Winゲームデモ!


【第60回】

戦車戦シミュレーション「ロードオブパンツァーズ」

進め、戦え、我が鋼鉄の騎士たちよ!!

(99/11/24)

タイトル画面

 MS-DOS時代のシミュレーションゲーム「ロードオブパンツァーズ」が、Windowsに移植された。「ロードオブパンツァーズ」といえば、知る人ぞ知る戦車戦ゲームの名作。というより、むしろシミュレーションRPGのルーツともいえる作品で、いまもなお支持するファンは多い。日本のゲーム史に残る名作を、いま再びWindowsで楽しめるなんて、これはものすごくうれしいことだ。


古典的名作ソフトがついにWindows版で登場

 いまから12年ほど前、「ロードオブウォーズ」という名のシミュレーションウォーゲームが発売された。プラットフォームは、PC-9801用のMS-DOS。RPG的な要素を持ち込んだ点がウケて、一部のゲーマーから熱狂的な支持を得た。その後、'94年に続編「ロードオブパンツァーズ」が、やはりPC-9801用のMS-DOSでリリース。そしていま、5年の沈黙を破って「ロードオブパンツァーズ」のWindows版がリリースされた。ゲームの懐しさとWindowsへの突然の移植に、胸をトキめかせている人も多いだろう。

自軍のユニットをマップに配置してゲームスタート   装甲車や重戦車、迫撃砲などが登場する
自軍のユニットをマップに配置してゲームスタート   装甲車や重戦車、迫撃砲などが登場する

シミュレーション+RPGのおもしろさ


車両に搭乗する指揮官によって総合的な戦力が変わる
車両に搭乗する指揮官によって総合的な戦力が変わる

互いに砲撃しあい、耐久力がゼロになると破壊される
互いに砲撃しあい、耐久力がゼロになると破壊される
 「ロードオブパンツァーズ」は、同じシステムソフトの製品である「大戦略」シリーズと多くの点で異なっている。最大の違いは、1ユニットが1小隊ではなく1車両であるということ。しかも各ユニットには軍人や政治家、科学者など歴史上の有名な人物が搭乗し、戦いの中でどんどん成長していく。シミュレーションゲームというよりは、後に現れるファンタジー系のシミュレーションRPGに近い。使われているマップも六角形のヘックスではなく、互い違いに並ぶスクウェアだ。目的地を指示するだけで、各ユニットはターンごとに移動を繰り返し、敵と出会えば自動的に戦闘を繰り返す。ユニットにはそれぞれ耐久度があり、被弾すると耐久度が減少していく。互いに砲撃しあい、耐久度がゼロになったほうが消滅するというシンプルな戦いだ。

 「大戦略」シリーズが兵器の生産と移動、補給を背景にした大戦シミュレーションであるとすれば、「ロードオブパンツァーズ」は機械化小隊を指揮する、戦術戦級の局地戦シミュレーションと位置づけることができるだろう。敵車両を索敵しながらユニットを進め、勝敗はあくまでも1対1の戦車戦で決する。向かい合った戦車同士の激しい砲撃戦。相手の装甲をブチ抜き、その残骸を踏み潰して進撃する無常観。セピア調のグラフィックやアイコン化されたユニットが、このゲームの雰囲気を実によく演出している。

戦車戦ならではの緊張感を味わえる秀作

損傷を受けた車両は修理することもできる
損傷を受けた車両は修理することもできる
 ゲーム性は極めて高い。しっかりと練られたマップに、個性あるキャラクターたち。移動速度や破壊力、射程の違うユニットをどう配置し、どう動かして戦うか。戦術面での可能性は驚くほど広く、そして戦車戦、砲撃戦ならではの緊張感を満喫することができる。基本設計が10年以上も前とは思えない、素晴らしいゲームデザインだ。

 ただし、MS-DOS時代の作品を驚くほど完璧に移植したため、画面デザインと操作性に時代遅れな部分が目立つのも事実。セピア調の画面やドットの粗いグラフィックはこのソフトならではの「持ち味」だが、しかしSVGA以上の高解像度が当たり前になった現在、VGAにも満たない640×400ドット(PC-9801の解像度)はいかにも古くさく感じる。マウス操作もWindowsよりもむしろMacintoshに近い操作方法になっているので、ほとんどのプレイヤーが違和感を覚えることだろう。Windows版の『大戦略』シリーズのように、オリジナルの持ち味をそのまま活かし、なおかつWindowsらしい操作性や高解像度に対応した作品であればよかったのに、とも思う。

11月26日発売予定、ファンなら買うべし!!

シナリオ終了後は、10点満点で評価される
シナリオ終了後は、10点満点で評価される
 デモ版でプレイできるのは、レベルの異なる演習用マップ3本のみ。とはいっても、上級の「波状攻撃マップ」の難易度はかなりのもので、味方の損害を出すことなくクリアするのは難しいだろう。あれこれ戦術を思案しながら、たっぷり数時間は楽しめるはずだ。ダウンロードファイルが1.45MBと小さく、また3Dグラフィック機能を持たないマシンやノートパソコンでも手軽にプレイできるところもいい。古典とはいえ、「ロードオブパンツァーズ」は、いまもなお多くのファンがいる名作中の名作。触れてみて損はないと思う。ちなみに製品版は、11月26日に発売予定。もちろん筆者も、発売日に速攻で買うつもりでいる。

 日本語版
発売元(株)システムソフト
価格6,800円
発売日11月26日

(LOPTRIAL.EXE、1.45MB、ゲームデモ)

□ロードオブパンツァーズ ホームページ
http://www.systemsoft.co.jp/PRODUCTS/amusement/LOP.html
□ロードオブパンツァーズ ダウンロードページ
http://www6.tokyoweb.or.jp/systemsoft/AM/LIB/LOPTRIAL.html

(駒沢 丈治)


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