【第64回】
バトルシミュレーション「Mind Rover」
最強のロボットカーを作るのはキミだ!!
(99/12/22)
何かを設計するというのは楽しい。それ自身がひとつの"ゲーム"として成立することも珍しくなく、たとえば「シムシティ」や「テーマパーク」のおもしろさについては、いまさら説明するまでもないだろう。今回紹介するのは、戦闘用のロボットカー(ビークル)を設計する、ちょっと堅めのシミュレーションゲーム「Mind Rover」だ。
知恵とアイデアで勝負するシミュレーションゲーム
「Mind Rover」は、自立走行する戦闘用のロボットカー(ビークル)を作るシミュレーションゲームだ。プレイヤーはまずロボットカーのボディを選び、その内部に必要なパーツを組み込む。そして各パーツをどのように機能させるかについて指示を与え、完成したロボットカー同士を戦わせたり、競わせたりする。ただしプレイヤーが行うのは設計と動作テストのみで、ロボットカー同士のバトルが始まると、あとは見ていることしかできない。つまり限られた条件の中で、どこまで賢いロボットカーを作れるかが、このゲームのカギというわけ。プレイヤーの知恵とアイデアが試される、ロボコン(ロボットコンテスト)的なシミュレーションともいえるだろう。
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エンジンやセンサーなど必要なものを搭載していく
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それぞれのパーツを配線して、発動条件を決める
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戦闘用ロボットカーをデザイン
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完成したホバーで戦闘開始。期待どおりの動きをしてくれるか!?
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敵のホバーをセンサーで捉えて接近。ミサイルを発射する
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ゲームが始まったら、システムにゲストとしてログインし、バトルステージを選ぶ。とりあえず最初は「Tutorial」がいいだろう。続いて利用したいロボットカー(デモ版ではホバータイプが1種類だけ用意されている)を選び、自分のチームにドラッグ&ドロップしてバトルにエントリー。しかし、このままではまだ戦うことができない。ロボットカーの中は空っぽの状態で、ボディしかないからだ。画面左側のメニューから「Vehicle」を選び、必要なパーツを搭載していこう。
用意されているパーツは、敵の位置や距離を知るためのセンサー類、移動のためのエンジン、攻撃用のミサイルランチャーなど。これらを機体の適当な場所に配置し、自走して戦える状態を整える。エンジンの数が多いほど移動力に優れ、武器が多いほど攻撃力に勝る機体にすることができるが、積載スペースや車重制限があるので、最後は「何か」を犠牲にすることになるだろう。機体が完成したら、今度はメニュー画面から「Component」を選び、各パーツに動作条件(ロジック)を設定する。たとえば「正面センサーに敵を捉えたら、エンジン出力を最大にして接近し、ミサイルを発射」という具合に、行動条件を指示する。このように、限られたパーツを組み合わせてロボットカーを組み立て、なおかつムダのないロジックを組まなければならないわけだ。
なにぶんシミュレーションゲームであること、そして英語版であるために少々とっつきにくく感じるかもしれないが、操作そのものはたいして複雑ではない。とりあえずは敵のロボットカー(最初から用意されているサンプル)の構造を分析し、その改良から始めるといいだろう。困ったときは[F1]キーを押せぱ、各パーツの役割や使い方について知ることができる。
どう戦うはプレイヤー次第!?
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黒煙を吐きながら逃げる敵のホバー。とどめの一撃を加えろ!!
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これはかなり奥が深い。…というか、久しぶりにどっぷりとはまった。センサーの探知角度を変えたり、旋回用のエンジンを機体の左右に取り付けたりと、新しいことを次々と試したくなる。最初は単純な動きしかできなかったロボットカーが、改良を加えるうちに少しずつ賢くなっていくのは、ちょっとしたヨロコビだ。選べる戦術の幅が広いのもうれしい。軽く機敏なマシンでヒット&アウェイを繰り返すか、それとも重鈍だが攻撃力の高いマシンで集中砲火を浴びせるか。どう戦うかは、プレイヤー次第。だからこそ、おもしろい。
余談だが、実は昔日本にもこれとよく似たゲームがあった。アートディンクの「地球防衛軍」という作品で、エンジンや武器などのパーツを配置し、オリジナルの戦闘機を設計するというものだった。さすがに当時は「早すぎた」感もあり、人気はいまひとつだったが、ゲーム市場が成熟してきた今なら、この手のおもしろさを理解してくれるプレイヤーも多いのではないかと思う。「Mind Rover」の登場を景気に、「設計する楽しさ」が味わえるデザイン系シミュレーションゲームが認知されることを期待したい。
製品版にはキャタピラで移動するタイプも登場
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トータルの破壊数が多いチームの勝ち
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デモ版でプレイできるのは、「Battle」「Sports」「Tutorial」の3ステージのみ。利用できる機体も、ホバーが1種類だけだ。これだけでも相当楽しめると思うが、製品版ではホバータイプのほかに、キャタピラーやホイール(タイヤ)で移動するタイプも登場するという。選ぶ機体によって装甲の厚さや耐久力、積載できるパーツの数が違うので、設計の幅はさらに広がることだろう。これはかなりおもしろそうだ。バトルステージも迷路型など数種類が用意されているとのこと。ただし残念ながら、日本国内での販売は予定されていない。
| 英語版 |
発売元 | CogniToy |
価格 | 45.00ドル |
発売日 | 発売中 |
(99/12/10、MRDemo.zip、11.9MB、ゲームデモ)
□Mind Rover ホームページ
http://www.mindrover.com/
□Mind Rover ダウンロードページ
http://www.mindrover.com/mindrover/downloads.htm#menus
http://www.3dfiles.com/games/mindrover.shtml
(駒沢 丈治)
Copyright CogniToy, LLC, 1999. All rights reserved.