ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第61回】

「回転くん」

好きな画像を3D球体に! くるくる回る3Dアニメーションを作ろう

(99/11/29)

 一般にアニメーションを作成するには、少しずつ内容の異なる画像を何十枚も用意する必要がある。今やグラフィックソフトを使えばそう難しくはないとはいえ、手間のかかる作業であることに違いはない。しかし、元になる1枚の静止画をある決まったパターンで動かすのであれば、もっと簡単に作成することも可能なはずだ。今回はそんな原理をもとに、誰でも簡単に3Dアニメーションを作成するためのソフトを取り上げてみよう。

どんなソフト?……BMP画像を3D球体のテクスチャとして貼り付ける

「回転くん」v1.4  「回転くん」は、好きなBMP画像を3Dの球体にテクスチャとして貼り付け、球体がクルクル回るアニメーションを作成するためのソフトだ。1枚の静止画から3Dアニメーション作成に必要な連続する複数画像を簡単に一括作成してくれるのが特長で、外部ツールとしてBMPをAVI化するソフトやBMPをGIFアニメ化するソフトを連動させれば、AVI動画やGIFアニメを容易に作成できる。なおAVI化には「Video maid」という複数のBMP画像をAVI化するフリーソフトが同梱されているが、GIFアニメ化を連動して行うには「IrfanView32」または「Animation GIF Maker」のいずれかのソフトが必要だ。

ここがスゴイ!……1枚の静止画から3Dアニメに!

回転方向や1回転に必要な画像枚数を設定  元になる静止画は256×128ピクセルサイズのフルカラーBMPでなければならないが、好きな画像を簡単に3D球体化し、アニメ化に必要な連続画像を作成してくれるのがうれしい。「回転くん」のプログラム本体はアニメ化に必要な複数のBMP画像を作成するだけで、AVI化やGIFアニメ化には外部ソフトを必要とするものの、連動させることで手軽にアニメーションファイルまでを作成できるのはありがたい。また、回転の方向や1回転に対して作成するBMP画像の枚数も自由に設定できる。枚数を多くすれば滑らかなアニメーションにできるが、その分ファイルサイズが大きくなることには注意しておこう。

こんな場合に便利……ホームページ素材に

 動きのあるホームページは読者の目を引くとわかっていても、GIFアニメーションの作成は手間がかかるし、絵心のない人には敷居の高いものだ。元になるBMP画像が1枚あればカッコいい3DアニメーションのGIF画像を比較的容易に作れるようになるこのソフトは、あまり時間をかけずにホームページにちょっとしたアクセントをつけたい人などに重宝するだろう。短いメッセージ表示でも、3Dアニメ化すれば十分なインパクトを与えられるはずだ。

トリミング後にGIFアニメ化して完成

使用上の注意は?……AVI化ソフトやGIF化ソフトとの連動の際に注意

 機能としては大変魅力的な「回転くん」なのだが、まだバージョンが若いせいか率直に言って操作性はよくない。同梱のサンプル画像を使って作成するにも説明書を読みながらでないと手順がわかりにくく、利用可能な元画像の条件についても書かれていないなど、慣れるまではとまどうことが多い。またPC環境によるのかもしれないが、筆者が試した限りでは「Video maid」と連動させたAVI化の際はエラーが出てコンバートできないことがあり、GIFアニメ化には「IrfanView32」との連動がうまく行かないことがあった。さらに作成されるBMPは周囲の背景部分が大きく、「回転くん」でのトリミング処理は容易とは言い難い。複数のBMP画像からのAVI化やGIFアニメ化を行うソフトは説明書で挙げられているもの以外にも色々と存在するので、「回転くん」ではアニメ化に必要な各コマのBMP作成までを行い、トリミングやAVI/GIFアニメ変換には使い慣れたソフトを利用するという手もあるだろう。

【著作権者】神山 利文 氏(同梱の「Video maid」は岩本 一樹 氏)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.4(99/11/05)

□利文のおもちゃ箱
http://www.vector.co.jp/authors/VA017879/

(ひぐち たかし)

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