【第67回】「dayandnight」
レイヤー対応、ベジェ曲線を扱えるフリーのドロー系グラフィックソフト
（00/01/31）例えばペイントソフトを使ってハートマークを描きたい場合、タブレットでもない限りマウスを使ってフリーハンドできれいにハートの形を描くのはなかなか難しいものだ。また、ロゴを描く場合でも、ペイントソフトでフォントを変形させようとするとかなり難しい作業になる。そこで今回は、自由に曲線を扱うことができ、文字の変形にも対応したドロー系グラフィックソフトを取り上げよう。
どんなソフト？……ベジェ曲線を扱えるドロー系グラフィックソフト
「dayandnight」は、ベジェ曲線を自由に描けるドロー系のグラフィックソフトだ。制御点の追加や削除はもちろん、2線の端点の結合や点の平均化もサポートしており、思い通りの曲線が簡単に描けることが特長。さらにレイヤー対応、文字フォントの変形加工も可能で、図形を組み合わせたロゴ作成などに威力を発揮する。出力はBMP形式のほかEPS形式もサポートしている。
ベジェ曲線（Bezier curve）とはいくつかの制御点を元にそれらを結ぶなめらかな曲線のことで、主に印刷等に使われるPostScript言語における曲線の表現形式として知られる。ドロー系のグラフィックソフトで近年主流となっている曲線の描画方法だが、フリーソフトで本格的にベジェ曲線を扱えるものはまだまだ少ない。思い通りのベジェ曲線を描くには多少の慣れが必要だが、コツさえつかめば複雑な曲線も自由に描けるようになるだろう。
「dayandnight」はレイヤー機能を持ち、画像の合成や重ね合わせが簡単なのが嬉しい。レイヤー単位で表示のON/OFFが可能で、ビットマップ画像を読み込めるのでデジカメで撮った写真画像に文字や図形を重ねたり、写真を下絵にしてCGに起こす作業もラクラク。入力した任意の文字列はアウトライン化すれば図形同様に扱え、制御点を追加して曲線化したり文字バランスを変えるなどの変形加工が可能だ。
面白いのはエフェクト機能だろう。選択した複数の図形を、魚眼レンズを通したように全体を変形したり、渦を巻くように回転して変形したりする機能だ。[レンズ]、[回転]、[穴]、[筒]など6種類のエフェクトを装備している。ペイント系のレタッチソフトではよくある画像エフェクトだが、ドロー系でサポートしているのは珍しい。またオマケとしてバーコードの描画をサポートしているのも面白い。
フリーハンドではなかなかきれいに描けない図形を使ったCGの作成にオススメ。エフェクトを使えばちょっとしたロゴやバナー画像を作るのも簡単だ。また簡易DTPとしてポスターやフライヤー（チラシ）の制作にも使えるだろう。ドロー系の画像データはパーツを後から移動したり変形でき、拡大しても輪郭が潰れたりギザギザにならないから、オリジナルデータを「dayandnight」で作成しておき、適宜BMP出力してペイント系グラフィックソフトに貼り付けて画像形式を変えて使うなど、他のオンラインソフトと組み合わせて使うのがベストだ。
操作性に独自のクセがあるので、同梱の説明書はきちんと読んでから使いたい。特に10種類のカーソルボタンは機能を覚えて使い分ける必要がある。また、データ出力はオリジナル形式のほかにBMPとEPS形式のみなので、ホームページに使うバナー画像を作りたい場合などは画像コンバーター等でGIFやJPEG、PNGに変換する必要がある。将来的には図形のグループ化やレイヤーの透過度設定などにも対応してくれるとありがたい。
【著作権者】ZooZooZoo 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.01.L.E.（99/12/31）□作者: zoozoozoo
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/person/an016210.html
（ひぐち たかし）
