ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第70回】

「こそっとエディタ」

仕事中でもこっそり書きたい! “内職”用テキストエディター

(00/02/21)

 仕事や勉強に熱中できればいいが、煮詰まったり考えがまとまらないときに関係ないことをして気分転換する人は多いことだろう。気晴らしのつもりで友達にたわいもない話をメールしたり、BBSにカキコミしたり、日記を書いたりしていると、フッといいアイデアが浮かんだということはよくある話だ。しかしあくまで仕事中は仕事中、こういう時は上司に覗かれないかとドキドキしたり、席の後ろを通る人の視線が気になってしまうのが正直なところ。第66回では“こっそり見る”ためのWebブラウザーを紹介したが、今回は“こっそり書く”ための、いわば内職用テキストエディターなるものを紹介しよう。

どんなソフト?……“こそっと書く”がコンセプトの簡易テキストエディター

「こそっとエディタ」v1.02  「こそっとエディタ」は、その名の通り“こそっと書く”ための機能が特徴的な、簡易テキストエディターだ。メモ帳代わりに気軽に使えるシンプルなエディターだが、ごく一般的なウィンドウ表示をするスクリーンモードのほか、細いウィンドウで一行分だけを表示/編集するラインモードを備えており、他の作業をしているときでも人目を気にすることなく文章を書くことができる。

 ラインモードの一行ウィンドウは、画面下端に貼り付いて移動や変形はできない。タイトルバーやメニュー表示、ステータスバーなどもなく、横いっぱいに伸ばした付箋ソフトのようなウィンドウだ。ラインモードでのファイル操作等は右クリックのポップアップメニュー、またはショートカットキーから行うようになっている。

 なおメモ帳風に使える簡易テキストエディターといっても、メモ帳と違い64Kバイト以上のファイルも扱えるし、単語の選択範囲内検索やオートインデントも可能など、メモ帳より機能は上だ。

ここがスゴイ!……目立たずタスクバー裏に隠せる一行ウィンドウ

 一行だけのラインモードはまさに目立たず、画面中央にWebブラウザーなど他のソフトのウィンドウを大きく開いておけば、横から誰かが画面をパッと見た程度では気付かれにくい。特に普段タスクバーを画面下部に置いて[自動的に隠す]設定にしている場合、タスクバーを表示させれば一行ウィンドウはその後ろに隠れてしまう。これなら横から誰かが不意に画面を覗いても、慌てることはないだろう。

 一行だけのウィンドウ表示で文章を編集するのは、前後関係が把握しにくいという根本的な難点があるが、例えば現在カーソルが何行何桁の位置にあるかをチップヘルプのように表示する機能や、スクリーンモードとラインモードの切り替えは[Ctrl]+[M]キーで簡単に行えること、その他ほぼすべての操作がショートカットキーに割り当てられていること、MS-IME98やATOK13のようにIMEが対応していればインライン入力が可能なことなど、一行でも文章が編集しやすいよう細かい配慮がなされている。

一行ウィンドウ

こんな場合に便利……メールや日記、BBSの草稿用に、常駐メモに

設定画面  私用メールや日記書き、BBSのカキコミの草稿用など、人目をはばかる(?)文章を“こそっと”書きたいときに便利なのはもちろんだが、ふと思いついたアイデアを走り書きするメモとして常時起動しておくのもよさそうだ。普通のテキストエディターを最小化したり小さいウィンドウにして使うよりも、ウィンドウをいちいち開閉せずスムーズに切り替えられ、画面スペースの邪魔にもならないので、他の作業をしながら何か文章を書かなければいけないようなときにもいいだろう。

使用上の注意は?……改行動作の違いと色設定に注意

 ラインモードとスクリーンモードでは[Enter]キーの動作が異なることに注意しよう。ラインモードでは[Enter]キーはカーソルキーの[↓]キーとほぼ同じ動作になる。最下行にある場合のみ、[Enter]キーで新しい行が追加されるが、それ以外の行では改行は挿入されない。これは一行ずつ編集しやすいための工夫の一つと思われるが、慣れるまでは気を付けておきたい。またラインモードでは文字列を範囲指定してドラッグ&ドロップで位置を移動しても移動が保持されないようだ。ラインモードで書き上げた文章の校正と確認は、スクリーンモードで行うようにしよう。

【著作権者】SHIBA 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.02(00/02/16)

□ぱすた企画
http://www.sainet.or.jp/~siba/

(ひぐち たかし)

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