トラック005、全然シェイクしてないって? そうそう。最後にトラック005にグルーブクオンタイズをかけちゃおう。音量を波打つように変えて緩急をつけたいので、今回のグルーブクオンタイズは「Vel」のみ。ちょっとハデめに変えてみた。
タンバリンをシェイク♪
配布用のMIDIファイルを書き出そう
さて、曲が完成したら、念願のMIDIファイルで保存しよう。前回も軽く触れたけど「Music Studio Standard」でデフォルトのまま保存したMIDIファイルは直接Webブラウザーなどで聴くことができない。Webブラウザーやメディアプレーヤーで聴くためには、すべてのシーケンサーで標準になっている「SMF」の規格にのっとって音色や音量、音源の初期化情報などをMIDIファイルの最初に埋め込んであげないといけないからだ。なお「SMF」について詳しく知りたい人は、ヤマハのホームページに詳しく載っているのでチェックしてみよう。
□参考:「XG Reading Page」
http://www.yamaha.co.jp/xg/read/read.html
配布用MIDIファイルの保存手順はちょっと面倒だけど、すぐに慣れちゃうと思うので手順を追ってやってみよう。まずは、初期化情報を入れるために曲のアタマに2小節くらい空白を作る。それから、作った空白部分に各トラックの初期化情報を入れる。テンポその他、音楽としての情報も打ち込んで、最後に曲の一番アタマにMIDI音源の初期化情報を入れる。それをSMFとして保存すればOK。うーん、もっとゆっくり説明するね。
ファイルの頭に音源の初期化情報を入れたいので、全てのトラックの頭に空白の小節を入れよう。まずはトラックを右クリックして[全て選択]すると、全部のトラック番号の左に四角が表示されるハズだ。この状態で小節の部分をドラッグ。2小節分が黒く選択されたら、右クリックで[時間挿入-小節]。全てのトラックが2小節ずつ、右にずれたでしょ? 今回聴いてもらったサウンドの頭に空白があるのはこういうワケ。
それからトラックの初期化情報を入れる。全部のトラックが選択されている状態で、今度は[実行]-[トラック初期化情報の挿入]。曲の一番アタマにはさらに別の情報を入れなければいけないので、挿入位置は[2 1 0]。2小節目のアタマい入れとこう。他の設定はこのままでイイので、OKを押す。
そうそう、テンポその他の情報も入れとこう。「Tempo Track」が白く選択されている状態で、トラックを右クリックして[イベントリスト]を選ぶと「イベントウィンドウ」が開くので、左上のエンピツボタンを押して[イベント]。「イベントエディット」というダイアログが出たら「テンポ」に注目。ここに作っていたテンポと同じものを入れておく。今回は150に。同じ要領で「Meter Track」は「分子:4、分母:4」、「Key Track」は「長調」で「C」にしておく。
最後に、MIDI音源の初期化情報を打ち込む。適当なトラックが白く選択されている状態で、さっきと同じ要領で「イベントウィンドウ」の「イベントエディット」。今回は[種類]-[スペシャル]を選ぶ。そして[選択]。「スペシャルの編集」というダイアログが出るハズ。大丈夫? ついてきてる? さらに、今度は[プリセットエクスクルーシブ]から[GM ON]を読み込もう。「イベントエディット」ダイアログで「GM ON」になってることを確認したら、設定は全部おしまい。お疲れさま。
MIDIファイルの保存は、[ファイル]-[名前を付けて保存]で拡張子を「.mid」にすればOK。ダイアログが出るけど、デフォルトのままで大丈夫だ。そうそう、「Music Studio Standard」を終了してからじゃないと、他のソフトで音を確認できないこともあるので注意。一回終了してからチェックしてみて。完成したMIDIファイルを、自分のWebページに埋め込むなり、メールに添付するなりして友達に聴いてもらおう。まあ、いきなり添付メールを出したら怒る人もいるだろうから、はやる気持ちは押さえてまず確認を取ってみるとかね。
【ソフト名】Music Studio Standard
【著作権者】Frieve 氏
【ソフト種別】シェアウェア 2,000円
【バージョン】2.40(1999/12/28)
□Frieve Home Page
http://www.yk.rim.or.jp/~frieve-a/
さあ、次回はいよいよMIDI編の最終回。今回紹介しきれなかった「ミキサー機能」による面白いテクニックを紹介する。だんだん曲作りに慣れてきたかな? 作曲するときのポイントは、ひたすら時間をかけること。そして完成したモノを他人に聴いてもらって感想を聞くこと。もしも厳しいことを言われたってメゲないで。作りこんだ作品の反省点を明確にすれば、次の曲では自分がまたひとつカベを越えていることに気付くはず。素晴らしい曲が作れることを祈ってるよ。では、Keep on music!
(後藤 智博)
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