMのほかにも、ダウンロードしたままハードディスクの容量を圧迫している圧縮ファイルを、CD-RやCD-RW、MOなどに移して保管する場合にも利用できる。DB化する対象はCD-ROMやリムーバブルメディアでなくてもよく、ハードディスク内をフォルダ単位で登録しておくこともできるので、ファイルの整理整頓に便利に使えるだろう。
使用上の注意は?……DB登録時と閲覧に注意、説明文の検索結果を過信しない
DBへの自動登録を始めると、強制終了する以外に途中でキャンセルできないことに気を付けよう。登録中は負荷がかかるので、DB登録はパソコンでの作業に余裕のあるときに行うほうがいい。またDB化されたファイル情報は、ファイルの本体がそっくり保管されるのではないことを理解しておきたい。当たり前のことだが、圧縮ファイルの中のファイルを取り出したり閲覧するためには、その圧縮ファイル本体が保存されているCD-ROMが必要であり、ファイル解凍ツールも必要だ。また、圧縮ファイルの中のDB化に現バージョンで対応している圧縮形式はLHAとZIPのみ。自己解凍型(EXE)のLHA圧縮ファイルにも対応しているが、暗号化ZIPやその他の形式の圧縮ファイルには対応していない。説明文のキーワード検索で目的のファイルが見つからないときは、ファイル名で検索し直してみよう。
【著作権者】森野 熊三 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.63A(99/10/06)
□森野熊三のオンラインソフトコーナー
http://www.vector.co.jp/authors/VA005919/
(ひぐち たかし)