【第66回】
「TaBrowser」
“こそこそ見る”がコンセプトのタブ切り替え型Webブラウザー
(00/01/24)
仕事の合間に息抜きのつもりでいろんなホームページを見ているところを通りすがりの上司にひょいとモニターを覗かれ焦った、なんてのはよくある話だろう。すぐにウィンドウを閉じられればいいが、ウィンドウをいくつも開いていたりするとそうもいかない。今回は一つのウィンドウの中にいろいろなサイトを切り替え表示し、いざというときでもサッとウィンドウが隠れてくれる面白いWebブラウザーを取り上げよう。
どんなソフト?……タブで表示ページを切り替えるシンプル表示のWebブラウザー
「TaBrowser」(タブラウザーと読む)は、複数のWebページをタブで切り替えて表示できるWebブラウザーだ。できるだけ表示領域を広く取れるようボタン類は最小限のものに絞ってあり、ツールバーはシンプル。ブラウザーエンジンにIEを利用するため基本性能はIEと同等だが、リンクを右クリックして[新しいウィンドウで開く]を選択しても、新しいウィンドウは開かずに同じウィンドウ内で表示し、ウィンドウ下部(または設定により上部)にタブが追加される。ちょうど、同じ大きさの紙がつぎつぎと重ねられていくような感じだ。裏側に隠れてしまったページを表示するには、そのページのタブをクリックすればいい。新しいタブは、リンクの右クリックメニューのほかに、アドレスボックスにURLを入力して、ボックスの右側にある[新しいタブで開く]ボタンを押しても追加されるようになっている。
タブにはページのタイトル表示のほか、閉じるための[×]ボタンと灰色のピンがある。通常は新しいタブでページを開くとそのページが最前面に表示されるが、タブのピンをクリックして赤くしておけば、新しいタブでページを開いてもフォーカスは表示中のページのままとなり、タブだけが追加されページはバックグラウンドで読み込まれる。一つのページをじっくり読みながら気になるリンクだけを裏で次々と開いておくことができるのだ。
ここがスゴイ!……自動的に隠すステルス機能と一括ロードのタブコレクション
特徴的なのはステルス機能だろう。これは「TaBrowser」のコンセプトという“こそこそ見る”ことを実現するためのもの。ウィンドウからマウスカーソルが離れると自動的にウィンドウが隠れ、タスクトレイアイコンにマウスカーソルを合わせれば一瞬にして元に戻るという仕掛けだ。一定時間PCの操作がないとウィンドウを隠す設定もできる。
さらに特筆すべきはタブコレクション。いわゆるIEの“お気に入り”のようなブックマーク機能なのだが、複数のURLをフォルダにまとめておけば、フォルダ単位で選択するだけで複数ページを一気に読み込めるのだ。複数のページをタブ切り替えする「TaBrowser」ならではの機能と言えるが、一つ一つプルダウンメニューをたどる手間がいらず、毎日見たいサイトのチェック漏れ等もなくなるので非常に便利な機能だ。
こんな場合に便利……作業中でも気になるページを手早く見たいとき
コンセプト通り、人目をはばかるようなホームページをこそこそ見るという用途にはもちろん適しているのだが、そうでなくとも普段から使うWebブラウザーとして十分に常用に値するだろう。特にニュース系のサイトなどよく見る複数のサイトを作業の合間にサッと表示し、見終わったらサッと作業に戻るという効率のいいスマートな使い方ができるのがポイントだ。
使用上の注意は?……URLの登録しすぎやページの開きすぎに注意
タブコレクションは便利ではあるが、逆にIEの“お気に入り”のようにフォルダ内の任意の1サイトだけを開くことはできない点に注意しよう。フォルダ内の登録URLすべてを毎回開いてしまうため、一つのフォルダに多数のURLを登録しすぎると表示が遅くなる。また調子に乗ってページを際限なく開きすぎれば当然リソース不足に陥ることにも留意しておこう。また初期リリースから間もないためか、タブコレクションの整理の操作方法など一部の仕様に機能不足な面もあるようだが、それらは将来の改善に期待したい。
【著作権者】Catfish 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.03(00/01/23)
□TaBrowser
http://catfish.virtualave.net/
(ひぐち たかし)